farm updates 2026/5 ウール
小屋掃除、毛刈り、慣らし放牧、田植えバイト、牧草仕事と切れ目なく続き、相変わらず余裕のない月だった。羊毛は販売することができ、かみ羊の森の生産物から初めての売り上げが生まれた。
毛刈り・ウール

ありがたいことに仙台で羊毛でクラフトをしている方から連絡いただき、実際に刈る前の羊を見ながらお話しした。
ウールで作る人の視点は新鮮でかなり勉強になった。品質だけでなく実際に人やその毛を生んだ羊と交流が持てるのも近場で手にいれるいいところと思う。毛刈りは練習している。本や動画で方法はわかるものの言葉にされない感覚がたくさんあるので、やりながらいつもハテナが浮かんでいる。職人的仕事だと思う。羊を怪我させないのはもちろん、ウールとして使うためには虎刈りになってはならない。ゆっくりしていては羊が疲れるし、バリカンの刃も減ってしまう。一筆書きで余計なことをせずに刈らねばならない。
田植えも牧草作業もそうだが無駄を削いで同じ仕事を美しくやるかの勝負はF1みたいだなとよく思う。ベテランの人は同じことをしているようで違うものが見えているに違いない。
1頭分で2-3キロのウールが取れる。それは個人だと持て余す人も多いような量で、初見の何の保証も評判もない牧場で、さらに刈る前の羊を見て予約してもらえるのは、期待の表れだと思う。今回の毛の感想も教えてもらいながら期待に応えて良いものを出していきたいと思った。
放牧




早く放牧に慣れてもらうため、母子で放牧に出してみる。子羊はいきなり外に出すと寄生虫や環境変化についていけなかったりもするので外に出さないところもあるぐらいで、ちょっと怖いので1日2時間、そのあと4時間、午後だけ、と少しずつ伸ばしていく。最初はどこに行っていいかわからずうろうろするが、すぐ慣れる。かと思えば2グループに分かれて別々に動くこともあり、コントロール不能になったりもする。うろうろに飽きた羊を餌で誘き寄せ、それをみた仲間も一緒について来させ、他のものに惹かれてついてこなくなった羊についてきてくれていた羊が引きずられてまた振り出しに戻る。この頃の歩数計を見ると2万歩/日ぐらい歩いていたのでどれくらい悪戦苦闘しているかわかる。頭数が増える前にいいやり方を考えねばならない。
最初に生まれた羊は5月半ばに離乳。子羊を小屋に残し、親は放牧へ。子羊はメーメー言っていたのは1日ぐらいで落ち着いたが、いくらかの母羊は太い声でもう数日ベーベーいい、申し訳なく思いつつも明日には母羊も大丈夫だろうと思っていた。
次の日、牧柵の出入り口をこじ開けて(紐で閉じていたのがよくなかった)、母羊が全頭小屋の中に戻り、惨事になっていた。置いていた濃厚飼料は食べ放題食べられ、草を置いている通路は糞まみれ、母羊は逃げ回り、怒ってみても仕方ないと分かりつつもぐつぐつと怒りが湧いてくる。これは完全に自分のせいだと心の中で反芻し、なんとか羊をひと区画に戻す。離乳に向けて徐々に濃厚飼料を減らし、母乳の分泌を少なくしてから離乳、のはずだった。しかし久々に味の濃い餌を食べて無我夢中で食べたに違いない。一気に食べると胃の環境が崩れて下痢したり体調を崩す可能性もある。さらに子羊とも柵越しに再会してなんとか母に吸いついている子羊もいる。
離乳に向けた準備が一気にリセットされてしまった。牧柵をきちんと閉じられる仕組みにしておけば、小屋の出入り口をビニールカーテンだけでなく物理的に入ることのできないゲートをつけておけば、餌の周りのゲートが閉まっていれば、どれか一つできていれば被害は少なかったはずである。
小屋掃除

11月ごろから今の小屋に引っ越し、およそ半年間、30頭ほどの羊が寝起きすると床は30センチ以上底上げされる。糞だけだと衛生的にもよくないので食べ残した草も入れていくとものすごい量である。計画当初、使える機械もないし手で出そうと思っていたが、やる前から諦めてボブキャットを3日間(終わらなくて4日に伸ばしてもらった)貸してもらうことになった。さらに人にも手伝ってもらう。
ボブキャットで出せる部分が半分、段差があって使えない部分が半分で結局一部は手で出す。計画を立てるときは1年に一回何日か辛い目に遭えば機械に投資しなくていいんだと無限の体力を前提にしていたがやってみると半分でも辛い。頭数が増えたら身体を壊しそうな予感がするので作業性の改善は来年への課題。
牧草仕事
自分で牧草ロールを作るためには始めたての牧場にはかなり大きい投資が必要である。今の羊の頭数にも見合わないので、自分が借りている土地の一部は採草を委託させてもらいつつ、近くの牛農家の方の牧草仕事を手伝い、牧草を現物支給してもらっている。
冬は雪に埋もれるかみ羊の森では、冬の牧草をどう安定的に入手し、コストを抑えられるかがキーとなり、頭数の上限もそこで決まってしまう。そして頭数が増えるほどコントロールも難しくなる。
オーナーシップトライアル
羊を生きたまま興味のある方に飼ってもらい、飼い方も含めてフォローアップしていく仕組みができないかと考えている。まだまだ形になっていないながらも地元のペンションの方に協力いただき、トライアルで2頭置いてみた。

最初は鳴きまくっていたが数日後に行くとオーナーさんにも懐いていて、大勢で群れていた時とはまた違った挙動で面白い。2回脱柵して首輪を強化して繋いだり、繋ぐ場所を動かしてみたりと気にかけていただいた。いない間が心配とのことで今はうちに戻っている。今後仕事としてやるにはどういう形が良いか模索中。
データ

1日2回、全頭十分な濃厚飼料、牧草が食べられるように(少し余るように)給餌しているが思ったより食べていてすっかりなくなっていることもある。配合飼料、圧片コーン、麦芽粕、茹で大豆、アルファルファペレットを混合。
最も生育が遅い羊はいずれも人間が一部または全部哺乳。母乳の力は大きい。ちょっとずつ頻繁に、適温のものを飲むことができるが人間の哺乳だと回数は限られる。4,5をみると離乳時期後に追い上げてきているようも見える。
およそ体重は線形に伸びている。ADG260-400と幅ありだが鈍化は見られない。太り過ぎ、体調不良の傾向も見られない。最初が一番体重を乗せやすいので餌でブースト継続。どこまで継続するか迷う。
6月に向けて
肉の初出荷に向けて話がスタート。ウールもイベントでの販売。
追加で羊を導入して頭数拡大スピードを上げる。
冬のキャパシティ確保のため倉庫を羊小屋化する。
何よりその前に掃除と環境整備、To-doリスト整理、何のデータを収集するか、どう整理するかを考える。頭の中の整理。AIに整理してもらうと、今の生活や牧場のためのことと作業効率化・定式化、これからの事業についてが混在しているから混乱をきたしているとのこと。全くその通りである。
