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猫の町クチン旅行記①野生動物に会うin 東マレーシア

マレーシアのKLに住み始めて1年だが、東マレーシアに行ったことがなかった私。マレーシアは西の半島(タイとシンガポールに隣接)と東のボルネオ島の一部(インドネシアとブルネイに隣接)からなっているが、ボルネオ島側の東マレーシアは、文化も気候も違う上になんと自治政府もあって、まるで別の国。
前から旅行先に良いと人から勧められていたが、「今でも日本兵の幽霊が出るよ」という話も聞いていたので、やや躊躇していた。が、今回思い立って、まず気軽に行けるクチンに行ってみた!

初めてボルネオ島に上陸

クアラルンプールから2時間ほどで、すぐにクチンに到着。国内線なのだが、空港では入国審査があり、パスポートを提示。さらに「就労ビザを見せて」と初めて言われ、指紋も取られて、びっくりしつつ無事サラワク州に入国(入州?)。首都KLより入管が厳しい。

猫の町クチン

サラワク州の州都クチンはマレー語で猫を意味する。元々広東語の港を意味する言葉からクチンと呼ばれたなどいくつか説があるらしいが、とにかく今は猫の町ということになっていて、町中いたるところに猫の像や絵を見かける。面白いのは日本の猫とちょっと違ってスリムで目が縦に大きめ。若干怖いのでもっとふっくらかわいく作ればいいのにと思ったが、実際にクチンで歩いている猫を見たら、みんなスリムで目が大きかった。(実物だとかなりかわいい。)

だいたい白かオレンジのスリム猫

町を歩いてみると、クチンはKLと違って道がとびきりきれい。道路に陥没もないし、歩道が崩れたりひび割れたりしていない。ゴミも散らかっていないし、観光客目当ての物ごいも見かけなかった。ここの政府、天然資源でめちゃくちゃ稼いでるんじゃない?と思わせる町の美しさ。「道がきれいだね。夜に歩いても、ネズミが全然いないよ」と夫に言うと、「この町の名前を聞いただけでネズミは怯えて入ってこれないんだよ」とのこと。ほんまに?

町中に猫のデザイン。みんなスリム猫。
ちゃんと猫背。

ジャングルで、もののけ姫風イノシシ

着いて2日目朝、ボルネオ島固有種テングザルがいるバコ国立公園へ。ツアーの車で近くまで行き、ボートに乗り換えて国立公園に海から上陸。しかし朝は引き潮で桟橋まで入れず、ボートの上で靴を脱ぐように言われてなんとビーチの浅瀬に直接降ろされる。背の低い私は膝まで海に浸かる。この時点で私はもうだいぶ家に帰りたい。そこからガイドさんに連れられてひたすら野生動物を探しながら炎天下の中をトレッキング。
歩き始めて早々にたくさんの猿と猪に遭遇。猪は、もののけ姫に出てくるような、ひげもじゃもじゃタイプだった。

子育てシーズンらしく、桟橋の下で授乳しなから
食事する母猪。うり坊はしましま柄

天気のいい日はヘビの日

ガイドさんはイバン族という先住民族の人で「僕はイスラム教徒だけど、イバンだから森の精霊を信じていて、うーん、感じるんだけど、どうも今日はヘビの日だね。猿と猪がこんなにビーチ側に降りてきているし、天気もいいし、ヘビが山に出てるね。テングザルも近くにはいないかも」とのこと。
途中、山を超えて向こう側のビーチへ到着。そこから来た道をまた歩いて戻るか、追加料金を払ってボートに乗って出発地点に戻るかの選択肢があり、私の心は大いに揺れたが、夫が「まだテングザルを見てないし歩こうよ」と即決。同じグループだったおじさまおばさま達や子ども連れのお母様方はボートで去って行き、帰り道は男性達と若い女性2人、そして40歳の私…頑張った自分を褒めてあげたい。
暑いし蚊もいるし道があるようでないデコボコ山道だし毒蛇怖いしトカゲもチョロチョロしてるし、運動不足のおばちゃんにはかなりキツかった。かつて奇襲作戦でボルネオ島に上陸させられた日本兵の人たちもジャングルでこんな心細い思いをしたのかな、家に帰りたかっただろうな、と疲れすぎてちょっと感傷的になりながら歩いた。もちろん、日本軍上陸で迷惑を被ったのは現地の人と野生動物達だし、地獄のような死の行進で亡くなったのは連合軍の兵士だけれど。
日本人の私が観光客として気軽に山を歩かせてもらっている事実に感謝しながら、戦争で亡くなった方の冥福を祈って合掌。
結局、3時間くらい山を歩いて、テングザルには会えず、緑の毒蛇さんに2匹会った。ガイドさん、なんで分かったの?

