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[無料]登山チョットやってる筆者が見た富士登山2026

こんにちは、ジオグラフィカ開発者の松本です。12年ぶりに富士山に登ってきたので、いろいろと感想を書いていこうと思います。


軽くプロフィール

登山歴としては21年(大人になってから始めたので、50歳なのにまだ21年です)、登った最高峰はヨーロッパアルプスのモンブラン(4808m)で、クライミングとか沢登りなんかも嗜んでます。百名山に興味がないので深田百名山はまだ27座登頂ですが、奥多摩が好きなので奥多摩界隈のピークは夏も冬もほぼ登りました。クライミングも登山とほぼ同時に始めたので21年ですが、真面目にやってるのは15年くらいです。

あとは、東京都山岳連盟のおくたま登山学校という講習会を主催して、登山者に登山のことをいろいろ教えさせていただいています。登山関係の資格としては、日本スポーツ協会(JSPO)の山岳コーチ1とアルパインガイド協会のロープレスキュー中級を持っています。ガイドではありません。

それから、noteの名前にも入っている通り、ジオグラフィカという登山用の地図アプリを開発しています。こちらは前作のDIY GPSから数えると16年間続いています(ジオグラフィカの内部にはDIY GPSのコードが存在します)。たまにガイドや警察・消防・救助関係者にジオグラフィカの講習をしたりします。

という事で、登山をチョットやっています。

なんで今さら富士登山?

最近、夏になるととにかく富士山が話題になります。登山界隈だけではく、世間的にも話題になる山です。さすが日本の最高峰です。

私も立場上SNSでコメントを書くことがあるのですが、最後に登ったのが12年前。モンブランに登る前の高度順応とトレーニングのために2014年に登ったので、いわゆる「夏の富士登山」とはちょっと違います。開山前で雪があるのでアイゼンやピッケルも持っていった残雪期の登山になります。

2014年6月が最後でした。白く舞ってるのは雪です。

開山期の富士登山は、2005、2006、2007、2010年に1回ずつ登ったので16年ぶりとなります。16年と言ったら間にオリンピックやサッカーワールドカップが4回開催される、小学生の頃にテレビを見て憧れた選手が出場側になるような時間ですから、きっといろいろ変わったのだろうと思いました。

今の富士山に行かずになにか言うのはどうなのか?不誠実なのでは?と思って行ってきました。

過去の富士登山スタイル

2005年からの4回は毎回、今で言う弾丸登山だったのですが、行程は毎回ほぼ同じでした。

20年前の富士山の物価。飲み物は500円。今は600円なので100円しか上がってない。

朝東京をバスで出発して、昼頃到着。レストハウスや食堂で時間を潰して2300mの標高に慣れさせてから、15時くらいに登山を開始。翌朝の4時ころ山頂に着くペースで調整して、山頂で御来光を見て下山するという感じでした。

21年前のご来光。初めての富士登山で見れた。

難しいのが、わずか1300m程度の標高差を12時間掛けて登ることで、早すぎれば極寒の山頂で御来光まで待つ羽目になります。ちょうどご来光くらいに山頂に至るのがベスト。なら夕方着のバスで五合目に行けば良いのかも知れませんが、高度順応の時間を取るために昼着のバスで行ってました。

とにかくゆっくり登るので体力的にも楽で、私は富士山で高山病になったことは一度もありません。尤も、今では「弾丸登山」なんていう忌み名が付いてしまい、非難の対象になってますけどね。

2010年8月の富士山山頂。人がみっしりいた。

ガイド付きツアー登山で行ってきた

手配が面倒くさかったのでツアー会社のガイド登山を使いましたw。まさかの、今更ガイド付きで富士登山。

過去に登った富士山は、前述の通り2005年からの4回が弾丸登山でした。2014年はトレーニングなので一緒にヨーロッパアルプスに行った友人と日帰りで登りました。

そんな訳なのでガイドは特に必要無かったのですが、富士山でツアー登山もガイド登山も山小屋泊もしたことがなかったので、やったことが無いことをしようと思って申し込みました。

9/2-3(水・木)の一泊二日で、東京からの往復バス、山小屋の宿泊(2食)、入山料、帰りの温泉入浴、ガイド代が入って24,000円でした。まぁ、だいぶ安いかなという気がしたので申し込んでみました。どこの会社かは、いろいろネガティブな情報も書くので開かせませんw。聞きたかったら直接聞いてください。ちなみに、今回まで私は名前を聞いたことがなかった会社です、くらいは書いてもいいですかね。もっとメジャーな大手が風評になると気の毒なので。(富士登山で検索すると上の方に出る程度にはメジャーらしいけど)

当日の天気

1日目は曇り。概ねガスが出て、眺望が無い代わりに日差しが弱く歩きやすい環境でした。風はとても弱く、8合目でも半袖で行動可能でした。

ガスと高めの気温。風はとても弱いか無風。
夕方は雲海と青空。

2日目も概ね曇りで、山頂近くで小雨。すぐに止みました。山頂だけは少し風がありましたが、上りと下りの間は微風程度。高層雲が出て日差しが弱いけど眼下はガスがなく、眺望はとても良かったです。2日とも富士登山としては最高の天気でした。

二日目は暑くも寒くもなく眺望も良かった。風もほとんど無い。

ツアー富士登山の感想いろいろ

これは2026年のある日、一泊二日のあるツアー参加者が体験したもの、そのイチ視点のみの話です。すべての富士登山がこうという話ではありません。私の目と耳に入ってきたものを自分の感想として出力しただけの話なので、そこは留意してください。

短期間の大規模産業

9月の平日にも関わらず、スバルライン5合目のレストハウスも山小屋も山頂も登山道も人だらけで、これが8月の繁忙期だったらどうなってるんだろう?という混雑ぶりでした。

