食パンをひとつくださいな
近所に、新しいパン屋ができたから行ってみたわけです。
ちょうど食パンがなくなったから買いに行こうと思いまして。
ちょっと洒落た感じのかわいい店で、店内にはイートインのスペースもあります。
焼きたてのパンの香りが漂っていて、棚にはクロワッサンや菓子パンなどが美しく並んでいます。
私は「食パン」を一斤だけ手にとると、カウンターへと向かいました。
2つあるレジには列ができています。
自分の番になって、私は食パン一斤をカウンターに置きました。
そしたら、店員さんがこう言ったんです。
「店内でお召し上がりですか?」
お召しあがらないよ!!
食パン一斤をイートインするヒトなんている?
それって、異常事態だと思うけど。
隣のレジに並んでいる女性が、私の方をちらっと見ました。
食べないってば!
いやね、店員さんは何も考えずにマニュアル通りに聞いたんだってのはわかってますよ。わかります。それでも、言葉のインパクトがすごい。
そして、王道のエッセイなら、ここで店員さんの心理を長々と考察したり、この状況を面白おかしく書いて膨らませるんだろうなって思います。
でも、そうはしません。
だって、このシンプルな出来事を楽しむのに最も相応しいのは、「余白」を共有して、味わうことだと思うから。シンプルな状況だからこそ、生まれる「余白」。余計な言葉はいらないんです。
私が、あるいはあなたが、この場面を頭に浮かべて、そっとつぶやくだけでいいと思うんです。
店員さんに死を…と。
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最後までお読みいただきありがとうございました。チップしちゃおうかなと思ったら、迷わなくていいんです。私がそっと背中を押しますからね!