新人研修のポイント
春といえば、新入社員の季節だ。
数年前から、新人の研修を担当するようになってから、春が憂鬱に感じるようになっている。
人は、説明が上手だ。とか、話が楽しい。と言ってくれるが、自分自身ちっともそうは思わない。むしろ苦労して研修をしている。
とはいえ、もう数年も研修をしていると、色々と伝えるべきことが決まってくる。
おそらくは、職種とか新人とかベテランとかに関係なく、大事なことかもしれないので、この場を借りて書き記そうと思う。
目的と手段
例えば飲食店の場合、よく仕事の指示で、テーブルをかたずけて。と指示を出す時があると思う。
指示を受けたアルバイト君は、しっかりと言いつけを守り、お客さんが食べ散らかしたテーブルの食器を片付けて、次のお客さんをテーブルに案内する。
よくあるシーンだ。
けど、次に座ったお客さんを見ると、何か不満げな顔をしている。
もしかしたら、テーブルに拭き残しがあったのかもしれない。
もしかしたら、テーブルの下におしぼりの袋が落ちてたのかもしれない。
もしかしたら。。。
考え出すとキリがない。
けど、片付けを指示した先輩も、指示通りしっかりかたずけたアルバイト君も、言われたことをしっかりして、ちゃんと対応している。
と思われがちだが、本当にそうだろうか。
私を含め、人は往々に仕事の手段で仕事の指示を出すことがある。
テーブルを片付ける。や、商品を棚に並べる。とか。
指示を受けた人は、真面目にきちんと、テーブルを片付けたり、商品を棚に並べる。が、仕事の目的って本当に「それ」なのだろうか。
例えば、「テーブルを片付ける」とは、テーブルを片付けて、「次のお客様が気持ちよく使えるようにする。」という部分が隠れている。
また、「商品を棚に並べる」とは、商品を「お客様がみやすいように、手を取りやすいように」並べる。という部分が隠れている。
これが目的なのだ。
仕事本来の目的を忘れて手段だけをきちんとしたところで、100%の正解ではないのだ。
とは言え、目的までしっかり説明して指示を出してくれる上司や先輩は少ないと思う。そう、僕を含めて。
だから、新人君たちは、指示された仕事のその先の目的を考えて、業務に就いてほしい。
なぜこの仕事が必要なのか。この仕事の先のどのような成果を期待されているのか。
これらを意識するだけで、成長度合いは大きく違ってくると思う。
付加価値
少しだけ嫌な言い方をします。
たまたま同じ地区に生まれた同い年の子供たちが小学校,中学校の義務教育を受ける。この9年間で勉強ができる子や運動が得意な子。歌が上手い子や絵が上手な子。色々な個性があり、その個性を伸ばすために高校,大学へと進学し同じレベルの子達とよく似た個性をさらに伸ばす。
その中で、よく似た子達が就職活動に励むわけだから、よく似た子達が同じ会社へ面接に来る。
このよく似た子達の中から、自社に必要な人材を選りすぐるわけだから、面接側も大変なのだ。
今度は逆を考えてみよう。
一流大企業ではなく我が中小企業は、日本中にどこにでもある会社の一つだ。
よくある企業の中で、よくある勤務地でよくある商品を製造し販売している。
この個性のない企業からこの会社を選んで、就職を希望するわけだから、就活生にしてみても本当に大変なんことだと思う。
この、「よくいる就活生」が「よくある企業」を選び、「よくある企業」が「よくいる就活生」を選ぶわけなのだが、よくある中からどうやって彼,彼女またはこの会社を選んだのだろう。
僕は、研修中にこんな質問をする。「今自分が欲しいものは何?」
若い子達は「車」や「バイク」「カバン」「服」など初任給を貰ったら買いたいものを教えてくれる。
ではそれらを手に入れる方法を考えてみる。
「買う」「貰う」「作る」「(悪い例えだが)奪う」などの手段が出てくる。
では「貰う」と「買う」に特化して考えてみよう。
貰う場合、それをあげる人の対価は?