これでもたぶん、相当に空いてるんだと思う。

ここから比べると、先日行った室堂や立山・剱岳界隈、上高地や槍ヶ岳・双六界隈など可愛いものです(北アルプスのメジャーどころに色々行っておくかという事でこの夏にソロ、テント泊で行ってきた)。

↓剱岳と立山縦走

↓上高地から双六岳、水晶岳の縦走

お店も山小屋もツアー会社も盛大に活動して、短い期間で可能な限り集金するぞ、という気合を感じました。7/1から9/10までの2ヶ月で1年分を稼がなくてはいけないので短期勝負になります。おのずと力も入るでしょう。

五合目のフードコートは生成AIイラストが花開いていた。

これは以前の富士登山でも同様だったので、2026年で特に変わったことではないかなと思います。効率よく大量の客を捌く手腕は見事なものです。大規模生産大規模消費社会が標高2300m~3776mに展開されていました。

来てる登山者、たぶん普段あまり登山をしない説

この説、あると思います。登山靴もちゃんと履けてないし、たぶん見た目だけで決めてろくに試着もしてないでしょ?という感じで、「グループ内の登山靴が全員同じ」だったりしました。その発想は無かったわ(靴もレンタルなのかも知れんけど)。

ザックも肩紐をダルダルにしてたり、腰ベルトを使ってなかったり、というか、たぶん登山用のザックではないものも普通に見かけました。登山用のザックをピシッと背負えている人はとても少ない。

歩行時の足運びも適当というか、登山の基本であるフラットフッティングや平行二軸歩行、狭い歩幅などができている登山者は希少です。登るペースも一般客は早くなりがちで、「標高が高い山は息が上がらないようにゆっくり登る」という事を知らなそうな人が過半数でした。大股でやたらと速い。そういう人はつづら折りのカーブごとに休憩しており、結果的に我々のツアーと同じ様な時間が掛かっていました。

ツアーのガイドも「みんな今日が初めての登山で富士山に来ている」という前提で話をしていて、スパッツの着け方も分からないでしょ?というスタンスでした。おそらくソレは実態に合っていて、相手は山について何も知らないので全部教えるというのが富士山ツアーでは正解なのでしょう。(ちなみに私は山を知らない登山者のテイで参加したので、できるだけ余計なことは言わず聞いてました)

そういうレベル感の人が、他の3000メートル級山岳と比べて圧倒的に多いのが富士山で、だからこそ他の山では起こらない問題が起こるのだなと思いました。装備チェックや事前学習をした上でこれだと、あとは事前の実地講習と試験によるライセンス制くらいしか対策が無いでしょうね(絶対に実現しないし、そこまでやる意義も無いでしょうが)。

ベルトコンベア式登山

普段登山をしない人達が大挙して登りに来るのが富士山で、すべてのシステムがその一点「普段登山をしない人達をツアー登山で効率よく登頂させて速やかに帰らせる」に特化していました。登山道というベルトコンベアに乗せて、毎日大量の「富士山登頂者」を生み出す工場のようでした。

登山道の幅は急斜面でも広く、ツアー登山者はゆっくり登り、一般登山者はさっさと登らせる。ガイドや現場で指示を出す交通整理人などは概ね顔見知りでお互いに便宜を図り連携もしているようでした。

ツアー登山者として優遇されるシーンも何度かありました。ツアー参加者は靴にそれぞれ目印を付けるので見れば分かるんですね(服だと重ね着で隠れるので靴に付ける)。ツアー客だと分かると、山全体として歓迎してくれる感じがありました。一般客と払ってる金額は大差ないと思うんですけど、ツアー会社が山に人を運んでくる原動力になっているのでしょう。

なるほど、富士山はツアー客を効率的に登らせる山なんだなぁと実感できて大変に面白かったです。今回ツアーで参加して、優遇される側で良かったw。

延々と続くヘッドランプの列。「足を止めるな!登れ!動き続けろ!道を塞ぐな!」とガイドの檄が飛ぶ。

実績解除登山の極地

登山というのは、富士山に限らず「この山に登った」という実績解除の要素があります。多くの人がそのトロフィーが欲しくて山に登るし、百名山ハンターはまさに、100座のトロフィーを欲して全国の山に出かけるわけでしょう。

だから富士山に限らないのですが、富士山だけはトロフィーが悪目立ちして、変な光を放ってしまっているようにも思います。その光に寄ってくる、登山を趣味としていないたくさんのお客さんたち。特に、陽キャ的な若者たちが、まぁ多い。若いから体力はあり、なのでデタラメでも登れてしまう。

とは言え、私も登山をはじめたキッカケは富士山で、当時の飲み仲間たちと「富士山に登ろうぜー!ウェーイ!」みたいな感じだったので、昔の自分たちを見ているような気持ちにもなりました(本や雑誌で勉強して練習登山も数回行ってから自分達で計画して富士山に登りましたが)。

以前から、なんで富士山だけこうなんだろう?登山の雰囲気と違うんだよなぁと思ってましたが、今回行ってみてなんとなく分かりました。

日本最高峰なのに、海なのだ

来てる人達の雰囲気が海なんですよ。軽薄さや雰囲気が。ちょっと変わったところにある海、富士山の山小屋は海の家。ノリが完全に海。山頂で流行りのJ-POPなんか流したら波の音まで聞こえてきそうです。海すぎて滅!

大変な場所にある砂浜(富士山山頂)に行くと、ちょっと仲間に自慢できる。そこに行くことにはなんらかの価値がありそうという共同幻想を抱く。それを実現するのに必要なシステムが作られていて、観光地としての海に出かけるようなノリで来る登山者たち。山頂限定のビールなんか売られていたりしますが、海と思えば違和感がありません。

だから本格的に登山を趣味にしてる人達と価値観や会話が噛み合わないのだと思いました。同じ話をしてるようで、違う話をしている。

おそらく、海気分で富士山を登りに来てる人達は、登山をしたいわけではなくて富士山に登りたいだけなんですよ。だから会話が噛み合わないのです。でもね、富士山を登るってのは、つまり登山です。登山のことを知らなければ楽しくないし、危ない。初めての登山が富士山ってのはダメです。本当に。

海気分、観光地気分で富士山の山頂を目指すのはやめにしませんか?

