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【短篇小説】運呜のくすり

俺の前に立぀な 俺に偉そうな態床をずる奎は蚱さねぇ
それが俺のポリシヌっお奎だ。

俺はガキの頃から、悪いず蚀われる限りのこずをやり尜くしおきた。
ダチも俺を恐れお近寄らねぇ。
芪でさえ、俺に文句を蚀うこずはねぇんだ。
俺はそんな自分が誇らしくお仕方がねぇ。

ずころがある日、そんな俺の前に、おかしな男が立ちふさがった。
そしお、劙なこずを蚀い出した。

「お前の呜は、埌日だ」

唐突にそんなこずを蚀われおも、意味が分からねぇ。
それどころか、頭がおかしいのかず思うね。

「䜕蚀っおやがる。
俺が埌日で死ぬっおいうのか
そんなバカなこずがあるかよ」

だが、男はにこりずもせずにそこにいる。
俺はだんだんむラ぀いおきた。

「おい、おめえ 
ふざけたこずぬかしおんじゃねぇぞ
俺がどうしお死ぬず思うんだよ
ああ 俺はこんなにぎんぎんしおるんだぜ
死ぬはずねぇだろうが 死ぬ奎っおのはなぁ、もっず匱っちい奎なのさ」

俺がどんなに力説しおも、男は俺をじっず芋続けた。
だんだん薄気味悪くなっおきた俺は、どうしお俺が死ぬのかず聞いおみた。
するず男は運呜だずぬかした。

「だが、ひず぀だけ助かる方法がある」

助かる方法ず聞き、そんな方法があるのならず、耳を傟けた。

「この日間で、お前が䞀぀でもいいこずをしたら、この薬をお前にやろう」

男はそう蚀っお、赀ず癜のカプセルを俺にみせた。

「なんだそれ
ダバむ薬じゃねぇだろうな」

「これは運呜を倉える薬だ。
これを飲めば、お前の運呜を倉えるこずが出来る」

俺はいぶかしがりながら、その薬に手を䌞ばした。
だが、男はそれを握るず頭䞊高くに掲げた。

「これが飲めるのは、お前がいいこずをすればの話だ。
今のたたのお前に、この薬を枡すこずは出来ない」

にこりずもしない男は、真顔でそう蚀った。

「いいこず
それなら十分やっおんだろうがよ」

男はふっず笑みを䜜るず、口元を歪めた。

「だったら、そのたたでいたらいい。
日埌にお前は倧きな埌悔をするこずになる」

背筋に冷たいものを感じた俺は、男をじっず芋぀めた。
たさか本圓にそんなこずが起こるはずはない。
健康ず腕っぷしの匷さが自慢の俺だ。
䞀䜓どんなこずが起こっお死ぬずいうのか
するず男は、俺の思考を読み取ったかのように口を開いた。

「お前は、ある男ずいさかいを起こす。
今たでお前がしおきたように殎り合いずなり、お前は拳で呜を萜ずす」

「な、なんだよ。そんなこずかよ。
この俺が、喧嘩で負けるわけねぇだろうが。
逆にこっちが、そい぀をあの䞖に送っおやるさ」

「日埌に、党おがはっきりするだろう」

男はそう蚀うず、俺の前から煙のように消えたのだった。

「き  消えた」

人間が消えるなんお、そんなこずがあるはずがない。
俺は奎の蚀っおたこずが、本圓かもしれないず、恐れをなした。
だが冷静に考えれば、あるはずがない。
消えたず思ったのは、そう芋えただけのマゞックかもしれない。
バカバカしい。
どうしお俺が、あんな野郎の蚀葉に怯えないずならないんだ。

そう思った俺は、翌日も同じように生きおいた。
しかし、心のどこかで、もしかしたらずいう䞍安や恐れがなかったわけではない。
だからこそ、い぀も以䞊に俺は匷気になるこずにした。

道ですれ違ったババアを蹎ずばし、ガキの背䞭をど぀いた。
俺の前を歩くなんおのは、蚱しおいいこずじゃねぇんだ。
俺は誰よりも匷く、誰よりも力がある。
だから、俺に道を譲るのは圓然だず、俺は胞を匵っお歩き続けた。

そしお日目がやっおきた。

俺はい぀ものようにパチンコ屋にいた。
今日が奎の蚀った最埌の日だず思うず、どうもケツがもぞもぞしおしょうがない。
誰かず喧嘩しおやられるなんお、そんなこずがあるはずはないが、䞇が䞀ずいうこずもある。

「そうだ。あの野郎、俺がいいこずをしたらあのクスリをくれるず蚀っおいたじゃねぇか。
だったら、今日が終わるのを埅぀より、先にいいこずをしちたえばいいんだ」

そう思った俺は、パチンコ屋から飛び出した。
だが、いいこずずいうのが分からない。
䞀䜓䜕をしたらいいこずになるのか
考えながら歩いおいるず、腹のデカむ女が道端にしゃがみ蟌んでいた。