誕生日プレゼントにこれを貰ったから、この商品をプレゼントしたいとか。
お店のお嬢に気に入られたくて、ブランド品をプレゼントするとか。
では、買う場合はどうだろう。と考えていく。
一定のお金とその商品の価値を見比べて、等しい価値観のものと交換している。
同じ缶ジュースでも、手に入りやすい場所では100円少々の価格で販売しているが、富士山の山頂など手に入りにくい場所では、500円以上する。けど、500円を払っても手にしたいと思う人がいるから商売が成り立っている。
つまり、貰う場合も買う場合もその対価、価値に担っているか否かで成り立っている。これこそ物々交換なのだ。
物々交換とは、同じ対価のものを交換し合う原始的な交渉だと思う。お米1kgと塩2kgが等しい対価ならば交換が成立する。
では、お金はどうだろう。
1日8時間の労働を約20日間続ける対価で月給をもらえる。
自分の貴重な時間を会社に提供し、ストレスや体力を消耗した対価が、毎月のお給料として納得する金額の場合ならば雇用形態が成立する。
もし、割に合わない仕事と感じた場合離職する場合もあるし、給料に似合った仕事がない場合、降格などの手段も会社側は考えるだろう。
つまり、物もお金も何かと交換しあって成立しているのだ。
物々交換ではなくモノモノ交換と考えるべきなのだ。
モノモノ交換で考えた場合、自分の時間も交換の対象となる。
休日、自分の貴重な時間を友達と遊ぶ。友達に遊びを誘われた時、瞬時に、自分の時間と友達と過ごした時に得ることができる時間を比較し、自分にとってプラスになるようと感じた場合、遊びに出掛けているのだ。
もし、貴重な時間を上司や先輩とは過ごしたくないと感じる時は、上司や先輩からは得るものを感じないという事なのだ。
話が逸れてきたので、付加価値の話に戻そう。
付加価値とは、元々ある価値にプラスアルファついてくる価値なのだ。
今、コンビニやスーパーなど同じ商品がほぼ同じ値段で販売している。
多くのレストランやお食事処で同じような食事を提供してくれている。
じゃ、私たちは何を基準にそのお店を選ぶのだろう。
お店の雰囲気。店員さんの対応。家から近い。職場までの動線上にある。などなど。
人によって様々な基準があると思うが、それが付加価値だと思う。
何も値引きする。サービスする。だけが価値ではなく、あなた自身が何を提供できるか。これが付加価値なのだ。
多くの就活生の中から会社が皆さんを選んだのは、個々に秀でる付加価値を感じたからだと思います。
多くの企業から、この会社を選んだのは、給料、休日だけでなく、何か他と違う付加価値を感じたからだと思う。
これから多くのお客さんと接する時に、何も骨身を削って好かれる必要なないのです。
ただ、お客さんが喜んでくれる。気持ちよく感じてくれる笑顔であり些細な会話が、あなたが選ばれる付加価値となるでしょう。
覚えるということ
仕事を覚えることは本当に大変だと思う。
知らないワードがたくさん出て、仕事の流れもわからず途方に暮れる新人君が毎年いる。
じゃあそこで、覚えることを考えてみた。
覚えるということは、そのことを知る事だと思う。
学校でも知るから入ってい覚える。つまり教科書で説明を受け内容を覚える勉強方法をずっとしてきたと思う。
学校での勉強方法にケチを付ける訳じゃないが、これではなかなか覚えられない。それは皆さんも経験済みだと思う。
けど、好きな教科と嫌いな教科とではモノの覚えるスピードが全然違ったのではないだろうか。
おそらくだけど、そこに「興味を持つ」が入るのだろう。
興味をもてば、自然と知り、覚えるだろう。
では、どのように興味を持つか。
好きになる事だと思う。
人は「好きな気持ち」をある程度誤魔化せる(調整できる)と思う。
対して興味のないモノであっても、「僕はコレが好きなんだ」と自分の心に嘘をついてでも、とにかくソレ自体を見ることだ。見る。観る。そう観察する。そうする事で自然と目につき興味を持ち知り覚えてくるのではないだろうか。
そんな簡単な事では、と思われるかもしれないが、続けて聞いてほしい。
僕は、あるアーティストが大好きだ。
テレビでみたことがきっかけで、すごく興味を持った。好きになったどんどん興味を持ち、自然と知るようになり彼らの歌も覚えている。これは、覚えようと勉強したわけでなく自然と覚えていったのだ。
仕事を好きになることは難しい。本当にしたい仕事で趣味と実益を兼ね備えた人はほんの一握りだろう。
かと言ってその仕事を好きになれ。という訳ではない。仕事中だけでも、好きなフリをすれば良い。
そうすれば人の動きも、先輩の言葉も自然と頭に入って、苦労なく仕事を覚えることができるはずだ。
長々と書いたものの、文章で表すとわかりにくいところも多々あります。
ほわの少し、ほんの一部でも何かのきっかけになればと思います。
新しく仕事を始める新人くんたちにエールを!
