「銀行は、これからも必要なのか。」
最近、日本の銀行が面白い。
金利を上げたり、
ポイント還元を強化したり、
富裕層向けのサービスを始めたり。
銀行同士で、
「うちにお金を預けてください」
という競争が激しくなっている。
でも、ふと思った。
そもそも、
銀行っていつからあるんだろう。
そして、
スマホ決済もある。
ネット証券もある。
ビットコインもある。
AIまで出てきた。
そんな時代に、
銀行はこれからも必要なのだろうか。
調べてみると、
銀行の歴史は想像以上に面白かった。
日本で最初の近代的な銀行とされているのが、
1873年。
明治6年に開業した、
「第一国立銀行」だ。
設立に深く関わった人物が、
渋沢栄一。
新しい日本をつくっていくには、
会社をつくるだけでは足りない。
事業を始めたい人に、
お金が流れる仕組みが必要になる。
そこで西洋の制度を参考に、
日本にも近代的な銀行がつくられた。
ちなみに、
「国立銀行」という名前だけれど、
国営銀行ではない。
民間の銀行だ。
第一国立銀行は、
その後さまざまな合併を経て、
現在のみずほ銀行につながっていく。
ただし、
銀行ができるまで、
日本人がお金を預けたり、
借りたりしていなかったわけではない。
江戸時代には、
「両替商」がいた。
名前だけ聞くと、
お金を交換する人のように感じる。
でも実際には、
お金を預かる。
貸す。
遠くへ送る。
今の銀行に近い仕事までしていた。
つまり、
「銀行」という名前ができる前から、
銀行の機能そのものは存在していた。
そして、
世界まで目を向けると、
さらに歴史は古くなる。
銀行の原型のような仕組みは、
古代メソポタミアにまで遡る。
神殿などに、
穀物や銀を預ける。
預かったものを、
必要としている人に貸す。
考えてみれば、
銀行の基本構造は、
数千年前からあまり変わっていない。
お金を持っている人がいる。
お金を必要としている人がいる。
その間をつなぐ人がいる。
これが銀行の原型だ。
そして、
現在の銀行につながる仕組みが大きく発展したのが、
中世からルネサンス期のイタリアだった。
商人たちは、
世界各地と取引をしていた。
当然、
大量のお金を持ち歩くのは危険だ。
そこで、
預金。
融資。
両替。
送金。
信用取引。
さまざまな金融の仕組みが発達していった。
ちなみに、
英語の「bank」の語源は、
イタリア語の「banco」だといわれている。
意味は、
「台」や「ベンチ」。
当時の両替商が、
台の上で商売をしていたことが由来とされている。
現在も営業している世界最古の銀行として有名なのが、
イタリアの
「モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行」。
創業は、
1472年。
日本では、
まだ室町時代だ。
そんな時代に生まれた銀行が、
今も存在している。
すごい話だと思う。
では、
銀行は一体何をしているのか。
ものすごく簡単に言えば、
お金を集めて、
必要な人に貸している。
例えば、
預金者から1%でお金を集める。
そのお金を、
企業などに3%で貸す。
この差額が、
銀行の利益になる。
いわゆる、
「利ざや」だ。
だから、
銀行は預金を集めたい。
最近、
銀行が金利を上げたり、
ポイントを付けたり、
富裕層向けの優遇サービスを始めたりしているのも、
結局は、
「もっとお金を預けてほしい」
という話につながっている。
方法は現代的になった。
でも、
本質は昔とあまり変わっていない。
ところが今、
銀行にとって大きな変化が起きている。
昔は銀行に行かなければできなかったことが、
銀行以外でもできるようになった。
送金。
決済。
投資。
資産管理。
融資。
スマートフォン一つで、
かなりのことができる。
さらに、
ビットコインなどの暗号資産では、
銀行を介さず、
世界中へ価値を移動することもできる。
そうなると、
当然こんな疑問が出てくる。
「銀行って、いらなくなるんじゃないか?」
僕は、
銀行そのものが完全になくなる可能性は低いと思っている。
でも、
今のような銀行の「姿」は、
かなり変わると思う。
銀行の建物。
窓口。
ATM。
通帳。
銀行員と対面して行う手続き。
こうしたものは、
今後ますます減っていくかもしれない。
でも、
お金を安全に保管する。
人から人へ移動させる。
企業や個人に貸す。
信用をつくる。
こうした機能は、
社会から簡単にはなくならない。
だから、
銀行はなくなるというより、
「見えなくなる」
のかもしれない。
スマホで、
「支払う」
というボタンを押す。
それだけで、
裏側では銀行やカード会社、
決済ネットワークが動いている。
でも、
僕たちはそれを意識しない。
未来は、
さらに面白くなる。
例えば、
今月30万円余ったとする。
するとAIが、
「15万円は預金」
「9万円は投資」
「6万円は短期国債」
というように、
自動的に資産を振り分ける。
金利も、
為替も、
株価も、
自分の支出予定も、
すべてAIが見ながら判断する。
そうなれば、
人間が
「どこの銀行に預けよう?」
と考えること自体、
少なくなっていくかもしれない。
古代メソポタミア。
中世イタリア。
明治時代の日本。
そして、
AIの時代。
金融の形は、
何度も変わってきた。
それでも、
お金を持っている人と、
お金を必要としている人をつなぐ。
信用をつくる。
価値を安全に移動させる。
この役割は、
数千年間なくなっていない。
変わるのは、
「形」なのだと思う。
もしかすると、
未来の子どもたちは、
「昔は銀行という建物まで行って、お金を下ろしていたんだよ」
と聞いて、
驚くのかもしれない。
僕たちが、
江戸時代の両替商の話を聞いて、
不思議に感じるように。
技術は変わる。
名前も変わる。
建物も変わる。
でも、
人間がお金を使い続ける限り、
「信用をつなぐ仕組み」は必要になる。
銀行の歴史を見ていると、
そんなことを感じる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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