見出し画像

「政治的公平性」とは、公平に批判すること:学校が委縮する必要はない



「特定の政党を批判して偏向と言われるのが怖い」

と、政治教育から腰が引けている学校現場、私はちょっと異常だと思う。

政治的中立っていうのは、事なかれ主義で黙り込むことでも、政治から目を背けることでもない。私は、政治的中立性というのは

「すべての政党を等しく、冷徹に、公平に批判すること」。

だと思っている。実際、選挙の前に恒例のようにやってきたのは、

「すべての政党を批判する、全方位批判」

だ。これで、選挙に入ったら、あとはヨロシクって感じだ(笑)。

最近の道徳教育や社会の空気感を見ていると、なんか息苦しいよね。

「頑張っている人を批判するな」
「政治家を批判するのはよくない」

なんていう、無害で従順な市民を作り出そうとする奇妙な同調圧力に満ち満ちている。ああ、気持ち悪い。

でも、はっきり言いますけど、それは明確な間違いだし、あえておおげさにいえば、

「人類の発展の歴史に反している」

と思うのだ(笑)。

「批判」こそが改善と付加価値を生む経済活動の基

「批判」というのは、いけないことのように言う人が増えているが、そもそも批判とは、人間の経済活動の基であり、人間社会の発展の基だ。

批判を通じて、さまざまな問題点を見つけるからこそ、より良い改善策が生まれて世の中は前進するのだから。

政治だと思うから、難しく考えてしまうのだけど、これをビジネスの世界だと思えば、わかりやすい話だ。

既存の商品やサービスに対して

「ここがダメだ!」「もっとこうしろ!」

という強烈な批判をして問題点を明らかにするからこそ、その問題を解決する新しい商品やサービスが生まれ、それを買う人がいて利益が生まれる。これが、経済活動のコアである

「付加価値」

でしょう?

批判を恐れて事なかれ主義に陥る社会なんて、改善もイノベーションも止まってただ衰退していくだけ。

だから、国民からの批判を許さず、自らは絶対に間違えないという「無謬性」をアピールした独裁者・権威主義の指導者は、ほぼ例外なく衰退した。

もちろん、今いい気になってる独裁者・権威主義者はいるが、いずれ成長が止まり、滅びていくことになる。それは、もう歴史が証明していることだ。

だから、批判を排除して、上のいうことを黙って聞くのがいい子だという教育だと、いずれ国は亡ぶ。そうではなく、

「正しく批判し、問題を発見する力」

こそを学びの中心に据えるべきだ。もちろん、「有権者教育」もその例外ではない。

きちんと政治の問題を発見し、それを改善するにはどうしたらいいかという視点を持つことが、優れた投票行動につながるわけだから。そのために、

「すべての政党の政策の問題点をみつける」

という、教育をしていくことだ。

言論の自由の本質は「相手の批判を許すこと」

そして、この健全な批判を支えるのが「言論の自由」だ。私は、言論の自由って

「自分の好きなことを言い散らす自由」

だけじゃないと考えている。好きなことをいうのは、そう難しいことではない。そんなものは、メディア、匿名掲示板やSNSで誰でもやってることだ。

言論の自由の本質であり、最も難しく、かつ価値があるのは、

「自分の考えに対して、相手が批判する自由」

を受け入れることだと思う。これは、非常に難しいことだ。私だって難しい。だからこそ、価値があるのだ。

例えば、共産党。自民党を徹底的に批判しておきながら、いざ自分たちの党への批判や異論が出ると「反党行為だ!」と言って幹部を即座に除名・処分しちゃいますよね(笑)。

この共産党みたいな体質は、まさにこの「真の言論の自由」を理解していない典型例と言えるのだ。

唯一許されないのは「言論の奪取」

もちろん、どんな攻撃でも許されるわけじゃない。言論の自由において、1つだけ絶対にしてはならないルールがあると思う。それは

「相手の言論の自由を奪うこと」

だ。例えば、誹謗中傷やネットリンチで相手を追いつめ、最悪の場合自死に追い込むような行為。これは、

「相手の言論の自由を永遠に奪う残虐な暴力」

です。そこまでいかなくても、心身を傷つけ、威嚇して恐怖で発言できない状態(萎縮効果)に追い込むことも、相手の言論の自由の侵害であり断じて許されない。

要は、言論の自由とは、自分の言論の自由以上に、「他者の言論の自由」を守ることが、より本質的に重要だということだ。

言論を死滅させる「卑怯な攻撃」と、世の中を良くするための「健全な批判」は、明確に区別しないとダメなのだ。

相手の言論を奪わない限り、あらゆる権力や主張に対する冷徹な批判は、できる限り肯定されるべきだろう。

学校現場もビクビク萎縮していないで、子どもにどんどん批判させればいい。その批判こそが、社会をよくし、人を育てる最大の推進力なのだ。

上久保誠人の新著『煽動政治:包括政党としての自民党を破壊したサイレントマジョリティの正体』(三省堂)、全国書店で発売中です。

私はこの本の冒頭にこのように書きました。

”本書の目的は、「みんなが政治現象を読み解くことができるようになること」だ。この本を読み始めたあなたが、「いま、起きている政治現象を理解し、次に起こる政治現象は何なのかを、自ら考え、理解できるようになること」を目指す。”
 

全国の大学の政治サークルの皆さん、上久保からの連絡をお待ちください(笑)。まだや、というサークルの方、DMに連絡くださいな。

『煽動政治』を世に遺したい(社会のインフラにしたい)。ご賛同いただける方は、あなたの街の図書館、あなたの大学図書館にリクエストを!

基本的に大学生の皆さん。オンライン政策塾『上久保政策塾』塾生募集中です。


いいなと思ったら応援しよう!