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浪人生の母になりました。⑥息子が変わってきた。喧嘩も…


合格発表まで、あと10カ月。


5月。
浪人生活が始まって、少しずつ息子に変化が出てきた。
それは、成績のことではなかった。

生活が変わった。


高校生の頃、部活をしていたときは朝ごはんを食べていた。
でも、部活をやめた頃から、朝ごはんを食べなくなっていった。
朝は食べなくても平気。
そんな感じだったと思う。
ところが、浪人生活が始まってから、息子が自分で朝ごはんを作るようになった。
ごはん。
たんぱく質。
汁物。
そして、バナナスムージー。
ちゃんとバランスを考えて食べている。
私は朝ごはんを作っていない。
息子が自分で作っている。
「朝ごはんを食べなさい」と私が言ったわけでもない。
おそらく、昼食後に眠くなることなどを考えて、自分なりに生活を変えていったのだと思う。もしくは、先生に相談したのかもしれない。
私はそれを見て、
「目標が明確になると、生活って変わるんだな」
と思った。
高校生のときには、なかなかできなかったこと。
それが、浪人して「この1年で合格する」という目標ができたことで、少しずつ変わっていった。
私ができること
勉強をするのは息子。
志望校を決めるのも息子。
予備校で勉強を教えてもらうのも息子。

お昼には

おにぎらずにすることにした。
おにぎらずの中身は「おかず」
ごはんだけではなく、中におかずを入れる。
肉や卵など、その日に食べてほしいものを入れる。
一つでごはんとおかずが食べられる。
予備校でも食べやすいし、普通のおにぎりよりも満足感もある。
私ができるのは、このくらい

浪人生活が始まって、まだ2カ月。
合格発表まで、あと10カ月。
先は長い。
でも、
息子が少しずつ変わってきている。
それを見ると、親としても少し嬉しかった。
勉強だけじゃない。
自分の生活を、自分で考えるようになってきた。
浪人という1年間は、もしかしたら大学に合格するためだけの時間ではないのかもしれない。
そんなことを、5月の私は少し考えていた。

ただ、すべてが順調だったわけではない。

一度だけ、激しい言い合いになった。


慣れが出てきたのか、「自分なりにやっている」という自負が裏目に出たのか。帰宅後の息子の生活が乱れ始めたのだ。
お風呂で1時間、
夕飯を食べながら1時間。
手元のスマホで動画を見続ける日が何日か続いた。
「せっかく朝の習慣が整ったのに」
「そんなに動画ばかり見ていて大丈夫なの?」
私の焦りが言葉になって漏れ出し、息子も反発する。
目標に向かって走っているはずの日常に、ふと生じる不協和音。 見守ると決めていても、親としての忍耐が試される瞬間だった。
合格発表まで、あと10カ月。
まだまだ先は長い。
ここから、息子はどんなふうに変わっていくのだろう。
そして私は、どこまで口を出さずに見守れるのだろう。
次回、6月。
浪人生活にも、少しずつ慣れてきた頃。

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