おうちプールや海・川で後悔しないために。保育士が現場で徹底している「子どもの水の事故」を防ぐ3つの鉄則
楽しい夏休みの水遊び、少しヒヤッとしたことはありませんか?
ビニールプールで、きゃっきゃと笑う子ども。
海で、はしゃいで走りまわる姿。
夏休みならではの、宝物みたいな時間ですよね。
でもその一方で、こんな瞬間はありませんでしたか?
「ちょっと目を離した隙に、転んでた…」
「浅いプールだから、大丈夫だよね?」
そんな小さなヒヤリ、実はとても多いんです。
そしてそれは、あなたの注意が足りないから起きるわけではありません。
水遊びは、正しい知識さえあれば、もっと安心して楽しめます。
今回は、保育園やこども園の現場で保育士が徹底している「絶対に事故を起こさない仕組み」を、お伝えしていきますね。
なぜ「浅い水たまり」でも子どもは溺れてしまうのか?
まず知っておいてほしいことがあります。
それは、溺れるときの子どもは、静かだということです。
静かに溺れる「サイレント・ドラウニング」
ドラマや映画だと、溺れる人は「助けてー!」と叫んで、バシャバシャ暴れますよね。
でも、実際の子どもの溺水は、そうではありません。
呼吸をするだけで精一杯で、声を出す余裕がないんです。
手足をばたつかせることもなく、ただ静かに、沈んでいく。
これを「サイレント・ドラウニング(静かな溺水)」と呼びます。
だからこそ、「大きな音がしたら気づく」という考え方は、とても危険なんです。
頭が重くて、体は自分で支えられない
もうひとつ、知っておきたいのが子どもの体の特徴です。
小さな子どもは、体に対して頭がとても重いんです。
だから、うつぶせで顔が水につくと、自分の力で頭を持ち上げることが難しい。
これは、その子の運動能力とはあまり関係がありません。
体のつくり上、そうなってしまうんです。
実際、消費者庁もお風呂での溺水事故に対して、入浴後はお風呂の水を抜く、ベビーゲートを設置するなどの対策を呼びかけています。
わずか10センチほどの水深でも、事故は起こりえます。
「浅いから大丈夫」
「すぐそばにいるから大丈夫」
この2つの油断を手放すことが、水の事故を防ぐ、いちばんの近道です。
保育士が現場で徹底している「水の事故を防ぐ3つの鉄則」
保育の現場では、プール活動のたびに、いくつもの「仕組み」で子どもを守っています。
ご家庭でも、そのまま真似していただけるものばかりです。
① 見守りの専念:スマホ・ながら見をやめる「タッチルール」
水遊び中の見守りは、「見守ること」だけに専念します。
スマホをチェックしながら。
洗濯物を干しながら。
そんな「ながら見守り」を、この時間だけはお休みしましょう。
実際に、消費者庁が保育所やこども園にカメラを設置して調査したところ、監視や救助の専門家が「危険性のある子どもの行動」と「監視が十分できていない場面」を分析し、事故を防ぐための監視のポイントとして「監視に専念」することの大切さが示されています。
保育の現場でのキーワードも、まさに「監視に専念」なんです。
そしておすすめしたいのが、「タッチルール」。
いつでも手を伸ばせば届く距離に、大人が必ず1人いるようにする。
これだけで、もしものときの反応速度が、まったく変わってきます。
ワンオペのときこそ、この距離感を、意識してみてくださいね。
② 装備の仕組み化:海や川では「ライフジャケット必須」
海や川など、自然の水場に行くときは、浮き輪よりもライフジャケットがおすすめです。
浮き輪は、波や流れで、するっと体から抜けてしまうことがあります。
一方でライフジャケットは、体にフィットするので、抜けにくい。
特に、股下にベルトがついたタイプを選ぶと、より安心です。
海上保安庁のウォーターセーフティガイドでも、子どもは大人に比べて危険に対する判断ができないため、保護者は常に子どものそばを離れず、万が一に備えてライフジャケットを着用させることが呼びかけられています。
また、波打ち際にいるだけでも、波にさらわれて沖に流されてしまう事故が起きており、海に入っていなくても油断は禁物だとされています。
ご家庭でのルールとして、こう決めてしまいましょう。
「ライフジャケットを着てから、水に入る」
これを、当たり前の習慣にしてしまうんです。
③ 片付けの徹底:プールが終わったら「すぐに水を抜く」
楽しく遊んだあと、つい後回しにしがちなのが、片付けです。
でも実は、遊び終わったあとの溜め水にも、危険が潜んでいます。
大人が目を離した隙に、子どもだけでベランダや庭に出てしまい、そのまま溜め水に近づいてしまう…。
そんな事故も、報告されているんです。
だからこそ、「遊び終わり=その場で水抜き」を、セットの行動にしてしまいましょう。
バケツや洗面器の残り水も、同じです。
「あとで抜けばいいや」をやめるだけで、防げる事故があります。
正しい知識があれば、水遊びはもっと楽しくなる
ここまで、少し具体的なお話をしてきました。
でも、これは決して、みなさんを怖がらせるためではありません。
リスクを知ることは、家族みんなで思いきり楽しむための、「おまもり」なんです。
見守りは、「専念」する
自然の水場では、「ライフジャケット」を着る
遊び終わったら、「すぐ水を抜く」
この3つを意識して、思う存分、夏の水遊びを楽しんでくださいね。
子どもたちの、あの眩しい笑顔。
たくさん、見せてもらってください。
保育士として、みなさんの夏休みを心から応援しています。
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💡 今回の記事の参考にさせていただいた、信頼できる情報源
消費者庁「子どもの水の事故を防ごう!」 家庭内や外出先での子どもの溺水事故について、具体的な注意点がまとめられています。 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_062/
消費者庁「幼稚園等のプール活動・水遊びでの溺れ事故を防ぐために」(教材・動画) 保育・教育現場での監視のポイントが、専門家の分析をもとに解説されています。 https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/teaching_material/movie_001/
こども家庭庁「水の危険は近くにあります、みんなで危険回避!」 海・川・プールなどでの事故防止と、万が一のときの対応がまとめられています。 https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/cases/dekisui
海上保安庁「ウォーターセーフティガイド:海で遊ぶときの注意」 海水浴時のライフジャケットの重要性や、保護者が気をつけたいポイントが紹介されています。 https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/swimming/02_attention/
