価格競争から抜ける、たったひとつの方法。
「おれが考えたこのアイデア、誰か作ってくれないかな」
…ああ、いるいる。
「あのアイデア、おれも考えてたわ」
…もっといる。
商品開発において、実現できなかった“アイデア”なんて無価値だと思う。
実現可能に向かうための “アイデア” こそ価値がある。
僕たちは、いままで商品開発をしてきた中で、たくさんの壁や問題に出くわしてきた。
もうこれは製品化は難しいかも、、と諦めざるを得ないような状況もたくさん経験してきた。
立ちはだかる壁を、何度も何度も、乗り越えてきた。
そうして当時無名の僕たちは、
「世の中にない商品」を生み出した。
実現不可能。 だから世の中に存在しなかった。
「世の中にないものを作ろう!」
7年前、僕は高校同級生である大西 藍とプロダクトデザインブランド「goyemon」を立ち上げた。
そして、今もなお「世の中にない商品」を作り続けている。
世の中にない商品は、オリジナリティに優れ、競合となる商品が少ないから、価格競争に飲まれることがない。
夢のような商品のアイデアを考えることは、誰にでもできるかもしれない。
しかし、それを実現することができる人は極めて少ない。
だから、「世の中にない」のである。
「世の中にない商品」は、誰も考えなかったという理由の他に、実現が不可能であることが多い。
社内での会議や工場とのやりとりの中で出てくるのが、
「このデザインを実現しようとすることは不可能。」
「この機能を搭載することは不可能。」
「コストが大幅にかかりすぎて不可能。」
などなど、商品開発は「不可能」だらけである。
冒頭にも話したが、僕たちは今まで商品開発をしてきた中で、たくさんの壁や問題に出くわし、その都度、乗り越えてきた。
「不可能」に直面するたびに、
「不可能」を分析し続け、
「可能」に塗り替えてきた。
そこで、とある法則に辿り着いたのである。
「不可能」には2種類ある。
完全に「不可能」なパターンと、「不可能」だけど頑張ったら「可能」になるパターン。
この二つには、決定的な違いがある。
①物理的に「不可能」なパターン。
これは、素材の特性や、加工方法の上で、物理に反するからできないパターン。
この場合、僕たちデザイナーが「可能」に塗り替えることは、ちょっと難しい。
②事例がなくて「不可能」なパターン。
実はこのパターンが商品開発の中でとても頻繁に起こりうる。
「いままでにやったことがないから、できない。」
「うちではこういうやり方してるから、できない。」
と工場から言われてしまうことで「不可能」と認識してしまう。
このパターンのほとんどは、「可能」に塗り替えることができる。
「物理的に無理ではなければ、実現できる」という、大胆なスタンスであるが、製作していただく工場や職人さんの意見も尊重した上で、デザイナー側も提案をし続けることが大切である。
商品を開発するということ。
「世の中にない商品」は、世の中に出ることのできなかった理由がそれ相応にある。しかし「不可能」に立ち向かうことで「可能」に塗り変えることができるということを忘れないでほしい。
デザイナーの知識だけでは、どうにもならないことも、先人の方からの知恵や技術を学びながら試行錯誤を繰り返すのである。工場と職人さんとコミュニケーションを交わすことで、商品の作り方はもちろん、歴史や成り立ちを学ばせてもらう。
答えの見えない暗闇を進むような気持ちになることもあるが、その先に「世の中にない商品」は潜んでいる。
「オレが知りてェのは楽な道のりじゃねェ 険しい道の歩き方だ。」
