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マンガは「連載枠」から「一等地」を奪い合う時代へ。

前回の記事は、こう締めました。自社アプリという「読者を知る場所」を持たない会社でも、大きなプラットフォームに作品を載せさえすれば、読者に見つけてもらえるのか。答えは、載せるだけでは足りない。

今回はその続きです。読者が最初に開く画面の「一等地」に乗れるかどうかで、結果は大きく変わるよね。という話をします。

超シンプルにいうと、電子コミックが台頭し、つくり手が増えた結果、漫画の制作本数は減るどころか、むしろ増えています。その一方で、comicoのように、長年マンガを届けてきたアプリやサービスの終了が次々と発表されている。

「作品はつくれた。けれど、どうやって読者に見つけてもらうのか。」

ここが、以前にも増して重要になりました。見つけてもらえなければ、棚の奥に埋もれてしまうからです。

本記事では、作る側である編集部やスタジオたちが、どうやって読者に見つけてもらっているのか。つまり、巨大な電子サービスやアプリの中の「一等地」をどう手に入れているのかを考察します。

具体的には、コミックシーモアとLINEマンガで起きている3つの動きを、それぞれのリリースと当事者の発言から追いかけていきます。

191万冊の中に載る

コミックシーモアの取扱冊数は、2026年6月末で191万冊以上です。月間の利用者は4,000万人を超えています。7か月前の2025年11月末には176万冊でしたから、7か月で15万冊増えたことになります。

1日におよそ700冊ずつ、新しい本が棚に加わっている計算です。

雑誌の時代、作品が読者の目に触れる枠は、連載の本数で決まっていました。『週刊少年ジャンプ』に載る作品は20本前後。編集会議を通って連載を取れば、その週に雑誌を買った人の目には、ほぼ確実に入ります。連載を取ることと、読者に見つけてもらうことが、ほとんど同じ意味だった時代です。

191万冊の棚では、そうなりません。
毎日700冊増える中では、見つけてもらえません。

念のため書いておくと、ジャンプ・マガジン・サンデーなどに代表される漫画雑誌は、その出版社のものしか扱いません。かつ終了した作品などは載っておらず、基本的には連載中の作品しか載りません。

一方、コミックシーモア・めちゃコミック・LINEマンガ・ピッコマなどに代表される巨大な電子コミックサービスおよびアプリに関しては、配信終了・連載していない作品などもすべてを取り込んでいるので、この冊数の差が出るのです。

コミックシーモア自身も「漫画多すぎ!」と言ってますからね。

連載から、一等地へ

これらの電子コミックサービスに載るのに連載会議はいりません。(連載しているサービスもありますが、ほとんどが連載ではない形態)配信の契約さえあれば棚には入っていきます。

紙面が狭い漫画雑誌では、連載が狭き門でしたが、紙面に限りがないアプリや電子コミックサービスでは、逆のことが起きるのです。

つまり「載るのは簡単で、載っただけでは、多くの作品が気づかれないまま終わる」ということが起きます。大事なのは、載るかどうかではなく、どう見つかるか。なのです。(作品の面白さが大事なのは言わずもがな)

小売(店舗)の世界には、棚のいちばん目立つ場所を「一等地」と呼ぶそうです。入口の正面や、目の高さの棚のことです。電子書店の画面でいえば、トップページの上段、ランキングの上位、そして広告の枠がそれにあたります。

棚は191万冊分ありますが、一等地は数十本分しかありません。作る側が奪い合っているのは、この数十本分です。

そして一等地は、ランキングを除いては、作品を公開してから取りに行くものではありません。公開する前に、サービス側と組んで実現するものです。

ここからは、その一等地を実際に取っている3つの会社が、公開前に誰と何を決めたのかを、リリースと当事者の発言で確かめます。具体的には、

・コミックシーモアと2社の提携から「売り場がいつから作品づくりに入るか」
・マンガ制作会社の社長たちの発言から売り場の意向が及ぶ様子
・KADOKAWAとLINEマンガの協業から見る、資本関係がなくても一等地を取る手順
・生成AIマンガのヒット事例から、広告→初速→ランキングの循環

組み方はばらばらですが、先に決まっている項目は同じです。ジャンル、表紙、無料で読ませる範囲、先行配信の相手。この4つをどうやっているのかを並べて、一等地の取り方を整理します。

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