見出し画像

「よく一人で行けますね」

小谷城を訪れた。

浅井長政の居城として知られる山城である。

浅井長政といえば、織田信長の妹・お市を妻に迎えた戦国武将。

信長とは同盟関係にあった。

しかし、その関係は長くは続かなかった。

浅井氏と深い関係にあった朝倉氏と信長が戦うことになり、

長政は難しい選択を迫られる。

信長につくのか。

朝倉氏につくのか。

長政が選んだのは朝倉氏だった。

結果として、義理の兄である信長と戦うことになる。

1570年、姉川の戦い。

浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が激突した。

両軍合わせて2000人以上が戦死し、

姉川が真っ赤に染まったとも伝えられている。

その後も長政は信長に抵抗を続ける。

そして最後の舞台となったのが、

小谷城である。


長政は小谷城に籠城し、約3年にわたって信長と戦った。

しかし1573年、ついに小谷城は攻め込まれる。

長政は29歳でその生涯を終えた。

その最期を前に、

妻のお市と3人の娘は城を出たと伝えられている。

茶々。

初。

江。

いわゆる浅井三姉妹である。

浅井家は滅亡した。

しかし、この3人の娘たちは、

その後の日本史に大きく関わっていく。

茶々は、後に豊臣秀吉の側室となる。

江は徳川秀忠の妻となり、三代将軍・徳川家光の母となった。

浅井長政自身は29歳で亡くなったが、

その血は豊臣、そして徳川の時代へとつながっていったのである。


そんな歴史を持つ小谷城へ、

実際に行ってみた。

そして現地で強烈に感じたことがある。

小谷城は、

本当に「山」だった。

もちろん山城なのだから当たり前である。

頭では分かっていた。

しかし、

知識として「山城」と知っていることと、

実際にその山を目の前にすることは全く違った。

麓には、そのまま山の中へ入っていけるような林があった。

それを見た瞬間、

びびった。

観光地として整備された城跡を見に来たというより、

戦国時代の山の入口に立っているような感覚だった。

当然、現在の景観が戦国時代のまま残っているわけではない。

それでも、

目の前にある山を見ていると、

この場所がかつて「城」だったという事実が急に現実味を帯びてくる。

ここに浅井長政がいた。

ここに家臣たちがいた。

そして、

この山へ織田軍が攻め込んできた。

城というと、

どうしても天守や石垣を想像してしまう。

しかし小谷城を目の前にすると、

その感覚が変わる。

山そのものが城なのである。

敵からすれば、

まずこの山を登らなければならない。

現在のような舗装された道路があるわけでもない。

当然、街灯もない。

夜になれば真っ暗だったはずである。

そんな場所で暮らし、

そんな場所を守り、

そして攻める。

現代に生きる自分からすると、

それだけで圧倒される。

以前から、

歴史を知るうえで地形は本当に重要だと思っていた。

しかし小谷城は、

それをかなり分かりやすく実感させてくれた場所だった。

地図で見る。

写真で見る。

映像で見る。

それだけでは分からない。

実際にその場所へ行って、

山の高さや傾斜、

周囲の景色を見る。

そこで初めて、

なぜここに城を築いたのか。

どうやって守ったのか。

そして、

攻める側がどれほど大変だったのかが少しだけ想像できる。

ちなみに、

私は登山をしなかった。

麓から山へ続く林を見て、

やめた。

シンプルに怖かったのである。

普段、

一人で城跡や古戦場、歴史上の人物の墓などを巡っていると、

「よく一人で行けますね」

と言われることがある。

確かに、

自分でもそう思う

歴史が好きだから、

実際にその場所を見てみたい。

その気持ちが強いので、一人でも行く。

しかし、

怖いものは怖い。

小谷城はまさにそうだった。

ただ、

その「怖さ」も含めて、

現地へ行った意味があったと思う。

本や映像で、

「浅井長政は小谷城に籠城した」

と読むだけなら一行で終わる。

しかし、

実際に小谷城の山を目の前にすると、

その一行の重さが変わる。

この山に籠もったのか。

ここへ信長の軍勢が迫ってきたのか。

そして、

ここで浅井家は最後を迎えたのか。

そう考えると、

450年以上前の出来事が、

急に遠い昔の話ではなくなる。

小谷城。

麓から山の中へ続いていく林を見た時、

戦国時代がそのまま山の奥に続いているように感じた。

私は登らなかった。

でも、

麓に立っただけでも十分だった。

山そのものが城だった時代。

そこで命を懸けて生きた人たち。

そのすごさを、

少しだけ実感できた気がする。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コーチ・カウンセラー・講師としての活動や、SNS発信・ブランディングについて個別に相談したい方は、公式LINEからお気軽にご連絡ください。

▶︎ 公式LINEはこちら


いいなと思ったら応援しよう!