【SCM基礎】調達② 調達のプロセス
こんにちは!サプライチェーン・マニアの瀬崎健です! このシリーズでは、サプライチェーンの基礎を、なぜか時々バスケットボールになぞらえて解説しています。
前回は「 調達とは何か?」、調達がいかに「チームの命運を握るスカウトマン」であるかという話でした。
今回は、そのスカウトマンが実際にどうやって金の卵を見つけ、契約を結び、一流の選手(サプライヤー)へと導いていくのか。
その「具体的な流れ」について、みていきます!
1. サプライヤー開発:未来のスターを探せ!
さて、最強のチームを作るためには、まず「どんな選手が必要か」を明確にしなければなりません。 これがサプライヤー開発です。
巷で有名なスター選手(大手メーカー)に声をかけるだけが調達ではありません。 今はまだ無名だけれど、特定の技術に長けている「隠れた名選手」を、泥臭く探し出すプロセスです。
バスケで言えば、地方の無名校に足を運び、 「あいつの3ポイントシュートの精度、うちの戦術にドンピシャじゃないか……?」 と、原石を見つけるようなものですね。
自社の製品に必要な「特殊なネジ」や「最新の半導体」を作れる相手を、 市場調査や展示会を通じてリストアップしていくのがこの段階です。
サプライヤーの本社や生産拠点がどこの国にあるのか、そのカントリーリスクを検討することも重要です。
2. サプライヤー選定:三通の手紙(RFI・RFP・RFQ)
候補が見つかったら、次は入念なチェックです。
ここで登場するのが、調達業界の「三種の神器」ならぬ「三通の手紙」です。
まずはRFI(情報提供依頼書)。 「君のプレイスタイルや実績を教えてくれないか?」という、いわば履歴書の提出依頼です。
次にRFP(提案依頼書)。 「うちはこういう戦術(製品)を考えているんだが、君ならどう動く?」という、作戦会議への誘いです。
そして真打ち、RFQ(見積依頼書)。 「ズバリ、年俸(価格)はおいくら?」という、具体的な条件提示です。
と、いざ試合(生産)が始まった時に、 「えっ、リバウンド取れないの!?」 「そんなに高い年俸払えないよ!」 といった悲劇が起きます。
客観的なデータに基づいて、最適なパートナーを絞り込むことが、監督(マネージャー)としての腕の見せ所です。
3. 交渉・発注:熱い握手と契約書
選定が終われば、いよいよ交渉と発注です。 ここでは、単に「安く叩く」のが仕事ではありません。
お互いが納得し、最高のパフォーマンスを発揮できる「Win-Win」の条件を探ります。
バスケの契約交渉でも、年俸だけでなく、 「出場機会の保証」や「怪我をした時のサポート」など、細かい条件を詰めますよね。
調達でも同じです。 価格、納期、品質、そして万が一のトラブル時の対応。 これらをしっかり握り合い、契約書という名の「信頼の証」を交わします。
ここで適当な約束をしてしまうと、後で「聞いてた話と違う!」と、 チームが空中分解(ラインストップ)してしまうので要注意ですよ!
契約が決まれば、発注をします。発注段階でも、発注書に納期や納品場所、単価など契約した条件を記載することが大事です。
4. サプライヤー管理:共に成長する「育成」
選手が入団(発注開始)したら終わり……ではありません。 むしろ、ここからが本番です。 それがサプライヤー管理(SRM)。
定期的にパフォーマンスを評価し、フィードバックを行います。 「最近、パスの精度(品質)が落ちてないか?」 「もっと早くボールを運べる(短納期)ようにならないか?」 といった具合です。
時には、こちらから技術指導をしたり、一緒にコスト削減案を考えたりもします。 サプライヤーを「ただの取引先」ではなく「チームの一員」として育てること。
これができる監督こそが、長期にわたって勝ち続けるサプライチェーンを構築できるのです。 時には厳しく、時には優しく、二人三脚でゴールを目指しましょう!
今回の「調達のプロセス」、いかがでしたか? スカウトから育成まで、調達担当者の守備範囲の広さに驚かれたかもしれません。
さて、次回はさらに踏み込みます! 価格の波をどう読み解くか、そして設計段階から調達が入り込む「最強の先手必勝法」について。
お楽しみに!
