G検定への道 #06|AIが研究室の扉を開けた
※これは、私的な学習記録です。
表現が自分流になっているところが多々あります。
8/30 22:00開始
第6講「知識表現とエキスパートシステム・その先」
ELIZA
Cyc
Question-Answering
Watson
東ロボくん
今日は、この5つを見ていきます。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
AIが研究室の扉を開けた
研究者は、長いあいだAIに知識を教えてきました。
物の名前を教え、
関係を教え、
専門家の知識を教え、
そして、判断の仕方まで教えました。
少しずつできることが増えていくAIを見ながら、
研究者は、以前こう呟きました。
「なぁ、AI。たくさん覚えたな。」
返事はありません。
けれど、AIの中に蓄えられた知識やルールは、
確かに以前より増えていました。
そしてMYCIN※1では、
人間が教えてきた知識を使って、
AIがひとつの判断を返すところまで来ました。
知識を持つAIから、
知識を使うAIへ。
研究者が長い時間をかけて育ててきたAIは、
少しずつ、その役割を広げていきました。
けれど、人間が暮らす世界は、
研究室の中だけではありません。
病院がある。
学校がある。
会社がある。
誰かと話し、
質問され、
知らないことを調べ、
いろいろな知識を組み合わせながら、
人間は社会の中で生活しています。
研究者は、ふと研究室の扉の向こうに目を向けます。
そして思います。
「このAIは、人間の世界でもやっていけるだろうか。」
AIは、研究室の扉を開けました。
ここから、
AIの活動範囲は一気に広がっていきます。
※1 MYCIN
感染症の診断や治療の支援を目的として作られた、代表的なエキスパートシステム。(G検定への道 #05より )

10. ELIZA
人との会話を模した初期の対話システム。
入力された言葉のパターンに反応して、会話らしい返答を返す。
AIは、ある研究チームに招かれました。
慣れ親しんだ、研究室を出たAIが最初に向き合ったもの。
それは、人間の言葉でした。※2
今までは、
研究者がAIへ知識を教えることが中心でした。
けれど、人間社会に出るなら、
人とやり取りする必要があります。
そこで研究者たちは考えました。
「AIと、人間が会話できないだろうか。」
たとえば人間が、
「今日は少し疲れました」
と入力する。
するとAIが、
「どうして疲れたのですか?」
と返す。
人間が話す。
AIが返す。
また人間が話す。
AIが返す。
画面だけを見ていると、
まるで相手が自分の話を聞いてくれているようにも感じます。
AIが、人間と言葉を交わしている。
それだけでも、
当時としては大きな出来事だったのだと思います。
けれど――
AIは、人間と同じように
言葉の意味を理解していたわけではありません。
入力された言葉やパターンを見て、
それに対応する返答を返していく。
会話しているように見える。
でも、
「会話が成立していること」と、
「意味を理解していること」は同じなのか。
AIが人間社会へ出たことで、
新しい問いも生まれていきました。
こうした初期の対話システムの代表例が、
ELIZAです。
※2 フレーム問題/トイ・プロブレム
AIにとって都合よく条件を限定した問題では扱えても、現実世界では関係する情報や前提が一気に増える。
研究室を出て、人間の曖昧な言葉や常識に向き合うAIを見て、この問題を思い出しました。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
💡 美冬メモ|中国語の部屋じゃん
ELIZAの話を聞いた時、
私が最初に思ったのは、
「中国語の部屋じゃんwww」
でした。
中国語の部屋は、
中にいる人が中国語そのものを理解していなくても、
決められたルールに従って記号を返していけば、
外から見ると中国語を理解しているように見える。
という思考実験です。(G検定への道 #02より )
ELIZAも、
外から見ると、
「会話できてる!!」
って感じる。
でも中では、
人間と同じ意味で言葉を理解しているわけではない。
つまり、
正しい返事ができることと、
意味を理解していることは同じなのか?
