「仕事が向いてない」は、たいてい職場の話でした
「仕事が向いてない」という言葉を、人材紹介の現場で何十回も聞きました。面談で最初に出てくる言葉が、だいたいこれなんです。
そのたびに引っかかっていたことがあって。話を掘っていくと、出てくるのは仕事の中身の話じゃないんですよ。残業が終わらない、上司と合わない、給料が上がらない。仕事そのものが嫌いだと言った人は、実はそんなに多くなかった。
厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」に、これを裏付ける数字があります。
最初に勤めた会社を辞めた理由(複数回答)の順位は、こうでした。
1位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった 28.5%
2位 人間関係がよくなかった 26.4%
3位 賃金の条件がよくなかった 21.8%
4位 仕事が自分に合わない 21.7%
上位3つが全部、職場の条件なんですね。「仕事が合わない」は4位で、しかも3位とほぼ横並びです。
順番が逆なんだと思います。
環境が悪い → 成果が出ない → 自分が向いてない。この順番で結論に着地してしまう。原因は最初にあるのに、最後の自分のところで話を止めてしまうんです。責める相手として一番手近にいるのが自分だから、というのもあると思います。
もうひとつ、同じ調査で気になった数字があります。若年正社員のうち「転職したい」が31.2%、「したくない」が30.3%。ほぼ半々でした。20〜24歳に限れば35.0%が転職したいと答えています。
つまり、いま迷っている人は少数派ではないということです。特別に打たれ弱いわけでも、根性がないわけでもない。半分がそう思っている。
じゃあどう切り分けるのか。私が面談で使っていた質問はシンプルで、「同じ仕事を、いまの半分の残業でやれるとしたらどうですか」でした。それで気持ちが変わるなら、たぶん職場の話です。変わらないなら、仕事の中身の話。
この切り分けを、もう少し具体的にブログのほうで書きました。数字の出どころも全部載せています。
https://katuzimn.com/shigoto-muitenai/
向いてないかどうかを判定する前に、まず何の話なのかを分けたほうがいい。判定はそのあとで間に合います。
※出典: 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」個人調査
