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にきび

朝起きて、鏡に映る自分の顔を見る。

赤みのある5ミリほどの膨らみが唇の下にあった。
これは昨日見た時にはなかったはずだ。

顎の右側を覗く。
昨日は中心に白い点のあった赤みが、ただの赤い膨らみに変わっていた。
いいぞ、このまま消えてくれ。

この1年ほどの間、私はこの顔にしつこく現れる「にきび」に悩まされている。
にきび?吹き出物?大人ニキビ?
呼び方などどうでもいい、とにかく「にきび」という憎い侵略者だ。

奴らは私に痛みを与え、時には痒みを、立ち去った後にはうす暗い痕跡を残していく。
存在の余韻を残すだけならまだ良い。
邪悪な個体は、私の地面に決して崩れぬ洞穴を残して去っていく。


赤、白、黄。
奴らはそれぞれ異なる武器を携えてやってくる。
そして、時にはしっかりと連携を組んで攻め込んでくるのだ。
一人、静かに様子を見にやってきたかと思えば、次の朝には他の隊との合流を始める。

赤の部隊は容赦のない火炎放射を、白の部隊は地雷を埋めて周り、黄色は化学兵器を駆使しながら侵攻する。


こちらも黙ってやられるわけにはいかない。
このままやらせはしない。
直接的な物理攻撃で対処にあたる。
二本の指型兵器を使用し地雷が埋められている地点を挟み込む。

「いけっ」

指型兵器が地雷の外側2方向から中心に向かい圧縮を始める。

「だめだ!それは罠だ!」

刺激を受けた地雷は即座に爆発。
周囲を大きく巻き込む攻撃により、我が軍は白の部隊から敗走することとなった。

「騙し打ちなど、なんて卑怯な」

戦場は過酷だ、甘えなど許されない。
もちろん「卑怯だ」などという非難による口撃は全く意味をもたない。


化学には化学で対抗するのがよいだろう。

我が国の化学兵器工場より、最新の兵器を調達する。
ダラシン、ディフェリン、テラ・コートリル。
強力な兵器が我が国にはある。

一日に二度、昼と夜の2回、攻撃を仕掛ける。
朝日が昇り戦場が太陽に照らされる時、戦闘の経過を確認。
状況はあまり変化しているように見えない。
こちらの攻撃の跡が敵軍を包囲しながら、光をにぶく照り返していることを確認できるのみ。


私の領土が脆弱であることを嗅ぎつけたのか、最近になって新たな国が侵略に加わる。

「粉瘤」軍だ。

こいつにはもう私一人でどうすることもできない。

赤白黄の奴らと協力関係なのか、単独で侵攻しているのかはわからない。
ただ、あらゆる攻撃を跳ね返し、静かに占領を開始するのだ。


この戦争はいつまで続くのだろうか。
私と奴らは一体どのような結末を迎えるのだろう。

どちらかが滅ぶまで、いつまでも先の見えない戦いを続けるのか。
和解し共存の道を選ぶのか。
戦場となる大地そのものが滅ぶ時が先に訪れるかもしれない。

その結末は誰にもわからない。
ただ、私は諦めたくない。
小国ながら幸せそうに人々が暮らしていたこの国を、この手で取り戻したいのだ。


KAWAI

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