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あなたが選ばれない理由は、たぶん実力ではありません

こんにちは。安定収益の作り方について、起業や副業に関する考え方を配信している柴田謙吾です。

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以前、ご紹介であるお客様の仕事を引き継いだことがあります。

前任の方は、その分野の国家資格を持った専門家でした。私は後から成果物も見せていただきましたが、仕事の中身に問題があったようには思えませんでした。

それでも、その方は契約を切られていました。理由をうかがって、私は少し驚きました。

「話し方が、どうも合わなかった」

今日は、実力や資格ではないところで、仕事の受注は決まっている、という話をしたいと思います。


成果物に問題がないのに、切られる

この話が私にとって衝撃だったのは、「実力があれば選ばれる」という前提が崩れたからです。

私たちはつい、こう考えます。資格を取ろう。技術を磨こう。実績を積もう。そうすればお客様は自分を選んでくれるはずだ、と。

私自身、そう思って生きてきました。技術系の世界にいたので、なおさらです。難しい試験に受かること、正確な成果を出すこと。それが評価のすべてだと思っていました。

ところが実際の商売の現場では、成果物の手前で判断が終わっていることがあります。中身を評価してもらう前に、こちらの人となりで判断されているということです。

厳しい話に聞こえるかもしれません。でも私は、これは逆に希望のある話だと思っています。

なぜなら、資格や実績を積み上げるには何年もかかりますが、人となりの部分は、明日から変えられるからです。

テストで測れない力が、受注を左右する

学力テストでは測れない力のことを、非認知能力と呼ぶそうです。子どもの教育の文脈でよく出てくる言葉ですが、私はこれが仕事の受注にそのまま効いていると感じています。

私が大切にしているのは、次の三つです。

① 笑顔
何よりも、無表情がいちばん話しかけにくいのです。相手は「この人に相談していいのだろうか」と迷った瞬間に、相談をやめてしまいます。

② 理解しようとする姿勢
理解できているかどうかではありません。理解しようとしているかどうかが伝わることが大事です。分からないことを分かったふりでうなずくより、「そこをもう少し教えてください」と聞くほうが、よほど信頼されます。

③ レスポンスの速さ
これがいちばん効きます。返信が速いというだけで、「この人は自分のことを大事にしてくれている」と受け取ってもらえます。中身より先に、速さが伝わってしまうのです。

どれも、才能ではありません。技術でもありません。やると決めればできることばかりです。

それなのに、多くの人がここを後回しにします。私も昔はそうでした。勉強することのほうが、なんとなく前に進んでいる気がするからです。

見積を出す前に、動いてしまう

私にも、思い出深い出来事があります。

あるとき、補助金についての小さなご相談をいただきました。やれば一、二時間で終わる程度の内容で、金額としても大きくはありません。

ふつうなら、見積を出して、承諾をいただいて、それから着手します。でもそのときの私は、先に手を動かして片づけてしまいました。相手が困っているのが分かったからです。

この判断が、後になって効いてきました。その方から、まったく規模の違う案件をご相談いただくようになったのです。最初の相談とは桁がいくつも違う仕事に育ちました。

もちろん、いつも見積を省いていいという話ではありません。私が言いたいのはそこではなく、お客様は最初の小さな依頼で、こちらを試しているということです。

小さな仕事だから後回しにする人なのか。金額に応じて態度を変える人なのか。それとも、目の前の困りごとにすっと手が出る人なのか。

その判定が終わってから、大きい話が回ってきます。順番が逆になることは、まずありません。

銀行も、同じところを見ていました

もうひとつ、意外だったことがあります。

会社を作ってから、金融機関とのお付き合いを一から始めました。事業計画をきちんと作り、資金繰りの見通しを揃えて臨みます。当然、審査されるのは事業の中身だと思っていました。

実際に融資のお話を進めていく中で感じたのは、担当の方は数字と同じくらい、こちらの振る舞いを見ているということです。

不在着信にすぐ折り返すか。約束の期日に資料が出てくるか。身なりが整っているか。難しい質問にごまかさず答えるか。

言われてみれば当たり前です。相手からすれば、お金を貸して、利子をつけて返してもらえるかどうかを判断しているわけです。事業計画は紙の上の話で、それを実行するのは目の前の人間です。紙が信用できるかは、その人が信用できるかに掛かっているのだと思います。

お客様も、金融機関も、見ているところは結局同じでした。

一事が万事

「一事が万事」という言葉があります。ひとつの小さなことに、その人のすべてが表れる、という意味です。

私はこの言葉を、少し怖い気持ちで受け止めています。自分では特別なことをしていないつもりの場面ほど、素の自分が出ているからです。

メッセージの返信を明日に回すとき。相手の話を聞きながら次に何を言うか考えているとき。金額の小さい仕事を、後ろに積んでおくとき。

そのひとつひとつを、相手はちゃんと見ています。そして、たいてい何も言わずに離れていきます。切られた理由を教えてもらえた前任の方は、むしろ幸運なほうです。ほとんどの人は、理由が分からないまま次が来なくなるのです。

自分では自分がよく見えません。だから私は、他人を見るときの目で自分を見るようにしています。もし自分がお客様なら、この返信の速さで安心するだろうか。この表情の相手に、込み入った相談をするだろうか、と。

まとめ

資格も実力もある方が、話し方を理由に契約を切られていました。仕事の受注は、成果物の手前で決まっていることがあります。

そこで効いているのが、テストでは測れない力です。笑顔、理解しようとする姿勢、レスポンスの速さ。この三つは、才能でも技術でもなく、今日から変えられることばかりです。

小さな依頼をどう扱うかで、次の大きな話が来るかどうかが決まります。お客様も金融機関も、結局は「この人はやってくれる人か」を見ています。

一事が万事です。特別な場面ではなく、何気ない場面のほうに、その人らしさは出ます。

もし今、実力は足りているはずなのに選ばれないと感じているなら、磨く場所はもっと手前にあるのかもしれません。

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