実際にJ-POPは流れてませんが。

完全に余談なので読み飛ばしてもいいのですが、私は実家の目の前が海で日常的に遊び場にしていたのですが、海の家でお金を使ったことはなく、観光地としての海の雰囲気は苦手でした。だから同様に、富士山に来る多くの人のあの雰囲気が苦手なのかと腑に落ちました。

実家の目の前にある海。鴨川市、旧天津小湊町の内浦です。
余談ですが、風景にいいちこを入れるとポスターっぽくなる。
子供の頃は堤防とかテトラポットでもよく遊んでいました。運良く死ななかった。

閑話休題。

ガイド達の仕事の様子

私は観察者として参加したので、ガイドが変なことをしていても説明不足でも、こちらに大きな不利益が無い限り黙って見ていました。観察対象に影響を与えないようにするためです。「言えばいいのに」という感想を持つかも知れませんが、そういう事情ということでご了承ください。

富士山ガイドの仕事ぶりを生で見たくてガイド付きにしたという訳です。ガイドからしたら嫌な客ですね、すみませんね。

状況が分からないことが多くてたまげた

いつも皆そうなのか、今回のガイド(2名)がたまたま今回だけそうだったのか分かりませんが、あんまり状況を説明しない人達だなぁと思いました。

例えば翌朝の出発時間と起床時間を前日の夕食時に明確に説明しないとか。「何時に起こしに行くかも、でもこれから相談するので明日の朝伝えます」という感じで伝えられていたけど、明確な「何時に起こします、何時に出発です」は、朝起きたあとコチラから聞いて初めて分かりました。翌日の天気にもよるんだろうけど、比較的安定して予報も出ていて、夕食時に時間を決められないとかある?

正確な予定時刻は分からなかったけど、起きてからの時間が短いだろうなと予想していたので、ガイドが起こしに来る前に起きて仲間に準備させました。これは「超初心者として扱う」という、行動中のスタンスからだいぶズレているように感じます。朝の準備に使える時間が分からないのは困ってしまいます。

山頂で参加者が足らなかった状況では、待っている私達に何も言わずにガイド2名が探しに行ってしまい、集合場所の我々は放置。何のためにいつまで待てばいいのかも分からない状況になりました(私は観察してたので説明無しで知ってましたが他の参加者には分からない状況でした)。

状況やリミットも分からずでは、ただ時間が無駄になります。5分なら、10分ならなど、時間が分かればこちらも別のことをできますが、それが分からないから何もできない。でいて、戻ってきたらすぐに出発して急かされるわけで、指示出しが下手でした。一泊二日の間に同様の謎時間が何度も発生しました。常に説明不足。

言っても意味がないから言わないというスタイルなのか、それとも単にガイドが下手なのか。これまで何十回、もしかしたら何百回も富士山のガイドをしてきたとは思えない働きでした。安いツアーだからなのか、全体的にこうなのかは分かりません。登頂証明書に書かれた肩書は「富士吉田市公認富士登山ガイド」となっていますが、あんまりプロのガイドっぽくない。

最終的な帰りの集合場所と時間も、本来の集合時間ギリギリまで分からないという状況で、マジで?となりました。そして、集合場所にガイドが来たのは『約束の3分過ぎ』でした(キノコを採ってたらしい)。マジで?普通、ガイドは時間前に来てるもんじゃない?これが富士吉田市の公認ガイド?

ガイドレシオ(ガイドと参加者の割合)多すぎでは

今回は人数が少なめで1対15前後だったようですが、Webに載ってるツアーの説明としては最大で20名につき1人となっています(つまり40人乗りのバスにガイド1名、添乗員1名)。これが富士山のツアー登山としては普通なようです。山岳ガイド協会のガイドレシオでは、富士登山レベルの山だと1対12くらいです。1対20はだいぶ多く感じます。

ガイドが先頭を歩いたら、最後尾の20人目は遥か後方です。しかも最後尾は、今日が初めての登山かも知れない参加者です。統制取れる気がしません。

私は登山学校で講師1に受講生4くらいでやってるので1対20なんて信じられない比率です。好天時はいいとしても、悪天候時は悪夢、最後尾がちゃんと来てるのか把握するのは無理でしょう。運を天に任せるような引率になりそうです。私は怖くてできません。

ツアーの参加費を考えたらこれくらいのガイドレシオになるのは分かりますが、一般的な登山とは違うものだなと思いました。

参加者を置いていってたまげた

一緒に行った友人ですが、1日目の1000mの登りで歩くペースが遅くて最後尾から遅れてしまいました(※)。遅れだしてからは休憩時にも待たずに再出発して、私からは見えてもガイドからは見えてないだろうなという程度には離れていました。

おそらくですが、夕食の時間を山小屋に伝えていたのでその時間に間に合わせたかったのだと思います。とは言え、それで参加者を置き去りにするのはどうなんですかね。最終的には、私が迎えに行ってザックを引き取って、5分程度の遅れで到着、夕食にも間に合いました。

天候がそれほど悪くなかったからというのはあるのでしょうが、ガイドが参加者を置いていったらダメでしょう。それとも富士山では普通なんですかね?条件が悪くても参加者を置き去りで進んでいっちゃうんですかね。よく事故が起こらないものだと思いました。

※…そうなるのは折込み済みだったので、個人的には見える範囲で待ちながら進んでいたし、ガイドがどうするか観察してました。一応、友人の名誉のために書いておくと、登山やクライミング、沢登りをこれまで4年程度やっているのだけど、もともと体力的に弱くて、それでも富士山にチャレンジしてみたいということで参加を決意してトレーニングもしてきたという感じです。結構頑張ったし登頂したし時間内に下山したのでエライ。

