【登山のしくじり①】初心者が無計画で難易度の高い山に登ってしまったの巻
前回までは威勢の良い山行の記事を書いてきましたが、今回は私が登山をしてきた中で失敗してきたことを記事にしたいと思います。
あまりに失敗が多いので今後シリーズ化も検討しています。
私は考えるより先に体が動く、最近で言う「多動タイプ」の人間なので、当然失敗することも多く、身をもって学ぶ、ということが人より多いように思えます。
登山も人生と一緒で、失敗をすることから学び、成長していくものだと思いたいのですが、登山での失敗は重大事故に直結する恐れもあるので、笑えないような失敗は何が何でも避けたいところですが。
今まで、たまたまうまく登頂できたけれど「危なかったな」ということは何度もあり、ベテランの方が言われているような「自然を甘くみるな」という言葉を今は身に沁みて感じています。
失敗したことを記事にすることで、同じ失敗を繰り返さないよう自身を戒めると共に、これから登山をはじめようとする方や、山泊や険しい山にチャレンジする方へ反面教師として参考なれば良いなぁと思っています。
今回のしくじりは、2012年9月に初めて槍ヶ岳に登った時のお話になります。
この記事を読んで「なめんじゃねぇ!」と怒り出したりせずに、「大変だったね」と同情して下さったり、「バカだな」と笑っていただけたら嬉しいです。

山は美しいけれど、同時に危険なところでもあります
◎初心者なのに無計画で槍ヶ岳に登った時のこと
2012年の夏になんとなくはじめてみた登山。
旅行のついでに群馬県の谷川岳と、栃木県の那須岳に登ったことで登山の楽しさを感じはじめていました。
そして、たまたま雑誌で見かけた北アルプスの槍ヶ岳に一目惚れをし、「ちょっと行ってみようかな」と、準備や下調べもあまり行わず、軽い気持ちで槍ヶ岳に向かってしまいました。

この日も下山時に西黒尾根という急で長いルートを選択して地獄を見ています
しかし、槍ヶ岳はすべてにおいて今まで登った山と全くレベルの違う山だった、という恐ろしい事実に登っている途中に気づいてしまったのでした。
今まで登った山は往復で3〜4時間くらい、歩行距離は5kmくらい、獲得標高も700mくらいだったのに対し、上高地から槍ヶ岳までは片道8時間(往復14時間)、歩行距離22km(往復44km)、獲得標高は2,000m近く、ということで、いつまで経っても着かない、登りが終わらない、一体どうなっているんだ?という状態になりました。
さらに、標高が高くなるにつれ空気は薄くなり頭痛と息切れの症状がでてくる、暑かった下界から一変して寒くなってくる、など初めて経験する高所の厳しさを身をもって体験することになりました。
「苦労して登ってきたから」という理由で、体がきつくても引き返して途中の山小屋に泊まる、または下山する、という選択肢を持つこともできませんでした。
これ、サンクコストの法則って言うみたいですね。

この地点で限界を200パーセント超えていました
途中で何度も立ち止まり、すれ違う人に「あとどれくらいで着きますかね?」と、聞きながらフラフラしながら登り、槍ヶ岳が見えてからも全然近づかないことに絶望しました。
そして、奇跡的になんとか槍ヶ岳山荘に着いた時は完全にグロッキーだったのを今でも鮮明に覚えています。
山をなめていた、、、
完全に自分の実力以上の山に来てしまったことを激しく実感しました。
ただ、ラッキーなことに、ルート上に水場がたくさんあり給水はできたこと、人がたくさん歩いていたので道迷いはしなかったこと、たまたま天気が悪くならなかったこと、などの条件が重なり、この時は遭難はせずに済みましたが、いつ遭難してもおかしくなかった状況だったと思います。
また、写真を見てみると登山靴は履いているものの、自転車用の薄いシャツ、ユニクロの街で履くズボン、といういでたちで、山頂では寒かったため薄手のパーカーのようなものを着ていました。
持参したレインコートは上下分かれていたものの、撥水効果はあまりなく、もちろんゴアテックス製でもなく、ダウンなどの防寒着も持っていませんでした。
さらに、ヘッドライト、ツェルト、手袋、さらには地図も持たずに来る、という始末で、今考えると過信と知識不足は本当に恐ろしいことだな、と感じてしまいます。
また、当時の記録を見ると、菓子パンだけは大量に持ってきており、なぜか文庫本など登山に必要のない重たいものまで持って来ていました。
山で優雅に本でも読もうとでも思っていたのでしょうかね、、、
こんな装備で救助要請をしたら、それはいろんな人から鬼神のごとく怒られるのは間違いないですよね。

この日は山頂までの登りがものすごい渋滞していて、寒さに震えながら順番待ちをしていました
最初の槍ヶ岳の挑戦では、奇跡的に無事下山できましたが、こうした下調べ不足、準備不足、自分の実力不足を痛感しました。
「山を甘く見るな」という言葉をこれ程、肌で感じたことはなかったと思います。
前置きが長くなりましたが、この記事で私が特に伝えたいことは以下のことです。
◎このしくじりから学んだこと
①登る山についてルートや天気をしっかり下調べをすること
②万全の装備と体調で臨むこと
③天候や体調などの理由で無理そうと感じたら、即座にルート変更や下山という判断をすること
④実力に合った山を選び登ること
こんなん当たり前だろ!?と言われてしまうかも知れませんが、これらのことは山の怖さを知らない登山をはじめたての頃の私は全く認識できていませんでした。
登山のような自然相手の趣味は、日常では味わえない感動や達成感がある反面、日常では起こり得ない危険も潜んでいます。
避けられない危険もあるけれど、正しい知識を身につけ、準備をすることで最大限リスクを抑えることはできます。
この夏、もし登山に挑戦される方は、こんなしくじりをすることなく、安全登山で楽しんで来てくださいね。

