『ザ・ゴール』に学ぶ! 仕事の生産性を上げる考え方:第10回 「ボトルネックではないCCRに気を付ける」
こんにちは!サプライチェーン・マニアの瀬崎健です!
名著『ザ・ゴール』をガイドに仕事の生産性をハックするこの連載、ついに第10回を迎えました!ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございます!
前回は「理想の工場なんて幻想だ!」という、ちょっと衝撃的なお話をしました。
「つながりの鎖(従属的事象)」と「予測不能なバラツキ(統計的変動)」がある現実の世界では、「あえて余裕を持つこと」こそが、チームを救う最強の戦略になるんでしたね。
さて、今回はさらに一歩踏み込んで、TOC(制約理論)の奥深い知恵をお届けします。
テーマは、「ボトルネックではないCCRに気を付けろ!」です。
「ボトルネックだけ見てればいいんじゃないの?」という油断を、ビシッと引き締めていきますよ!
🧐 ボトルネックだけが「制約」じゃない?
『ザ・ゴール』を読んだ人は、誰もが「ボトルネック(一番細い場所)」の重要性に気づきます。 物語でも、アレックスは機械NCX-10というボトルネックを徹底活用して、工場の危機を救いました。
調子に乗った(失礼!)アレックスは、さらに利益を上げようとどんどん受注を増やします。 「ボトルネックの使い方はマスターしたし、もう完璧だぜ!」と。
ところが、ここで謎のトラブルが発生します。 なぜか、完璧に管理していたはずのボトルネック(NCX-10)の前に、加工すべき部品が届かなくなったのです。
「あれ?ボトルネックがどこかに移動したのか?」 いいえ、犯人は別にいました。それがCCRという名の「要注意人物」だったんです。
🎭 CCR(容量制約資源)という「隠れキャラ」
CCR(Constraint Capacity Resources)。 日本語では「制約キャパシティ資源」なんて堅苦しい名前ですが、一言でいえば「余裕がまったくない、ギリギリな工程」のことです。
ボトルネックではないので、普段は仕事の流れを止めることはありません。 でも、需要をこなす能力が「ぴったり100%」くらいしかないので、少しでもトラブルが起きたり、受注が増えたりすると、あっという間にパンクしてボトルネックに豹変します。
まさに、「普段は大人しいけれど、忙しくなると真っ先にキレる同僚」のような存在です(笑)。
⚠️ 受注を増やしたら「防波堤」が崩れた!
アレックスの失敗はシンプルでした。 受注を増やしたことで、工場全体の「仕事の量」が増えたんです。
今までは「たまにサボっても大丈夫」だったCCR(ギリギリな工程)が、増えた仕事のせいで1秒も休めなくなりました。 そこにちょっとした「バラツキ(機械の故障など)」が重なった瞬間、CCRがパンク。
その結果、その後ろに控えている「真のボトルネック」に部品が届かなくなり、工場全体がストップしてしまったのです。
「ボトルネックを守るためには、その手前にあるCCRにも注意を払わなければならない」 これが、アレックスが痛い目を見て学んだ教訓でした。
💻 あなたの仕事に潜むCCRはどこ?
私たちのデスクワークにも、このCCRは確実に潜んでいます。
例えば、仕事のボトルネックが「多忙な上司との打ち合わせ」だとしましょう。 打ち合わせ時間を1秒も無駄にしないよう、あなたは完璧な資料を準備しようとします。
ここで、資料を作るための「データ集計」がCCRだったとしたら? 普段は何とかこなせている集計作業も、他の案件が重なってパンクすれば、資料が完成せず、せっかく確保した「ボトルネック(上司の時間)」が空振りに終わってしまいます。
ボトルネック: 上司の承認・判断
CCR: 資料作成のためのデータ集計
ボトルネックだけを見て「上司の予定を押さえたぞ!」と満足してはいけません。 その予定を活かすための「ギリギリの準備工程(CCR)」がパンクしていないか、常にアンテナを張っておく必要があるんです。
💡 今回のポイント
「一番忙しい場所」だけでなく、その手前にある「余裕のない場所」をケアしましょう。
需要(仕事量)が増えた時、真っ先に悲鳴を上げるのはどこですか?
ボトルネックに仕事を流し込むための「準備」は、綱渡りになっていませんか?
「ボトルネックを止めないために、CCRを管理する」 この視点が持てれば、あなたの仕事の安定感はプロ級になりますよ!
🎯 次回予告:全体最適とは何なのか?
ここまで10回にわたって『ザ・ゴール』のポイントを解説してきました。
改めて、説明すべきポイントが多すぎて、その名著さがやばい「ザ・ゴール」。
ここから、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の視点で、「ザ・ゴール」を貫くテーマを整理していきます。
次回のテーマは「全体最適」。
それでは、また次回お会いしましょう!
コンパクトで読みやすい「ザ・ゴール」の漫画版もぜひ読んでみてください!