登山道の真ん中で吐かせていたし置き去りにしてた

他のガイドツアーの会話も聞こえてきたんですが、吐き気を催した参加者に「吐いて楽になるなら、そこの岩の窪みに吐いちゃって」と、登山道のド真ん中で吐くように指示していたガイドもいました。登山道を示すロープが左右にあるので、その外側で吐かせるのかと思ったらド真ん中。外側だと落石や滑落のリスクがあるからですかね。あとは植生保護?にしてもド真ん中はたまげました。

体調不良のツアー参加者に「俺達は山頂に行ってきて帰りに拾うから、ここで待ってて!」と言い残して置いていったのもたまげました。でもまぁ、そうなるよねというガイドレシオですから、脱落者が出れば当然そうなります。最後の山小屋(御来光館)を過ぎたら、登山道に参加者を置き去りにしないと他の参加者のガイドができませんから。

では本当に置き去りかと言うと、おそらくですが、靴に付いている目印でツアー参加者と分かれば、他のガイドが面倒を見ることもあるのでしょう。だから置き去りにできる。そう言えば「ガイドはオレンジの腕章をしてるから、困ったらそういう人に頼ってください」みたいな説明がありました。

そういう、互助会的な仕組みで1対20のガイドレシオと置き去りが成り立ってるように思いました。改めて、変な山です。

山頂の小屋での休憩もツアー参加者は優先的に入れるっぽいし、小屋の人達も優しい。

距離を言うばかりで標高差は言わない

たまにガイドが登山道にある道標に書いてある残りの距離を読み上げて「残り400mです!」とか言うのだけど、登山においては距離より標高差が重要だと思うんですよね。キツイのは標高差なんだから。

標高差が道標に書いてないのも片手落ちな気がしますが、ワンシーズンで何度も登ってるなら、道標の位置と山頂の標高差くらい頭に入ってなきゃおかしいと思います。標高差を気にしない勢とかあんの?

私はジオグラフィカで情報を見ており、仲間内には標高差を伝えていましたが、他の参加者は残りどれくらいか分からずに登っていたと思います。残りがどれくらいかイメージできずに慣れない高山を登るのはさぞツラかっただろうなと思いました。

登山をしてないのに富士山に登りたいならガイド付きツアーで行け

文句ばっか書いてますがw。仕事ぶりはともかく、参加者をできるだけ多く富士山の山頂に立たせたいという気持ちは伝わってきました。それが彼らの仕事なわけですが、最大20名を一泊二日、数万円程度で受ける仕事にしてはハードかなと思います。

バスの中では必須装備以外は置いていけと指導したり(※)、ペース配分や休憩のタイミングは適切でした。これらは登山を知らない人には難しいので役立つと思いますし、ツアー参加者のバッジを付けていることで、他社のガイドに助けてもらえる「かも知れない」というのもメリットだと思います(実際に助けてもらえるのかは知らんが)。

参加したツアーではガイドなしプランもあって、価格を比べると、ガイド代としては1人4000円程度の差額でした。登山に慣れているならガイド無しでいいと思いますし、ツアー会社を利用しなくてもいいと思います。ただ、登山経験が少なくて不安があるならガイド付きのツアー登山を利用するのがよいと思います。

※…私はトレーニングのために無駄に水分を持っていってザックを重くしていたので、出発時にザックの重さを計られたらどう言い訳しようと思案していたが、そういうチェックは無くて助かった。

ツアー登山のデメリットは二日目の出発時刻

東京から客を乗せてきたバスが、1時間後には帰りの客を乗せて東京に帰る都合なんですが、二日目の集合時刻が10時半でした(他社も概ね11時には帰る)。下山に4時間掛かる前提だと6時半には山頂を出る必要があり、もし剣ヶ峰やお鉢巡りをしたいのなら暗いうちから山頂を回らなければならず、だいぶ慌ただしくなります。

ガイド付きでないフリープランの場合でも帰りの時間は同じ10時半。自分で手配して遅い時間のバスで帰るようにすればゆっくり回れるので、もし山頂でゆっくり過ごしたいならツアー登山は合わないと思いました。

ガイドがキノコを採っててたまげた

帰りの集合時に、ガイドが「時間が無くてこれだけだけど、そのへんで採ってきた」と言ってツアー参加者にキノコを見せてました。だからどこの誰とは書けないんだけど。

富士山の五合目から上は特別保護地区として、自然公園法で厳しく管理されており、草木1本石ころ1つ持ち出してはいけません。5合目の下も第1種頬地域として指定種の採取や石ころの持ち出しが禁止になっています。富士山は国立公園なので、動植物や石の採取には環境大臣の許可が必要です。ガイドが個人的に食うキノコの採取許可を環境大臣が出すか?という話です。出さないですね。

公園法をガイドが堂々と破っていくスタイルはたまげましたが、観察者として黙ってました。まぁ、百歩譲って、富士山界隈の人達は普通にキノコを採って食べてるにしても(知らんけど)、ツアー参加者に「採ってきた」と見せるのはだいぶどうかと思います。そういうのアリなんだと思われたら、他の自然公園関係者が困るので、自然公園法違反の自覚を持って、黙って隠れてやってほしいと思います。

五合目から見た富士山

ちなみに、自然公園法で禁止されているのは動植物の採取なのでキノコは植物ではないだろうという解釈も以前はあったようですが、平成14年の環境省内部の事務連絡でキノコも動植物の範疇として保護すると明文化されたようです。

