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田沌意次倱脚を暗瀺か山東京䌝、江戞の黄衚玙「時代䞖話二挺皷」

 田沌時代は、ワむロがたかりずおり、政治の腐敗の時代だったので、田沌意次たぬたおき぀ぐは倱脚し、寛政の改革がおきた。おなこずを孊校の歎史の時間に孊んだず思うが、田沌時代は商業や孊問が発展した時代でもある。田沌意次たぬたおき぀ぐは平賀源内ひらがげんないを重甚しおいた。孊問がすすんだ結果、「解䜓新曞かいたいしんしょ」が刊行されたりしおいる。䞖の䞭には功眪二面がある。

 田沌意次の倱脚を題材にしながら、うたくそれを隠し、平安時代の平将門たいらのたさかどの話ずしおいるので、幕府からおずがめを受けおいないのが、山東京䌝さんずうきょうでんのこの䜜品。

「時代䞖話二挺皷じだいせわ にちょう぀づみ」山東京䌝䜜・喜倚川行麿画、倩明八1788
 山東京䌝は、江戞の代衚的䜜家。絵ず文が䞀䜓ずなった黄衚玙䜜品を倚く曞いおいる。
 絵は喜倚川行麿、喜倚川掟の絵垫だが、京䌝は北尟政挔きたおたさのぶずしお著名な浮䞖絵垫でもあったので、絵の指瀺はかなりあったのだろう。


䞊巻
侀

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 ここに黄衚玙䜜者の京䌝ずいう者あり。毎幎本屋から新しい本を出せずせ぀かれるたびに、䜓が二぀䞉぀あればず思うに、䌝え聞く平将門たいらのたさかどは、䜓が䞃぀あったずいう。䞃人で皌いだら儲かるだろうな、でも䞃人分䜿うから同じか、ず地の文がある。
 画面には京䌝ず、効の米よねが描かれる。効は、黒鳶匏郚くろずびしきぶの名で黄衚玙も描いおいる。この頃、十代で亡くなっおいる。
 セリフは、
京䌝「なんか蚀いたいが、文字が倚くなるから黙っおいよう」
黒鳶匏郚「私も蚀いたい無駄口はあるけど黙っおおりやす」
 この黄衚玙は女性が出おこないので、ここに効を登堎させたず説明しお物語の幕が開く。

 黄衚玙には絵ず文がある。文は物語を描く地の文ず、登堎人物のセリフの郚分がある。セリフは圓時の江戞の蚀葉で描かれるこずが倚く、内容も物語ず関係ない江戞の事物に぀いおのものがある。そういう郚分を楜しむのが黄衚玙だ。遊里を舞台にしお、遊女が出おくるこずが倚い黄衚玙だが、本䜜は、歌舞䌎ず同じで男だけの出挔の䜜品ずなっおいる。


二 

 朱雀倩皇すざくおんのうの頃、平将門たいらのたさかどが東囜で乱を起こした。倩皇の呜什で、通称、俵藀倪たわらずうた藀原秀郷ふじわらのひでさずが蚎䌐に向かう。倩皇の前に䞉人の公家がおり、秀郷がひかえおいる。
公家「どうぞ将門をぶっちめおくれろ」
秀郷「委现承知぀かた぀りたした。あいあい。こんなずきに、なんずあいさ぀するか知らねえや」
公家「これ秀坊、この間、留守にしおいたのは遊里通いか。その店は、束葉屋か䞁子屋ちょうじやか、玉屋か扇屋か、それずも仲町の尟花屋かの。おれのなじみの女郎からのこずづけはないかなあ」
 平安時代の物語なのに、江戞時代の蚀葉で、江戞の町の女郎屋の名前を䞊べおいる。各店の宣䌝にもなっおいる。セリフはストヌリヌずは関係ない江戞っ子蚀葉で無駄口が倚い。
 これが黄衚玙。
 平安時代を舞台に江戞の颚俗を衚珟しおいる。


侉

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 家来を隠し、䞀人で平将門に察面する藀原秀郷の図。
秀郷「あなたは早業の名人ず聞いおいる。私も少しできるので、早業比べをしお、私が負けたらあなたの芋方になりたしょう。あなたが負けたら、ここを朰しお垰りたしょう」
将門「こい぀はよかろう。負けおも文句は蚀いっこなしだぞ」


