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日本の「最大の貿易赤字国」との経済関係:現状と今後の戦略

日本の現状を比較と推移で見つめなおすこのコラム。前回は、日本の貿易収支が赤字に転落した現状について解説しました。

今回は、日本にとって最大の貿易相手国である国との貿易に焦点を当てていきます。

まず、皆さんにクイズです。日本にとって一番の貿易黒字国はアメリカです。では、一番の貿易赤字国はどこでしょうか?石油などを大量に輸入しているから中東の国でしょうか?中東は地域として見るとそうですが、単体の国でみると、答えは中国です。

2024貿易黒字・赤字TOP3位国

中国との輸出入金額の変遷—隣国との経済関係の深化

この30年間で、日本と中国の経済関係は劇的に変化しました。中国が「世界の工場」として成長するにつれて、日本との貿易額は飛躍的に増加しています。

日本の対中国輸出額は、1990年代半ばから増加し、現在では年間20兆円近くに達しています。これは日本の総輸出額の約20%を占めます。一方、対中国輸入額はさらに大きく伸び、現在では約25兆円にまで増加し、日本の総輸入額の約4分の1を占める規模です。

このように、輸出入ともに中国との取引は日本の貿易において圧倒的な存在感を持っています。さらに、日本は対中国貿易で慢性的な赤字となっています。

対中国貿易の部門別分析—部品供給者から完成品輸入者へ

対中国貿易の内容は大きく変化しています。

かつて、日本は「一般機械」や「電気機器」などの部品や技術を中国へ輸出し、中国がそれを組み立てるという分業体制でした。これにより、日本はこれらの分野で黒字を維持していました。しかし、近年では中国が独自の技術力をつけ、自国での生産能力を高めたため、この構図が崩れつつあります。

現在、日本が中国から輸入する品目で大きな割合を占めるのは、スマートフォンなどの「電気機器」や「衣類」といった消費財です。これらの分野では輸入が輸出を大幅に上回り、日本は大きな赤字を抱えています。

このように、日本は「部品の供給者」から「完成品の輸入者」へと立場が変わり、かつて得意としていた分野でも中国に市場を奪われているのが現状です。

ダイナミックな中国の戦略

中国の輸出戦略は、過去の「世界の工場」として安価な製品を大量に輸出する段階から、電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽光パネルといった「新御三家」に代表される高付加価値製品を世界に広める段階へと大きく変化しています。

この戦略を後押しするため、中国政府は特定の産業に補助金を出し、技術開発を強力に支援しています。同時に、自国の技術を守るための規制を強化し、「一帯一路」構想を通じてインフラ整備や貿易協定を進めることで、輸出市場の拡大を図っています。

さらに、中国は、教育・研究開発への投資を国家戦略として強力に推進しています。研究開発費は日本をはるかに上回る世界第2位の規模に達しています。教育分野では、GDPの4%以上を予算に充て、「双一流建設」のような国家プロジェクトで特定の大学を世界トップレベルに引き上げるなど拡充に力を入れています。民間企業も研究開発費の多くを負担しており、企業と大学の連携も盛んです。

中国との貿易における課題と対策

中国との貿易には、サプライチェーンの脆弱性や経済安全保障上のリスクなど、複数の課題があります。特に、中国への過度な依存は、有事の際の重要物資の供給途絶や技術力喪失につながり、日本の国防を脅かしかねません。そのため、「MADE IN CHINA」から自国製を選ぶことは、国内産業の維持・強化を通じて、国の安全保障を守るための重要な投資となります。

中国は、日本にとってアメリカに次ぐ第二位の輸出先であり、最大の輸入相手国であるため、貿易赤字も最大の国です。今後も中国との経済関係なしに日本の経済が成り立つのは難しいでしょう。

中国は、技術投資を継続することで自国の技術力を高め、それが貿易黒字にもつながっています。日本も、独自の戦略をもって、この強かで巨大な隣国との貿易収支を改善していくことが重要です。あるいは、他の国との関係を強化し、貿易黒字を拡大していく道もあります。

いずれにせよ、限られた日本の資源を有効に活用するためには、明確なターゲットを定め、賢い戦略を立て、粘り強く改善を続けていく必要があります。

次回は、もう一つの重要な貿易相手国である「アメリカとの貿易関係」について解説します。


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