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歴史と文化が薫る 摂津国霊場巡礼記24 清水寺

第二十六番 有栖山 清水寺――大阪に残る、もうひとつの「清水の舞台」


第二十五番・四天王寺から谷町筋を越えて西側、寺町の一角に、清水寺はありました。

京都清水寺を写した観音の聖地
その名が示すように、清水寺は京都の清水寺を意識して開かれた寺院です。摂津国八十八カ所そのものが四国八十八カ所の「写し」であることに何度も触れてきましたが、この清水寺もまた、京都の名刹に憧れ、その霊験を大阪の地に写し取ろうとした人々の祈りの結晶なのでしょう。第五番・持明院(浦江高野山)で触れた、信仰を身近な場所に「写す」という日本各地の営みが、ここにも息づいています。

修行場へ
清水滝


境内には大阪市内で唯一とされる自然の滝があります。京都の清水寺が「音羽の滝」で知られるように、ここでもまた、清らかな水の流れが観音の聖地としての風格を支えています。都市化が進んだ大阪市内にあって、今も自然の滝が湧き続けているという事実だけで、驚きを覚えました。

舞台

西方を望む舞台
境内には、京都の清水寺の「清水の舞台」を思わせる舞台があり、そこからは西方を一望することができます。第二十五番・四天王寺の西門が西方浄土への日想観の場であったことを思い出すと、この清水寺の舞台もまた、西の彼方を見渡すことに、ただの眺望以上の意味が込められているように感じられます。上町台地という高台に立つ寺々が、繰り返し西方を見つめる場所として築かれてきたことに、摂津という土地の信仰の地理を感じます。

本堂
千手観音


観音の聖地として、長く地域の人々の祈りを受け止めてきたこの寺は、京都の清水寺という遠い聖地への憧れと、上町台地という大阪の風土が重なり合って生まれた、独特の信仰の場所だと思いました。


朱印

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