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自分の中の「ちいさなわたし」を癒すには【第8回】

「どうしてこんなに生きづらいんだろう」
「本当は助けてほしかったのに、言えなかった」

そんな思いがふっと胸にのぼってくること、ありませんか?
それは今のあなたが弱いからではなくて、ずっと心の奥で声をあげ続けている「ちいさなあなた(インナーチャイルド)」の気持ちが、届いているのかもしれません。

このシリーズをここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。前回は「イネイブリング」という関係の悪循環と、そこから抜け出すヒントについてお話ししました。
最終回となる今回は、あなたの中にいる「ちいさなわたし」と、どうすれば少しずつ仲良くなれるのか、一緒に考えてみたいと思います。


読んでくださる方へ

インナーチャイルドに向き合うのは、とても繊細で勇気のいることです。だからこそ、気持ちに余裕があるとき、安心できる場所で読んでくださいね。しんどいときは、無理にやらなくても大丈夫です。


「気づいたこと」自体が一歩

これまでの回では、親の過干渉や親子関係のしんどさについてお話ししてきました。でも大切なのは「親から離れられたかどうか」という“結果”そのものではありません。

「この関係はつらいな」
「もっと自分を大切にしたい」

そう感じて立ち止まれたこと自体が、もう立派な一歩です。行動に移せなくても、うまくできなくてもかまいません。気づけたこと自体が、これからのあなたを支える力になります。


“ちいさなわたし”が反応しているサイン

  • ちょっとした批判に深く傷つく

  • 見捨てられるのが怖くて、人に合わせすぎてしまう

  • 認めてもらえないと、無価値に感じる

  • 弱音を吐くことに罪悪感がある

こんなふうに感じるとき、それは「昔のさみしさや痛み」が顔を出しているサインかもしれません。
「今の自分がおかしいから」ではなく、「あの頃の気持ち」がまだそこに残っているから、反応が強く出るのです。


癒すための3つのステップ

1. その存在に気づいてあげる

目を閉じて、「小さな自分」を思い浮かべてみてください。小学生くらいかもしれないし、もっと幼いかもしれません。
「ほんとはどう感じていたの?」「どうしてほしかったの?」──そう問いかけてみるだけで、その子は「見てもらえた」と感じます。

2. 大人のあなたが寄り添う

「さみしかったよね」
「よくがんばってきたね」
「今は私がそばにいるよ」

声に出さなくても、心の中で思うだけで十分です。小さな背中をさすってあげるような気持ちで。
しんどいときは無理に続けなくても大丈夫。途中でやめてもいいのです。

3. やさしい選択を自分に許す

  • 疲れたら休む

  • 「助けて」と言ってみる

  • 小さなごほうびを自分にあげる

こうしたことが「がんばらなくても、ここにいていいんだよ」というメッセージになります。


おわりに

インナーチャイルドは、あなたを困らせるためにいるのではなく、「仲良くしたい」と願っている存在です。

安心できるときに、そっと耳を傾けて「ここにいるよ」と伝えてあげてください。それが、長い間ひとりでがんばってきたあなたを癒す大切な一歩になります。

診察室で私はよくこう伝えます。
「大人になると、もう誰もほめてくれないですよね。でも、こんなに生きづらい中でやってきたんだから、自分くらいは、いつでも味方でいていいんです」

たとえば夜、布団に入る前に「今日もよくがんばったね」と小さくつぶやいてみたり、温かい飲み物を手にしながら「大丈夫、ここにいるよ」と心の中で伝えてみたり。
そんなささやかな時間が、“ちいさなわたし”にとっては大きな安心になります。

もしよければ、“ちいさなわたし”と一緒にアイスクリームでも食べてみませんか。
「今日もおつかれさま」「よくがんばったね」と声をかけながら。
そんな瞬間に、「ひとりじゃないんだ」と感じられるかもしれません。


このシリーズを読んでくださった方へ

「自分の人生を取り戻す」シリーズは今回でひと区切りになります。ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

親子関係の文章って読むのにすごくエネルギーを使いますよね。
ここまで読んでくださったあなたはすごいがんばり屋さんだと思います。
がんばって読んでくれてありがとう。

私がお伝えしたかったのは「親と距離を取るのが正解だからそうすべき」という答えではありません。
大切なのは、「私はどうしたいか?」と、自分の気持ちに耳を傾けること。

あなたと“ちいさなわたし”が、少しでも穏やかに過ごせますように。


▶この連載をまとめて読む → #自分の人生を取り戻すシリーズ

  • 第1回:「自分にやさしくすること」がむずかしいあなたへ

  • 第2回:「あの人にこそ、愛されたかった」

  • 第3回:「ここから先は私の領域」──心に境界線を引くということ

  • 第4回:「私が悪いのかも」から抜け出すために(自動思考について)

  • 第5回:過干渉には情報を与えない(壊れたレコードテクニック)

  • 第6回:罪悪感に負けない、心を守る7つの方法

  • 第7回:イネイブリングって知ってる?

  • 第8回:自分の中の「ちいさなわたし」を癒すには

  • 特別編①:過干渉な母親が使う「呪いの言葉」──見えない鎖から少しずつ自由になるために

  • 特別編②:どっちにしても怒られる…心をしばる親の言葉

  • 特別編③:「親を許さなくても、いいんです」──過干渉な母親に苦しんできたあなたへ

  • 第0回:それでも、お母さんはそこにいるだけで100点


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コメントもとてもうれしく読ませていただいています。

あなたの日々が、少しずつやわらいでいきますように。


親との関わりに悩みながらも、少しずつ向き合っている方たちの声を集めました。
親と距離を取ることに迷っている方へ。


「自分の人生を取り戻す」シリーズのマガジンです。

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精神科医・城戸高志 ありがとう!