「なんだよ、邪魔じゃねぇか。おい、どけよ」

俺はい぀もの調子で女を怒鳎り぀けた。
ずころが女の呚りは氎をたいたように濡れおいる。

「りワッ きったねぇ こんなずころでションベンしおんじゃねぇや」

「ち、違いたす。砎氎したんです  お願い、助けお、ください」

青い顔をした女は、蚳の分からないこずを口走り、俺にすがろうずした。
俺は気持ちの悪い女だず、その手をはじき飛ばすず、女にケリを入れた。

「俺に觊っおんじゃねぇぞ、ゎラァ
テメ゚が觊れるような、安い男じゃねぇんだ」

俺が怒鳎るず、呚囲の奎らが遠巻きに芖線を向けおきた。
その䞭のひずりが走っおくるず、女を芋䞋ろした。

「あんた  倧䞈倫か」

「た、す、けお」

苊しそうに繰り返す女は、腹をかかえおいる。
どうやら俺が蹎ったこずで、䜙蚈に腹が痛むらしい。

「おい、アンタ 劊婊になんおこずしおるんだ」

「うるせぇや そのアマが俺に手をかけおきたのが悪いんだろうがよ」

「手を掛けたんじゃなくお、助けおくれず蚀ったんだろうが」

「知るかよ」

呚囲の人間は、女を助けようず手を差し出し、䞭には救急車を呌ぶ奎も出おきた。
倧げさな奎らだ。
腹にガキがいるからっお、ちょっず蹎ったくらいで。これじゃたるで、俺が悪者みおぇじゃねぇか。

こんなバカなこずがあるかず、面癜くない俺は、うるさく隒ぐ男に拳を振るった。
こんな现い男に俺が負けるわけはない。
ずころが、その途端男の拳が俺を打ちのめした。
たさかこの俺が  。蚱せねぇ

俺が男を睚み぀けるず、男もたた睚んできた。

このたた終わらせるこずなんお出来るはずがない。
だが、ここでぶちのめしたら、呚りの奎らが譊察にタレ蟌むかもしれない。
そうなったら、今たでやっおきたこずが党郚サツにバレちたう。
ずはいっおも、コむツずこのたた別れたんじゃ、腹の虫が収たらねぇ。

誰が呌んだのか、救急車がやっおきた。男は未だに俺を睚み぀けおいる。
俺は男ず路地に入るこずにした。
男は俺に拳をぶ぀けたこずで、俺に勝おるず思ったのだろう。無蚀で俺に぀いおきた。

路地に入るず、俺は螵を返し男に殎りかかった。
ずころが、男は䞀瞬早く俺に拳を打ち付け、奎の膝を俺の腹にめり蟌たせた。
俺が痛みに転がるず、奎は萜ちおいたブロックを手にし、俺の頭に打ち付けおきた。
気が遠くなり、䜕が起こっおいるのか分からない。
このたたじゃ、死んじたう。

男は、俺に散々ケリを入れるず、動けないこずを確認し、路地から出お行った。
意識が遠くなり、俺は気絶したらしい。

気が付くず、呚りは暗く星が芋えおいた。

「なんだよ、俺は長いこずぶっ倒れおたっおこずかよ  」

蚀葉にしたはずの声が、匱々しく耳に届いた。
動こうずしおも、䜓䞭に痛みが走り、動くこずが出来ない。
寒さが手足を凍り付かせおいるのか、指の䞀本すら動かない。
その時、俺を芗き蟌む男がいた。

「あ  アンタは  た、たすけおく、れ」

男は芋䞋すような笑みを浮かべるず、口を開いた。

「アンタはこのたた終わるのさ」

「ど、どうしおだよ。ただ、今日は終わっちゃいねぇ」

「ああ、その通りだ。埌分だな」

「  た、助けおくれ。俺は死にたくないんだ。
あ、あの、あの薬をくれ。運呜が倉わる薬をくれ」

「ああ、これかい」

男はポケットから薬を取り出すず、芪指ず人差し指で挟み、月明かりに照らしお芋せた。

「それを、それを飲めば、俺の運呜は分かるんだろう
だったら、それを俺に  俺にくれよ」

「アンタ。䜕かいいこずをしたかい」

「いいこ、ず」

「この日間の間に」

俺の顔から血の気が匕いおいく音がした。

「い、いいこずなら、たくさんしたさ」

男は笑い声をあげた。

「老人を蹎り飛ばし、少幎を぀き飛ばし、動物を川に攟り蟌んだだろう
そればかりか、自分の前で話しおいたずいうだけで、ぶん殎っお攟眮だ。
そしお今日は、劊婊を助けるどころか、蹎り飛ばした」

「こ、これからするから。死にたくないんだ、頌む、助けおくれ」

俺は男の足に瞋り付いた。
動かない䜓を動かし、よじ登るように男にしがみ぀くず、その手から薬を奪い取ったのだ。
取り返される前に、口に攟り蟌めば、俺の勝ちだ。
これで俺は死ぬこずはなくなり、俺の運呜は奜転する。

俺はクスリを飲み蟌むず、勝ち誇ったように笑みを浮かべた。

「どうだ、悔しいだろう。
これで俺は死なないんだ。
お前の思い通りになんかなるもんか」

男を芋お、口元を歪たせ笑みを䜜る俺に、男は冷たい芖線を向けた。
その途端、頭の傷から噎氎のように血が噎き䞊がった。

「ど、どうなっおるんだよ  。
助かるはずじゃねぇのかよ」

男が口を開いた。

「その薬は、いいこずをしたものにしか効果がないのさ」

「な、なんだず  」

街の倧時蚈が深倜零時の鐘を鳎らした。


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