自然公園法で、特別保護地区内では植物採取や動物捕獲は許可を要すると規定されていますが、きのこの取り扱いは明記されておらず、分類学上きのこは植物に該当せず不要許可として扱う判断がありました。が、社会通念上、きのこを「植物」に含む見解(隠花植物など)もあり、他法令で植物として扱われる例もあることなどから、平成14年に環境省部内での事務連絡があり、生態系の一部であるきのこを植物的要素とみなし、植物と同様に取り扱うとの解釈の整理がなされています。

きのこエッセイ「法律の中のきのこ」

なので、富士山の五合目周辺から上でキノコを採っちゃダメです。下でも一般的にはよくないでしょう。

富士吉田市公認のガイド組合にいるっぽいガイドがこういうことをしてるんだから、だいぶ驚きです。

なお、今のところ市や環境省に通報する気はありませんが、環境省は役人をガイドツアーに潜り込ませるといいんじゃないかと思いました。

という事で、あんまりプロっぽくなかったなぁという感想

見かけたガイド全体として、確かに「有象無象の客をできるだけ山頂に連れて行く」という目的には役立っていたと思います。特にご来光前のカオスな登山道はガイドと交通整理の人達がいなかったら成り立たない感じがしました。統制を取るのに一役買っていた。登山の超初心者を富士山に登らせるという一点に最適化されているように感じました。

が、私が間近で見たガイドの仕事ぶりとしてみると、全体的に緩いし、集合前にキノコ採っちゃうし、おそらくその影響で遅れてくるし、あんまりプロのガイドって感じじゃなかったなと思いました。少なくとも、ガイドをやってる知人たちはああいう仕事はしないんじゃないかな。

登山学校で外部に助っ人を頼んで今回の人達が来たら、NGを出して二度目は無いな、という感じでした。

本人たち的にはマンネリでつまんない、あんまりモチベーションが上がらない仕事なのかも知れませんが、ちょっとなぁって感じ(聞いてないので、どういう思いで仕事してるのかは知らない。あれで真面目にやった結果なのかもしれないが、それならばガイド養成の指導者が悪い)。

僕が知ってる、尊敬すべきプロのガイドさんたちと比べると、ずいぶんレベルが低かったなぁ…と。

それでも、登山初心者にとってはいないよりはだいぶマシですから、ガイド付きツアー登山で参加するのがよいと思います。ただし、彼らの振る舞いは一般的な登山ガイドとは違う場合があるので、言動を鵜呑みにしちゃダメです。キノコの件は、ガイドが消えたときに「自然公園法で禁止されてるのでダメですよ」と説明しました。

仕事が緩いのは運営も同様だった

吉田口の場合は事前登録の景品として、木札に焼き印で登頂年が入った記念品をもらえました。配布元は山梨県のようです。それがこちら。

2025 Mt.Fuji。元々は富士山保全協力金を払った人に渡していたらしいが、今は事前登録のインセンティブとして配布しているそうだ。

まさかの、2025年の記念品でした。ツアーガイドから配布されたときに「今年の分は無くなってしまったので、去年のでよければどうぞ」という感じで渡されましたが、2025年。在庫処分。

おそらく2025年に現行の入山料制度を始めて、木札を発注したら大量に余ってしまったんでしょうね。数が読めなくて。行政の金で作ったものを簡単に廃棄できず、倉庫に死蔵していたのでしょう。それにビビって今年の分を作ったら足らなくなってしまった…。

公式アカウントでは「8月28日(金)をもちまして配布終了いたします。 今後、追加配布の予定はございません」となってますから、本来はなにももらえないはずだったんです。たぶん、2025年の在庫処分でも善意からなんだと思うんですよ。

8月の中旬くらいには、今年の実績と去年の実績から9/10までに在庫切れになるだろうなと分かってたはずなんですよね(分かってないとしたら、それも緩い)。でも追加生産はせず、9/2時点で去年の在庫を配布する、善意からくる緩さ。

世界遺産の山で、入山料を取って、事前登録の記念品が足らないというみっともなさ。これ、「緩い」ですませていいのかなぁ…という気もします。かなりの数の外国人登山者もいましたが(目測で2割が外国人)、恥ずかしいなぁ…と思いました。

富士登山オフィシャルサイト」というアカウントがよく炎上してましたが、この緩さで情報発信すればそうなるなと腑に落ちました。

富士山登頂証明書というのを貰ったけどいろいろ謎だった

帰りの集合時に「富士山登頂証明」というのをもらいましたが、発行してるっぽい「富士山登頂証明委員会」を完全一致で検索しても情報は出てこず、おそらく公的には存在しないものだと思われます。誰が発行しているのか分かりませんが、まぁ、演出とサービスかと思いました。

謎の多い登頂証明書。

証明者として書かれている「富士吉田市公認 富士登山ガイド」というのも実は謎で、その様な名前のガイド資格は無いようです。あるのは「富士吉田市公認 富士山登山案内人組合」という組合で、富士吉田市がこの団体を「公認」しており、そこに所属しているガイドであるというのが一番近そうです。

ただ、「富士山登山案内人組合」に所属するガイドは「富士吉田市公認富士登山案内人」を名乗るケースが多いっぽくて「富士吉田市公認 富士登山ガイド」で探しても情報は見つかりませんでした。よく分からないですね。

山小屋で募集しているガイド資格の情報を読むと、組合に所属するための条件などが見えてきます。

公的な資格というよりは、組合の内部的な推薦や紹介があり、一定の技能を持っている人が年間7000円を払って登録し、仕事があれば受けて仕事をするという仕組みのようです。今回のツアーガイドは、ツアー会社からの委託かなにかでガイドを行っていたのだと思われます。

日本山岳ガイド協会や日本アルパインガイド協会のガイド資格を持っているかどうかはおそらく必須ではなく、持ってる人もいれば持ってない人もいるのでしょう。

この辺の仕組みは調べても情報があまり出てこなかったので、内部事情に詳しい方はコメント欄で教えてください。

富士山の山小屋泊の感想

今回初めて富士山で山小屋に泊まりました。富士登山について調べると、山小屋に泊まっても眠れないし泊まる意味がないという話をよく聞いたからです。だから過去のご来光目的登山は毎回夜通し歩いていました。

