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はじめての掌編小説 『忍ぶ草』


不易流行ふえきりゅうこう
と言う言葉をご存知ですか?」


吉野・如意輪寺にょいりんじ本堂の裏山にある後醍醐天皇塔尾陵とうのおのみささぎを訪れた時だった。後ろから声をかけられて振り向くと、年配の男性が立っていた。


古びた革表紙のノートを手にしている。


後醍醐天皇・塔尾陵①
 ②


「芭蕉ですよ」
男性は、御廟の方へ目を向ける。

御廟ごびょう年経て しのぶは何を しのぶ草


芭蕉の句碑


年を経た御廟。そこに生える忍ぶ草。「御廟は動かない。だが、忍ぶ心は人ごとに違う」


私は足元に目を落とす。
石段脇の細い草が、風に揺れている。


「でも、何を忍ぶかは、時代によって変わりますよね?」



「そうです」


男性は静かにうなずいた。
「場所は不易、忍ぶ心は流行」



風が強く吹き、草が伏す。



「若いころ、私は歴史を〝勝者の物語〟だと思っていた。けれど、敗れた者の記憶も、この山には残っている」


御陵の木々



その横顔に、奇妙な既視感がよぎる。




「君は、またここへ戻って来ます。」


低い声。


「何十年か後、この御廟の前で。
そして今の君に、同じ問いを投げる」



鼓動が速くなる。
急に風が吹き抜け、思わず目を閉じた。



静寂。






目を開けると、男性の姿は消えていた。


足元に、ノートが落ちていた。
拾い上げ、頁を開く。



——歴史は、川の流れのように。
最後の頁。
今日の日付。
——吉野。
——不易は御廟。流行は忍ぶ心。
——次は、私が声をかける。



その筆跡は、私のものだった。


 Gemini作



私は草に手を伸ばす。
細い茎を、一茎だけ摘み取る。

※画像はイメージで、シノブ(忍ぶ草) ではありません


指先に、かすかな湿り気。
それをノートの頁に挟む。


風が吹く。御廟は年を経る。草はまた生える。忍ぶという行為だけが、静かに受け渡されていく。



私は空を見上げた。
そして、ふと口をついて出た。


春風や 御廟の草の 影ゆるる





漫画版

ChatGPTで構成した掌編を、ネームにしてGeminiに漫画化してもらいました。



結び

いかがだったでしょうか。

今週は神功皇后の記事がまだ仕上がっておらず、毎週連続投稿は途絶えさせたくないので、急きょ「繋ぎ」で、初めて掌編小説とAI漫画に挑戦してみました。 ​

小説はChatGPTに構成を手伝ってもらい、漫画は私の指示(ネーム)をもとにGeminiで描いたノー修正画像です。 初めての試みなので、拙い点はご容赦ください(笑)。



​それにしても、自分のイメージがあっと言う間に形になる……本当にすごい時代になったものだと実感しています。



​来週はまた、しっかりと歴史の現場を歩いた記録をお届けする予定です。 不易な歴史の地で、流行(いま)を生きる私たちが何を感じるか。 ​また次の記事でお会いしましょう。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。



おまけ


柿の葉寿司って、どれも皆同じだと思っていませんか?店によって微妙に違うんですよね。私はここのが好きかな。

「ヤマトの柿の葉寿司」





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