正式名オランウータン

翌日は筋肉痛の体を引きずって、オラウータンの保護施設に行ってみた。施設といってもほぼ山で、山には人間は入れず、餌やりの時間だけ餌場に入れてもらえる。餌やりも、野生オラウータンを完全に餌付けしているわけではないので、餌場に来たらあげるし来なかったらやらないというゆるい感じ。
餌場に移動すると、オラウータン親子がするすると紐を伝って登場。警戒しつつ、餌場に置かれた果物を手や足でつかんではまたするすると紐を登り樹の上で食べる。股関節が肩と同じくらい可動域が広く、脚が腕のように柔軟に動く。遠目だと時々どれが腕でどれが脚か分からなくなる。

器用にココナッツの皮を剥いて、木の幹に叩きつけて割り、中の果汁を子どもにも飲ませていたのにはびっくり。パイナップルもお手のもの。

かわいいと言うより、かっこいい感じで、しばらく呆気に取られながら見てしまった。でもこれ、山の中で遭遇したら怖いだろうな。

ちなみにオラウータンはもともとマレー語/インドネシア語で、「Orangオラン」(人)+「Hutanウータン」(森)、つまり森の人。それが日本語だと「オランウータン」省略されて「オラウータン」、英語だと「Orangutanオラングタン」。英語はつづりにつられてgを発音するらしい。私には全然「人」には見えないが。

クチンで乾杯!

サラワクの不思議な所は、西側の半島と違ってお酒が安い。サラワクの人も多くがイスラム教徒なのだが、ハラルじゃない中華料理店に入っても許されるくらい、イスラムの縛りがゆるいらしい。そして、先住民族達には、なんとお米からお酒を作る文化がある。アルコール度数15%弱の「Tuakトゥアック」、40-60%の「Langkauランカウ」というのが有名で、専門店に行ってみた。

ずらりと並ぶトゥアックとランカウ。

トゥアックはいろんな味や香りがあり、たくさん試飲させてもらった。かなり甘くて、甘酒とにごり酒と焼酎の間な感じ。度数の強いランカウは泡盛によく似ていた。あまりに種類がありすぎて選べず、お店の人に「でもこれアルコールだから、KLに1本しか持ち込めないよね?」と聞くと、「トゥアックは特別にアルコール扱いじゃないの。政府が先住民族をサポートしているから。空港で何か言われたらトゥアックだって言って。」とにっこり。アルコールとして指定されていないものをアルコール製造の許可を取らずに作ったらアルコールじゃないらしい。だから課税もされない。そのグレーゾーンを政府が公認するって面白すぎる。サラワクの先住民族および地元の方々に乾杯!

クチンのフードフェスで、
ペプシがクチン(猫)とコラボ
クチンは中華系の多い町。とにかくご飯がおいしい。中華粥とシューヨ(カリカリ焼豚)+鴨の麺
やっぱり豚肉料理。しみしみ卵が最高


↓この下、私が出会った毒蛇さん。見たい方だけどうぞ。

緑のバイパー。
まったり日向ぼっこしてたのに、騒いでごめんね
小さめのバイパー。
ガイドさんによると、成人した大きなヘビより若くて小さい個体のほうが毒の吐き方が下手で危ないらしい。量を調整できず全部飛ばしちゃうそうで、目を守るためにガイドさんはサングラス必須とのこと

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