炭素会計革命の落とし穴-「E-ledgers/E-liability」は本当に機能するのか
IEEI(国際環境経済研究所)に寄稿しました。(日本を除き)世界的には衰退しつつあるスコープ3に代わって炭素会計のスタンダードになる可能性がある「E-ledgers/E-liability」について考察する連載の第2回です。
今回は、E-ledgersを実際に運用する際に想定される様々な課題や致命的な欠陥について、具体的に指摘します。
繰り返しになりますが、E-ledgersの理念はよいと思いますし、スコープ1に限定する手法にも筆者は大いに賛同します。スコープ3も同様ですが、学者が学問として追究したり、業界団体などが企業の塊として大まかに環境負荷のホットスポットを把握する程度の目的であれば自由にやってもらって構いません。
しかし、スコープ3もE-ledgersも、企業個社に当てはめて削減計画を立てさせたり、炭素税の支払い根拠として活用できるような精度のデータは永遠に実現不可能なのです。
推計値による炭素会計では、運用を課される企業側にとっても、そして地球環境にとっても、何のメリットもありません。ESG、SDGsなどと同様で、このスキームをつくったり普及させる側の人たちだけにメリットがあって、企業は搾取されることが目に見えています。
このスキームがすばらしい!自社の企業価値向上につながる!などと考える企業がもしもあれば自主的に取り組むはずですし、自由参加にした方がESG投資家も投資先を選びやすいはずです。あらゆる脱炭素施策は、義務化ではなく自由化すべきなのです。
5分ほどいただきますがご笑覧ください!
前回はこちらです。
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