"いい人"を頑張るほど、売れなくなるという落とし穴
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「まわりからは、いい人だと言われるんです。でも、なかなか売上につながらなくて」——起業したての方から、こんな相談をいただくことがあります。
人柄はいい。誠実に発信もしている。それなのに、商品やサービスは思うように売れない。とても真面目に頑張っている人ほど、この壁にぶつかりがちです。
私は、その原因のひとつが「信頼」と「信用」を同じものだと思ってしまっていることにあると考えています。実はこの2つ、似ているようでまったく別のものなんですね。
今日は、「信頼される」と「信用される」の違いと、その両方をどう積み上げていくのかについて、お話ししたいと思います。
「信頼」と「信用」は、別のものです
まず、私なりの整理をお伝えします。
・信頼 … その人が「どんな人か」に向けられるもの。人柄や誠実さへの評価
・信用 … その人が「何をやってきたか」に向けられるもの。実績や結果への評価
信頼は、日々の振る舞いや言葉づかい、約束を守る姿勢といった「人となり」から生まれます。一方の信用は、「この人に任せたら、ちゃんと結果を出してくれた」という事実の積み重ねから生まれます。
つまり、信頼は"人"に、信用は"実績"に紐づいている。ここを分けて考えられるかどうかが、大きな分かれ目になります。
うまい棒を、社長を信頼して買う人はいません
分かりやすい例で考えてみます。
あなたがコンビニでうまい棒を買うとき、その会社の社長を信頼しているから買う、という人はまずいないですよね。「美味しいから」「10円だから」——つまり商品そのものへの信用で買っているわけです。
身近な買い物のほとんどは、こうして「商品への信用」で成り立っています。売り手がどんな人柄かは、ほとんど関係ありません。
ところが、コンサルティングやコーチング、士業のような「無形のサービス」になると、話が変わってきます。目に見える商品がないぶん、「この人は本当に結果を出せるのか」という信用が、そのまま売れるかどうかを左右するんです。
なぜ「いい人」なのに売れないのか
冒頭の相談に戻ります。
「いい人なのに売れない」という状態は、たいてい信頼はあるのに信用が足りていない、というケースです。
人柄はよく伝わっている。応援してくれる人もいる。けれど、「この人にお金を払えば、自分の悩みが解決する」という確信までは持ってもらえていない。だから、あと一歩のところで財布が開かないんですね。
ここで多くの人がやりがちなのが、さらに「いい人」であろうと頑張ってしまうことです。丁寧に接する、まめに返信する——もちろん大切ですが、それは信頼を厚くする行為であって、足りていない信用を埋める行為ではありません。
かつての私も同じでした。「僕はこれができます」と自分の能力を一生懸命伝えていたのに、なかなか売れない時期がありました。今思えば、人柄で好かれることと、実績で信用されることを、混同していたのだと思います。
信用は「実績」でコツコツ積み上げる
では、信用はどうやって積み上げるのか。近道はなく、結局は「実績」を一つずつ重ねていくしかありません。
ここで大事なのは、最初から大きな実績である必要はない、ということです。小さな案件でもいい、無料や低価格でもいい。まずは「やってみて、結果を出した」という事実をつくる。その積み重ねが、次の信用につながっていきます。
そしてもう一つ、地味ですが強いのが「続けること」そのものです。発信でも仕事でも、途中で投げ出さずに続けている人には、それだけで一定の信用がついてきます。「あの人はずっとやっている」という事実は、何よりの実績なんですね。
私が毎日発信を続けたり、お客様への郵送物を定期的に届け続けているのも、「また来たな」「ずっとやっているな」という認知を通じて、少しずつ信用を積み重ねるためです。派手さはありませんが、こうした積み重ねは簡単には崩れません。
信頼と信用は、両輪です
誤解のないようにお伝えすると、信頼が要らないという話ではありません。
人柄への信頼がまるでなければ、そもそも話を聞いてもらえませんし、実績があっても「なんとなく感じが悪い」人からは買いたくないものです。
大切なのは、信頼と信用は車の両輪だと理解しておくこと。人柄で「聞いてみようかな」と思ってもらい、実績で「この人になら任せられる」と確信してもらう。この両方がそろって、はじめて安心して選んでもらえるんです。
もし今、「いい人だと言われるのに売れない」と感じているなら、足りないのは人柄ではなく、実績としての信用かもしれません。そう考えると、次にやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。
まとめ
「信頼」は人柄への評価、「信用」は実績への評価であり、この2つは別のものです。
うまい棒を社長を信頼して買う人がいないように、多くの商品は「信用」で売れています。とくに無形のサービスでは、実績としての信用が売れるかどうかを大きく左右します。
「いい人なのに売れない」のは、信頼はあるのに信用が足りていないことが多いもの。信用は、小さな実績と「続けること」でコツコツ積み上げていくしかありません。
人柄で聞いてもらい、実績で任せてもらう。信頼と信用の両輪を、あせらず育てていきたいですね。
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