今回は全部込み込みガイドツアーってことで、山小屋泊になりました。泊まったのは本8合目の某山小屋。まぁ、某と書いても食事メニューで分かってしまう気もしますが。

スタートから6時間20分で八合目の山小屋に到着

11時に吉田口をスタートして、山小屋に着いたのは17:20でした。実に6時間20分を掛けて約1000mを登ってきた訳です。通常の2倍以上の時間を掛けます。これがツアー登山のペースであり、ガイドのペースコントロールの核心です。信じられないくらいゆっくり登ることで高山病を防ぐわけです。登山はゆっくり登るのが難しいのですが、知らない人はオーバーペースで登ってしまい、バテます。

余談ですが、この到着予定も行動中には知らされず、参加者的には事前に渡された行程表に書いてあった『18時(目安)』に着けばいいのかな?と思ってました。しかしどうやら17:20を目指して登っていたっぽいことが、小屋に着いて判明しました。本当に、状況を説明しないガイドだったなぁ…。

着いたらすぐに寝床を案内されました。靴は専用の袋に入れて、荷物は全部ザックに仕舞って寝床に持ち込みます。玄関で管理するとカオスになってしまうのでしょう。

寝床は3段の蚕棚になっていて、ハシゴで登ります。3段目までザックと靴を持って上がるのはキツそうです(私は2段目でした)。

寝具は枕と寝袋。枕には不織布のカバーが申し訳程度に着いていましたが、擦り切れ具合からすると毎回は替えていないようです(たぶん)。私はフリースの中に枕を入れて使いました。または、エコバッグやタオルなどを巻くと快適に使えると思います。気になる人はインナーシーツを使うといいですが、当然装備は重くなるので体力と相談ですね。エコバッグや防寒着で枕をくるむ位が丁度いいと思います。

寝床内部からの写真。

寝床は2,3人程度でカーテン状の仕切りがありました。1人分の幅は65cmくらいですかね。混んでいる山小屋の寝床としてはそれほど悪くないと思うのですが、「劣悪な寝床で眠れない…」という会話も聞こえてきました。山小屋に慣れてない人には厳しい環境かも知れません(そういう人も来るのが富士山なのですが)。

他の山域でも10年以上前だともっと酷いところも普通にあったので、これはだいぶマシな部類だと思います。

夕食は少なめでした

そして間髪入れずに夕食。おそらく、ガイドが17:30の回で夕食と連絡してたのだと思います(途中で電話を掛けていた)。メニューはハンバーグカレーでした。

味は普通においしいが少なめ。たぶん、高山病で食欲が無くなることを想定している。僕らのグループは全員食欲があったので足らなかった。

夕食を食べた広間の横にちょっとしたスペースがあって、そこでスマホを見てる人がいたり、外のベンチで寛いでいる人がいたりしました。

ネットは山小屋Wifiが使えた

ネットはauユーザーやUQやpovoでスターリンクDirectに契約している人は無料で山小屋Wifiを使えます。または有料で山小屋Wifiを使うことも可能です(24時間600円、2時間300円)。

UQ回線もギリギリつながってましたが、アンテナ1本で不安定かつ低速でした。実質的には山小屋Wifiを利用しないと通信できません。

私は先日UQモバイルに乗り換えて、スターリンクDirectも契約してあったので山小屋Wifiも使えました。乗り換えててよかった。スターリンクDirectはまだauが圏外の場所に行ってないので使えていませんが。

結局眠れない、でも筋肉は休まる

食べたらあとは寝るだけ。1時半に起きるとしても18時から7時間半あります。が、やっぱり思った通り眠れませんでした。20時くらいまではかなりの談笑が耳栓を貫通してきました。クスリやってる?くらいのテンションの若い女子グループがいてすごかった。20時になったらパタンと静かになったのですが、酸素が薄いせいで眠りが浅いんですよね。

寝て、なにか息苦しい夢のようなものを見て起きると窒息感あって頑張って呼吸する感じを延々何度も繰り返しました。寝るというよりは、ウトウトし続ける。寝返りを打ったりウトウトしたりで、1時過ぎくらいになって寝るのを諦めて起きました。

ただ、脳としてはあまり寝ていませんが体は一応7時間程度負荷を掛けずに休ませることができたので、筋肉的には休息になったかと思います。

宿泊客もトイレは100円

通常、山小屋のトイレ代は宿泊客は無料の場合が多いのですが、富士山では非宿泊客は200円、宿泊客は100円となっていました。100円でもいちいちお金を払うのはなぁ…と思って水分摂取量が減り、尿量も減ることを考えると健康には悪そうです。

私は小屋に着いてから1回と出発時の1回で計2回使いました。17時半から2時20分まで滞在していたので、9時間弱いたことになります。本来なら、もっと水分を摂ってトイレにもっと行ったほうが良かった気がします。

宿泊費を300円程度上げてトイレ代を無料にしたほうがいいのではないかと思うのですがどうでしょうか(このシステムの経緯を知らないで、勝手なことを言うなと思うかも知れないけど)。

なお、富士山のトイレ代は五合目の民間店舗で100円、無料の五合目休憩所はトイレも無料、8合目辺りで200円、山頂は300円でした。一泊二日で500円使いました。少ないですね。

標高が高い小屋の方が人気があるらしい?

