災害対策について
元日早々に起きた能登半島地震に関しては、被災者の皆さんに対して、心よりお見舞い申し上げるしかない。地震や台風、火山噴火といった大規模自然災害の脅威に常に晒されている日本に住む我々としては、決して他人事ではないし、明日は我が身と考えて、日頃からの災害対策を怠ってはならない。
それにしても、日々の報道を見ていて思うことであるが、これだけしょっちゅう地震やら水害による被害に遭っているにもかかわらず、日本人の災害対策って、昔と比べてもあんまり進歩も洗練もしていないんじゃないか(?!)ということである。
まずもって思うことは、日本のような災害大国で、災害対策のプロというか、専門的に取り仕切る部署が国にも自治体にもないことである。大規模災害が起きると自衛隊が駆り出されるが、言うまでもない話として、彼らの本来業務は有事の際に他国による侵略から国を守ることであり、災害対策でもないし、被災地支援でもない。東日本大震災の時にも思ったことだが、本来業務でもないことで、自衛隊の隊員たちのリソースを無駄遣いすることは、日本の安全保障上のマイナスでしかない。隣国の独裁者からお見舞いのメッセージが来たそうだが、日本がホントに困ったら、彼らが何かしてくれるとは思えない。むしろ、火事場泥棒的に嬉々として攻め込んでくるであろう。
電気、ガス、上下水道、道路等の社会インフラの復旧には相当程度時間がかかるようだが、恒久的な復旧対策とは別に、局地的な緊急対応の方法はあらかじめ国としてある程度は準備できるのではないだろうか。
電気に関しては、移動可能な発電・充電装置を用意しておけば、ある程度の対応は可能であろう。水については、他所から飲料水を運搬しても良いが、海水から飲料水を製造する装置だってある。能登半島もそうだが、島国である日本の場合、内陸部を除けば、海からアクセス可能なエリアはかなりの割合を占める。発電・充電装置、海水から飲料水を生成する装置、それと仮設トイレやシャワー設備、簡易住居、食料、医療用品等の緊急物資を大量に積載した大型船をいつでも出動可能な状態で用意しておけば、災害が発生したら直ちに海から現地に派遣することができる。最寄りの港湾施設まで船で運搬した後の被災地へのアクセス方法についても、トラック、ヘリコプター等も船に搭載しておけば、現地の状況に応じて機動的に対応可能であろう。瓦礫や倒壊した家屋を撤去するためのブルドーザーのような重機だって船ならば搭載可能である。
現地に支援物資が到着するまでの一定時間、たとえば1週間程度の災害用の食料や飲料水、物資等の防災グッズを各家庭で備蓄しておくようにとは、前々から言われていることであるが、シロウトが何をどれだけ備蓄すれば良いのか、ちゃんと理解できているのであろうか。僕は何回も試みたが、その都度、挫折している。
「大人1人の1週間分の防災グッズ」セットを、常に国・自治体で一定分量を備蓄しておいて、何かコトが起きたら、初動対応として必要とされそうな分量だけ、現地に船とかヘリコプターで運搬すれば済むのではないだろうか。山間部でヘリが着陸できそうもない場所であれば、パラシュートで落とすとか、ドローンで運搬してもよい。今の技術を使えば、自己責任で中途半端な備蓄を各自にやらせるよりは、そちらの方が社会全体で見ても無駄にならない。
というもの、防災グッズなんて、いつ役に立つかわからないんだし、消費期限が来たら廃棄しないといけなくなる。ローリングストック法とか称して、古いものから使用して、その分だけまた買い足せば良いとか言われるけど、そんなことを几帳面にやっている人ばかりとはとても思えぬ。昨今だと、フードロスの問題もある。専門家が期日管理して、期限がきたものの再利用(飼料に使うとか)を含めたエコシステムを構築した方が無駄にならない。
災害は必ず起きるのだから、災害時を想定した備えを普段から専門家がやっておくのが最も効率的だと思う。じゃないと、所詮は毎回毎回、ノウハウが蓄積されず、シロウトの思い付きのような対応に終始してしまっているような気がする。したがって、まずは「自然災害対策省(庁)」といった恒久的な部門を政府に設けて、対応する部局を地方自治体にも設けて常日頃から連携させつつ準備をしておくというのが、まずは最優先で取り組むべきことのような気がするのだが、いかがなものか。
災害対策というものは、システム的思考に基づき、いろいろな要素を組み合わせつつ、全体最適を図るための合理的な仕組みを予め設計しておき、いざ有事となれば、定められた手順に従って、機械のように粛々と動き出すようになっているのが理想だと思う。もちろん想定しないことも起こり得るが、大部分は想定の範囲内で対応できるはずであるし、そうなるべきである。
発想としては、戦争の際の兵站(ロジスティックス)と似ている。湾岸戦争の際の米軍などは、砂漠の中に大都市を築くくらいの物量を運搬し、戦争が終わったらそれらすべてを撤収させた。日本人は昔から兵站軽視で、そういうのが苦手な分野なのかもしれないが、むしろ災害大国である日本こそ、ロジスティックスにおいて世界最先端のノウハウを身につけるくらいの覚悟が必要であろう。
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