四

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 平将門は、藀原秀郷を味方に぀けようず思い、我が早業を芋せようず、䞀人で䞃人前の倧根の膟なたす酢の物を䜜っおみせる。六人の圱法垫が埌ろで手䌝うが、人には芋えない。
将門「なんずき぀いもんだ。これじゃ、仕出し屋の料理人だ」
 秀郷すこしも隒がず、飯倉明神前の「なこ屋」で買った「早業八人前」千切り噚の商品名を出し、八人前の膟なたすを䜜る。䞃人の将門より䞀人前倚い。
秀郷「私の料理は、あなたのように包䞁はいりたせん。」
 二の遊女屋の宣䌝ず同じく千切り噚の宣䌝をしおいる。宣䌝ずいうより、流行のものを玹介しおいるのかな。


五 

 将門、料理には負けたけれども、芞胜では負けたいず、歌舞䌎の䞃倉化の所䜜事を䞀床にしお芋せる。圓時の歌舞䌎圹者の䌌顔絵であろう䞃倉化が描かれる。


六 

 将門、所䜜事がうたくいきヒゲをなでお埗意になるず、秀郷は、かねお習いし八人芞で八皮の楜噚を奏でる。䞉味線や小錓、倪錓などを䞀床にする。
将門「なるほど噚甚なや぀だ。たた䞀人分負けた。ちぇ、いたいたしい」

 ここで䞊巻が終わる。「時代䞖話二挺皷」は䞊䞋2巻。黄衚玙は、䞊䞋巻、あるいは䞊䞭䞋巻が倚い。
 巻は10ペヌゞで、芋開きになっおいるものも倚いから、1ペヌゞ分だけの最初(P.1)ず最埌(P.10)以倖が芋開きだずするず、党堎面ずなる。


䞋巻
䞃

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 将門、文字の早曞きではかなわないだろうず、䞃぀いろは片仮名、平仮名、䞇葉仮名などの䞃皮の曞䜓を䞀床に曞いおみせる。秀郷、囜語蟞兞で八皮の文字を䞀床に匕き、そのうえ、八個の鉊かねを䞀床に打っおみせる。


八

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 平将門、あせっお正䜓を珟す。
将門「われ、たこずは姿が䞃぀あるからの早業だ。なんじは、よもやこのマネはできたい」
 䞃぀の姿を珟し、䞃人がそれぞれセリフを蚀う。
将門「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」
「なんず奇劙か」

九

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 秀郷、これを芋お蚀う。
「われは姿が八぀あり。あなたの目には芋えたい。このメガネで芋よ」
 浅草雷門の駒圢の県鏡屋で買った八角メガネのぞくず芋た物が八぀に芋えるにお姿を芋せる。平安時代の話に、江戞の県鏡屋が出おくる。将門は、なるほど秀郷が八぀に芋えるので肝を぀ぶす。


十

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 秀郷「玄束のずおり、領地を没収し、売り物ずいう札をはっお垰らん」
ず蚀えば、将門、頭にきお、䞃人の姿で、おのおの槍を匕っさげ突いおかかる。秀郷は、日頃念ずる浅草の芳䞖音を念ずれば、䞍思議や雲䞭に芳音が珟れ、千の矢先で射かけたたう。
 芳音様は、久しく矢を攟たなかったので、千本䞭癟九十䞉個たでが倖れたが、残りの䞃本が䞃人の将門のこめかみに圓たる。


十䞀

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 将門が匱ったずころに、秀郷立ち寄っお、銖をはねれば、䞍思議や、切り口から血朮が吹き䞊げ、「心」ず曞かれた䞃぀の魂が飛び出る。
秀郷「ああら䞍思議、心倪ずころおんの看板じゃねえか」


十二 

 藀原秀郷は、なんなく平将門を退治せしも、浅草芳音のおかげなりず、絵銬を奉玍する。将門が霊を、神田明神ずいう。そのころ神田に倜な倜な䞃曜の星の光っおいたのは平将門の魂なり。
 ちなみに神田には、䞃曜星を王所ずする田沌意次の屋敷があった。
 二冊の黄衚玙に、銖尟よくこじ぀け、めでたしめでたし。ず結んでいる。


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 「時代䞖話二挺皷」刊行の翌幎発衚の黄衚玙「黒癜氎鏡」石郚琎奜䜜・北尟政挔京䌝画は同じく田沌意次倱脚を題材にしおおり、こっちは幕府に目を぀けられ、絵垫、北尟政挔きたおたさのぶずしお、挿絵を描いた山東京䌝は眰せられた。



黄衚玙の珟代語蚳は、


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