個人的には、標高3400mの小屋は空気が薄すぎて眠るのが難しかったので、もっと標高が低い小屋のほうがいいのではないかと思いました。

当然二日目に登る標高差は増えますが、標高が高い小屋で一晩消耗するよりはマシに思えます。ですが、世間的には二日目の標高差が少ない方が人気があるらしく、「八合目の山小屋確約プラン」のほうが人気があるようです。ここも、ちょっと意味が分からないなぁと思いました。

ガイドは「本八合目の山小屋に泊まるのが2日目の登りが短くていいのだ」と参加者に話していましたが、シーズン中に何度も登って高度順応できているあなたはともかく、いきなり3400メートルに連れてこられる参加者的には果たしてどうかな?思いました。山頂で御来光を見せて10時半までに五合目への下山を完了しなくてはいけないツアーの行程としては都合がいいのでしょうけど。

私は、高くても3000mくらいの山小屋で寝るのがいいんじゃないかと思います。二日目は2時間早く行動を開始するか、帰りの時間がもっと遅い行程を作ればよいでしょう(そういうツアーはあんまり無さそうなので、登山に慣れている方は自分でプランを作って登るのがいいと思います)。

朝食のお弁当は小屋で食べた

朝食として配られたお弁当があったので、出発前に食べました。持っていくと冷えるし荷物になるしゴミも捨てられないので、食べられるのなら小屋で食べてしまう方がいいです。小屋で食べればゴミを引き取ってくれます。内容はご飯、たくあん、卵焼き、焼き鮭、ウインナー、チキンカツでした。

ご飯の左側は夕食のカレーに追加して食べたので少し減っている。お米は柔らかめで、糊か餅の様になっている部分があった。芯はない。

このお弁当も、ガイドは「山頂の休憩所で温かい豚汁と一緒に食べるのもオススメ」と言っていましたが、どう考えても邪魔だし、上で食べればゴミを持ち帰らなくてはいけません。最後まで邪魔です。

17時半に夕食を食べてから8時間程度経っており、体内エネルギー的にも朝起きてすぐに食べてしまう方が効率が良いと考えます。何も食べずに約2時間で山頂までの400m程度を登ると、途中でハンガーノック(低血糖)になる可能性もあります。

私は、富士山の山小屋でこういうお弁当を渡されたのなら、出発前に食べて小屋にゴミを引き取ってもらうことをオススメします。

山小屋から山頂、下山までの行程

2時20分に山小屋を出発。山頂に着いたのは4時5分でした。その後、山頂の山小屋(食堂とお土産物屋)に入って休憩。4時20分くらいに入って50分くらいまで。ワンオーダー制ということで、1500円の月見うどんを注文しました。他のメニューとしては豚汁1200円、わかめスープ800円、カップヌードル1200円、けんちんうどん2000円、カレーうどん1800円など。

ここも、ツアーとフリー(ツアー以外の個人)は扱いが違っていて、少しだけ待ちましたが、優先的に案内されていたようです。

尤も、寒さに耐えられるなら外で待っていても問題ない場合もありましょう。到着までの時間配分や天気によっては、ここでの小屋内休憩は必要ないのではないかとも思います。元々ツアーの行程に組み込んであり、ここでお金を使わせるような約束があるのかも知れません。

玉子が入っているのですごい。うどんはやや固い。標高が高くてつゆの温度が低いんだよね。美味いかと言われたら、特に美味くはない。

下の写真は20年前に山頂で食べたラーメンで、たしか1000円でした。20年経っても物価がそんなに上がってないですね。月見うどん2000円でも食べる人はいると思いますが1500円なので良心的に感じました。

あまりに寒くて休憩しようってことになって食べた山頂ラーメン。一応具が入ってた。

5時くらいのご来光を見て、火口もちょっと見て6時に下山開始、分岐があって間違えやすい部分まではガイド付きで一緒に行動して、間違えようが無いところから先はガイドなしで各自バラバラで下山(ガイドは最後尾でスイーパーをしていたらしい)。仲間たち(今回は4人で行ったのでした)といっしょに9:45に富士スバルライン五合目に戻って終了となりました。

富士山は確かに日本の最高峰で、山自体は良い

いろいろ書いてきましたが、登山対象としての富士山は良い山だと思っています。よく、富士山は外から見る山で登る山ではないなんて言う人もいますが、山自体に罪はないし、景色やすぐに森林限界を越えるあの空気感は悪くありません。

この景色はここにしか無い

まず3776mという標高。2位の北岳は3193mですから583mも高い。高尾山丸ごと分高いことになります。北岳は周りを山に囲まれていますが、富士山は独立峰で、吉田口側からは伊豆大島から三浦半島、房総半島、奥多摩方面などが遥か眼下に見渡せます。この景色は他では見られません。とにかく高さが別格。

国土の形がよく分かる眺望

視界の中にある下界はまだ夏の陽気なのに、雲の上にいる自分たちは極寒に凍えているのも体験として面白い。

弾丸登山で登っていた頃は、19時くらいになると見える範囲のどこかで花火大会が始まり、線香花火のようなサイズで上から見下ろすこともできました。そういう景色は富士山だけかなと思います。

打ち上げ花火、下から見るか、上から見るか

空気の薄さがトレーニングに良い

入山料が毎回4,000円掛かるのでしょっちゅうというわけにはいきませんが、3800m近い標高で高度順応できるのは日本では富士山だけです。あとは人工的に低酸素を作るトレーニング施設くらい。ここで重い荷物を背負うのはよいトレーニングになりましょう。

今回はあまり目立たない程度のザックサイズ(意図を言わずに参加してるので目立ちたくなかった)でしたが、ちょっと負荷を掛けて登れてとても良かったです。

標高が高いのにアクセスが良い

例えば北アルプスなら東京からもっと時間が掛かるし運賃も高いし、南アルプスなら交通の便が悪いしスタートの標高が低いので登るのが大変です。が、富士山は東京からわずか2時間半程度で五合目に着くし、運賃もそれほど高くありません。東京から気軽に行ける場所として、もっと気軽に遊びに来てもいいかなと思いました。

個人的なキツさの体感は?

