古代ギリシアの食べ物Part1(古代ギリシアと英単語⑦)
こんにちは!森倉健斗です。
新年度初めはバタバタして忙しいですね。。。私は健康診断を受け忘れてしまいました。実費で受けなきゃいけないんですかね。悲しいです。
さて、今回の記事のテーマは「古代ギリシアの食べ物」です!何らかの形で古代ギリシアに興味を持った方でも、食べ物に着目する人は少ないでしょう。しかし、ギリシア人も人間ですので、ちゃんと食事をしていました。では彼らは一体何を食べていたのでしょうか?英単語と関連付けながら解説します。
肉
前750年頃に成立した『イリアス』第9歌には、アキレウスが客人に御馳走をふるまうシーンがあります。ここでは、羊、山羊、豚といった動物の肉が言及され、アキレウスたちはこれらの肉を細かく切って串刺しにして、聖なる塩を振りかけて食べています。もっともここでは出てきていませんが、牛も食されていたことがわかっています。アテナイにはディーポリアスタイと呼ばれる牛飼い専門集団も存在していました。
「なんだ、現代とそんなに変わらないじゃないか」と思った方もいるかもしれません。しかしながら、古代ギリシアにおいて庶民がこれらの「肉」を食べることができたのは、祝宴や祭事の際に限られました。古代において「肉」は高価で貴重であり、毎日食べられるものではなかったのです。食べたとしても兎の肉や鳥類の肉であったと言われています。
少し自分の専門と関連付けて話しますと、私の研究対象であるデルフォイでは、参拝人が神託を伺う際に犠牲獣(羊か山羊)が要求されました。これらは参拝人が用意するのですが、屠られた犠牲獣の肉は神々に捧げる部分以外はデルフォイ人のモノとなりました。それ故、デルフォイ人は他のギリシア人たちよりかは頻繁に、そして多くの肉にありつけたはずです。古代の文献の中にはこのようなデルフォイ人を非難する文言もあります(アテナイオスのどこかにあったと思うのですが、忘れてしまいました)。
ギリシア語で「牛」は bousと言います。この単語は世界史で耳にするボスポラス海峡 Bosporus の中に含まれています。この単語はbos「牛」とporus「通り道」から成っており、「牛の通り道」という意味です(どちらもギリシア語由来)。ゼウスによって牛に姿を変えられたイオが渡ったとされることからこの名がついています。
魚介
ギリシアは地中海に接していたので、漁業も盛んに行われていました。食べられていた魚類をいくつか挙げてみると、
マグロ、ナマズ、サメ、カワハギ、タイ、トビウオ、エビ、イカ、ヒラメ、アンチョビ、ヒメジ
などなど。かなり多種にわたって食べられていたそうです。
アテナイでは、アゴラ(市場)で魚類が販売されていたらしく、魚屋たちは商品をなるべく新鮮に見せようと水をわざとかけていたそうです(もっともこの行為は禁止されていたそうですが)。
とりわけ興味深い魚類は2つあります。一つは「タコ」です(最初の写真参照)。タコをどのように食べていたのか、これについてはよくわかっていません。しかし、奇人として知られる犬儒派の哲学者ディオゲネスはタコを生で食べて死んだと伝えられています。タコはギリシア語で polypous といいます。poly が「多数の」、pous が「足」の意味なので、「多数の足を持つもの」という意味ですね。後半部 pous は「タコ」を意味する英単語 octopus に見られます(octo は「8」の意味)。
もう一つは「ウナギ」です。日本に住んでいると、日本特有なものと感じがちなウナギは、ギリシア人も食べていました。ギリシア中部のコパイス湖で取れるウナギがおいしいと評判だったそうです。そして、ウナギは日本と同じく焼かれて食されたそうです(しかしながら味付けは異なったようです)。そしてまた、お供とされたのは甜菜だったそうで、お米と食べる我々とは食べ方が違いますね。味付けが残っていれば試したんですがね。。。
今回はここまで!ちょっと長くなりそうなので、続きは別の記事で書きます。ぜひ次の記事も読んでください。次は「お酒」と「穀物」について書く予定です。
それでは次の記事でお会いしましょう。χαῖρε!(さようなら!)
参考文献
丹下和彦(2012)『食べるギリシア人』、岩波新書。
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