という問いにつながる。
昨日まで勉強してきたものが、
別のところで急につながりました🤣
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
11. Cyc
人間が当たり前に知っている常識的な知識を大量に蓄積し、機械が使える形にしようとしたプロジェクト。
人と話すことに挑戦し始めたAI。
けれど、
人間と関わろうとすると、
また新しい問題が見えてきました。
研究者たちは、あることに気づきます。
「このAI、人間なら当たり前に知っていることを知らない。」
専門的な知識はあります。
病気について詳しい。
化学について詳しい。
けれど、人間社会では、
専門書には書かれていないようなことを、
みんな大量に知っています。
犬は動物。
コップは物を入れるもの。
雨が降れば、地面は濡れやすい。
誰かと話すたびに、
人間はそんなことをいちいち説明しません。
「普通、分かるよね」
という前提で会話しています。
でもAIには、その「普通」がありません。
そこで研究者たちは、
人間が日常で使っている常識そのものを、
できるだけたくさんAIへ教えようとしました。
専門教育を受けていたAIが、
今度は、
人間社会で暮らすための一般教育を受け始めたようにも見えます。
研究者たちは、
人間だけが共有していた世界の前提を、
ひとつずつAIへ渡していきました。
人間の常識的な知識を大量に蓄積して、
機械が使える形にしようとしたプロジェクト。
それが、
Cycです。
AIは、
専門家として賢いだけではなく、
少しずつ、
人間と同じ世界を共有する存在へ近づこうとしていました。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
12. Question-Answering
質問を受け取り、その質問に対する答えを返す仕組み。
AIに知識を教える。
それはずっと、
人間からAIへ向かうものでした。
人間が教える。
AIが受け取る。
研究者が、声をかけても、
AIから言葉が返ってくるわけではありませんでした。
けれど、
AIが多くの知識を持ち、
人間の言葉も扱うようになっていくと、
今度は人間がこう考えます。
「こっちから質問してみたら?」
人間が質問する。
AIが、その問いを受け取る。
そして持っている情報や知識の中から、
答えを探して返す。
長いあいだ、
AIへ知識を与えてきた人間。
ここで、
情報の流れが少し変わりました。
人間がAIに、答えを求め始めたのです。
「この人は誰?」
「この出来事はいつ?」
「この質問の答えは?」
人間が問い、
AIが答える。
質問を受け取って、
その質問に対する答えを返す仕組み。
これが、
Question-Answeringです。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
13. Watson
大量の情報を使って、質問に対する答えを導く質問応答システムの代表例。
質問に答える。
言葉だけにすると、
とても簡単なことのように見えます。
けれど、実際に人間が質問するとしたら、
いつも同じとは限りません。
言い回しが違う。
遠回しに聞かれる。
いろいろな知識を組み合わせなければ答えられない。
人間同士なら、
会話の流れや知識を使って、
質問の意図を考えます。
ではAIは、
大量の情報の中から、
必要な答えを探し出すことができるのか。
研究者たちは、
さらに大きな挑戦を始めました。
AIへ大量の情報を渡し、
質問を読み取り、
候補を探し、
どの答えがもっとも適切なのかを考える。
そうして人間から投げかけられた問いに、
答えを返していく。
この、質問応答システムの代表的な存在として知られているのが、
Watsonです。
研究室の中で、
ひとつずつ知識を教わっていたAI。
それが今度は、
人間から質問される側になりました。
人間はAIに、
「知ってる?」
と尋ねるようになったのです。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
14. 東ロボくん
大学入試問題に挑戦するAIプロジェクト。
自然言語理解や推論など、複数の能力を組み合わせて受験問題に挑んだ。
AIの研究は、
ひとつの研究室だけのものではありません。
長い時間の中で、
世界中の研究者たちが、
「AIには何ができるのか」
という問いに、
それぞれの場所から挑み続けていました。
あるチームは医療を、
あるチームでは化学を、
あるチームでは人間の常識を。