この夏は剱岳、立山、双六岳界隈など、今まで行ってなかったメジャーな北アルプスの山に登っておこうということでいくつか登っていたためか、富士山でもキツさは全く感じませんでした。ツアー登山のペースで非常にゆっくりでしたからね。件の北アルプス登山では、テント泊装備でだいたい通常の2倍くらいのペースで歩いてました。標高は3000m前後。

寝てる時に少しだけ頭痛を感じましたが、行動中は全く問題ありませんでした。ただ、それでも血中酸素飽和度を計ったら83%になっていました。この数値でも高山病の症状って出ないもんなんですね。

AppleWatchでも血中酸素飽和度を測れるのだけど、アプリ名が分からず使えなかった。今は知ってる。血中酸素ウェルネスアプリです。
次回高い山に登ったらこれを使います。

筋肉痛や疲労もあまりなくて、下山後にもう1回登れるなぁと思うくらいには楽ちんでした。帰りのバスとお風呂が込みなので普通に帰りましたが。

標高が高いだけで、単純な標高差で言えば五合目と山頂は1,400mくらいしか無いですからね。実際のところ、登山としてはそれほどキツくない部類の山だったりします。普通に登山をしてる人なら日帰りで苦も無く登れるでしょう(天候や体調にもよるので無理はしないでね)。

実際に富士山に登ってみてキツいと感じた方は、ペースが速すぎたか準備不足か天候などの条件が悪かったかのどれかです。事前にトレーニングをして天気が良い日にゆっくりペースで登れば楽々登れると思います。是非またリベンジしてみてください。

本来の入山手続き

今回は入山手続きも決済も込みのツアーに参加したので自分ではやってないのですが、フリーで行くと自分で手続きをすることになります。事前決済をしておくと前述の記念品を貰えるようです。

静岡県側と山梨県側で手続きが違うので、自分が登るルートに合わせて、説明を読んで手続きと決済をします。

↓山梨県側(山梨県富士山吉田ルート)

↓静岡県側(富士宮口、御殿場口、須走口)

5合目のゲートで装備チェックがあるという話だったのですが、ツアー参加者だったためか、チェックはありませんでした。チェックをしてる様子も観察できなかったのですが、リストバンドを受け取るところでやってたんですかね?その辺は不明です。我々のリストバンドはガイドがまとめて取りに行ったので分かりません。

なお、我々のザックの中身はガイドもチェックしてないので、本当に必要な装備を持ってるのかは自分しか知らないという状況でした。いいんだろうか。まぁ、いいんだろうな、たぶん。私も登山講習の前にザックの中身を出せとか言わないし。スタート前に口頭で聞くくらいですね。

最後にレンタルについても書いておきます

いつ頃から登山装備のレンタルが行われていたのか分かりませんが、上から下まで全部五合目でレンタルできるようでした。

私達のグループ4名は最初から登山の格好と装備でバスに乗り込んだのですが、普段着みたいな人もいて、「???」と思っていました。五合目に着いて謎が解けました。更衣室で初めて登山の格好をする人が結構いたわけです。その発想は無かった!と思って驚きました。

レンタルもレインウェア、登山靴、ザック、ストック、手袋、ヘッドランプなど、およそ必要なものはすべて借りることができます。普段着に手ぶらで五合目に行っても、お金さえ出せば富士登山を始められる訳です。その辺の装備を持っていたらわざわざお金を出して借りないわけで、レインウェアも持ってない、つまり初登山=富士山という人が、ビジネスとして成り立つ程度にはいるのでしょう。

それはまるでゲレンデスキーで、「すげーな…」と思いました。富士山はゲレンデなのでした。

まとめ

書きたいことはだいたい書いたのでまとめます。

  • 富士山という山は悪くないけど、その産業性の高さやガイドや行政の緩さというか、いい加減さにはちょっと閉口した。

  • 富士山での登山がちょっと独特なのは、その辺の海に行くかのごとく富士山に登る人達が醸成した空気の影響だと思った。

  • 富士登山に来てる人の多くが登山初めて?って感じで、日本の最高峰とは思えない。

  • 富士山は海でありゲレンデでした。

  • ベルトコンベア登山としてシステムが完成していた。緩いけど。

  • 結果として、富士登山は一般的な登山と一線を画す独特な文化を築いたが、個人的にその雰囲気は好きになれなかった(昔も今も)。

  • 富士山のガイドは独特というか、あんまりプロっぽくないと思った。

  • ガイドが国立公園の特別保護地区でキノコを採って客に見せちゃダメだろ。

  • ガイドの仕事ぶりはぐだぐだでしたが、それでもツアー登山はいろいろ便利なので、登山を趣味にしていなくてほぼ初めての登山で富士山に登りたいならガイド付きツアー登山で行くとよいです。

  • 逆に、登山チョットやってる勢の人はガイドツアーで行くとだいぶまどろっこしいので、フリーで行くか開山期を外したほうがいいと思います(書くまでもなく自明ですけど)。

  • 登山初心者の方も事前にトレーニングなどをしてしっかり準備してから登ったほうが楽しく登頂できると思います。遅くとも4月から準備しましょう。

  • 山小屋Wifiは便利でした。最近の山ではUQモバイルかauがいいですね。

  • 知らない世界を見ることができて、総合的には非常に楽しい登山でした。もう夏の富士登山にツアーの客として行くことは無いと思うけどw。

こういう富士登山の現状を、周りの自治体の首長たちは分かってるんですかね?

開山期以外の登山者ばかりやり玉に挙げてますが、開山期間中の登山の態様やガイドの仕方、ガイドのお行儀について実態調査と改善をした方がいいんじゃないかと思いました。

ただ、富士山関連公式アカウントの感じからすると、登山を理解している人がとても少なそうです。日本山岳ガイド協会の優秀なガイドさんにコンサルしてもらうとか、きちんとした有識者を入れたほうがいいように思います。

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松本圭司@ジオグラフィカ開発者 わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。