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なんでもAIで時短する世の中を見て、『モモ』に出てくる時間泥棒を思い出す【おすすめ本】

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ドイツの作家、ミヒャエル・エンデによって、今からおよそ50年ほど前に書かれた児童文学作品。半世紀前に書かれた児童文学作品だが、現代の忙しない社会を予見するかのように風刺しており、今の時代だからこそ読まれるべき作品である。

『モモ』のあらすじ
孤児の少女のモモには不思議な力があった。それは人の話を「聞く」力で、モモが何をしなくてもモモに話をしていると、みんなよいことを思いついたり悩みがなくなったりするのだ。そんなある日、モモの周りで灰色の男たちが人々の時間を盗んでいることが知られていく……、というお話。

灰色の男たちは、「時間銀行」に時間を預ければ将来それが増えて返ってくると説明し、人々から時間を盗んでいく。

たとえばお客さんと話をしながら楽しく髪の毛をきっていた理髪師に、話などせずにさっさと髪を切るように仕向けると、理髪師は時間を節約するために話をせずにさっと仕事をするようになる。

一見、効率が上がり良くなったかのようにも思えるが、今まで楽しそうに仕事をしていた理髪師は、不機嫌になり、くたびれて、怒りっぽくなったのだ。

というように、街の人々がどんどんそういう風になっていく。ひとり、またひとりと仕事の効率は上がりお金は稼ぐが、精神的に余裕がない人間になっていくのだ。

これはまさに、今の時代の風刺だ。

少し前よりも今は特にAIが普及した。AIの普及により、さまざまなものが高速化されつつある。もちろん、それを全面的に否定するわけではないが、僕たちが節約している時間は一体どこへ行っているのだろう。

何かが早く済ませられるようになった結果、新しい別の仕事ややるべきことを早く済ませなければならないようになっている気がする。きっと事務的なメールをAIで10秒で書けるようになったが、送られてくるメールもまた増えているのではないだろうか……。

実際、僕自身も忙しさに今追われていて、こんなことを偉そうに書ける状況にないのだが、加速する世の中と自分の生活を鑑みながら、少しでもその速さに抗うようにこうやって毎日noteを書いているのかもしれない。

正直なところ、毎日noteや文章を書くことによって、さらに忙しくなっている気がしてならないのだが、それでもなお自分のやりたいことする時間とは、世の中の速さから自分を守ってくれているのだろうと思う。

どれだけAIが普及しても、どれだけ世界が速くなっても、僕が自由に言葉を書いている時間だけはその速さを置き去りにする。

世界とは別のところで流れる尊き時間。
そんな静謐の中に身を置いているという感覚がある。

こういう時間を大切にしたい、そんなことを思った。

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