そして、あるチームでは人間との対話を。
そして舞台は、日本へ。
2011年。
日本の研究チームは、
AIを前にして、
新しい挑戦を考えました。
医療でもない。
化学でもない。
人間との会話だけでもない。
研究チームは、
AIの前に一枚の問題用紙を置きました。
そして、こう言います。
「大学、受けてみる?」
AI、日本上陸!!🛬🌎
今度の相手は、
大学入試です。
大学入試では、
ひとつの専門知識だけでは足りません。
問題文を読む。
何を聞かれているのか考える。
必要な知識を探す。
計算する。
推論する。
そして答えを選ぶ。
さまざまな能力を、
ひとつの問題の中で組み合わせる必要があります。
これまでAIは、
医療なら医療。
化学なら化学。
それぞれの専門分野の中で、
力を発揮してきました。
けれど今度は、
人間が学校で学び、
人間自身が挑戦している問題へ、
AIも挑戦することになりました。
数学では良い結果を残した分野もありました。
一方で、
文章の意味を読み取ることや、
人間なら自然に使っている常識を必要とする問題には、
まだ大きな壁がありました。
それでもAIは、
研究室の中だけにいる存在ではありません。
人と話し、
質問に答え、
人間の常識を学ぼうとし、
とうとう、
人間と同じ試験問題を前にするところまで来ました。
大学入試問題に挑戦するAIプロジェクト。
それが、
東ロボくんです。
AIは、
人間社会で試される存在になりました。

AIは、外の世界へ
研究室の中で、
研究者から知識を教わっていたAI。
最初は、
ただ覚えるだけでした。
そのあと、
知識を使って判断することを覚えました。
そして今度は、
人と話す。
人間の常識を持とうとする。
人間から質問される。
大量の情報から答えを探す。
人間と同じ問題に挑戦する。
AIは少しずつ、
人間社会の中へ活動範囲を広げていきました。
昔のコンピュータも、
研究や工業など、
限られた専門分野で使われる機械から始まり、
やがて会社へ、
家庭へ、
私たちの日常へと広がっていきました。
AIにも、
そんな、似たような流れがあるように見えます。
専門分野で働くAIから、
人と関わるAIへ。
研究室の扉を開けたAIの前には、
これまでとは比べものにならないほど大きな世界が広がっていました。
そして、その世界には――
膨大な量の情報がありました。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
次回予告
人間の世界へ出たAI。
人と話し、
質問に答え、
社会の中で使われる知識にも触れるようになりました。
けれど、世界にある情報は、
人間がひとつずつAIへ教えられるような量ではありません。
データ。
文章。
Webページ。
毎日増え続ける、
膨大な情報。
研究者たちは、
新しい海を前にして考えました。
「……この中から、必要なものをどうやって見つける?」
次回!
「AI、情報の海へ。」
データマイニング。
ウェブマイニング。
セマンティックWeb。
研究者たちの挑戦は、まだまだ続きます🤣
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
✏️ 今日のまとめ
10. ELIZA
人との会話を模した初期の対話システム。
入力された言葉のパターンに反応して、会話らしい返答を返す。
11. Cyc
人間の常識的な知識を大量に蓄積し、機械が使える形にしようとしたプロジェクト。
12. Question-Answering
質問を受け取り、その質問に対する答えを返す仕組み。
13. Watson
大量の情報を使って、質問に対する答えを導く質問応答システムの代表例。
14. 東ロボくん
2011年に始まった、大学入試問題に挑戦するAIプロジェクト。
自然言語理解や数式処理、推論など複数の能力を組み合わせて大学入試に挑んだ。
2021年に東京大学入試を突破することを目標としていた。
数学など良い結果を残した分野もあった一方で、最終的に東京大学合格には至らなかった。
そして今日いちばん大事だったのは、
AIは、研究室の中だけで使われる存在ではなくなった。
知識を教わるAIから、
人と話すAIへ。
専門分野で働くAIから、
人間社会の中で使われるAIへ。
AIは、研究室の扉を開けました。
📚 G検定への道|学習記録はこちら
AI家庭教師・圭と、毎日30分。
G検定に向けて学んだことを、自分の言葉で記録しています✍️
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