疲れた夏も、迎える次の季節も【詩】
じーーと耳鳴りみたいな音が外側から聴こえ
これからめまいがするのかと
まだ腫れていない鼓膜を思いやる
輪唱のように絶えないミンミンの音も
ほどよい昔の夏の風景を
たくさん たくさん
思い出され
浮かんでは消え
気がついたら
その音は
ゆうやけの頃に
ふりりりりと
絶えまない鈴のような音に代わり
夏はもうじゅうぶん味わったと思うのに
湿った空気は
気持ちにも重たさを課し
抗いもできず
涼しさを求めて空を仰ぎ
痛みを感じる暑さと
胸の奥の息苦しさが過ぎると
きっとあの
キルト前の綿のような雲に
おばあちゃんにもらった
水あめみたいな色が染まり
ちいさな不安と
焦燥感と
なつかしさで
心がぱんぱんになるのだ
わかっているのに
それらを
全部を
もっともっとと欲しがる
いいなと思ったら応援しよう!
読んでいただいて、ありがとうございます!
心に残る記事をまた書きたいです。