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言いたいことも言えなくて 左翼の「社会権力」に苦しめられた10年

文芸批評家の小谷野敦さんが、ポロッと「この世の真実」を言っていました。


結局、テレビや新聞は本当のことは言わないメディアなんだよなあ

(小谷野敦 2026/7/5 11:10)


本当にそうなんだよなあ。

でも、それを言えば、大学(アカデミズム)や文壇・論壇も同じだと思います。


とくにこの10年は、「本当のことが言えない」時代でした。

左翼が「社会権力」を使い、表現と言論の自由を抑圧したからです。


先日、昔からの知人で、大学の教員を早めに辞めた人と会いました。

こんなことを言われました。


「早めに辞めてよかったよ。君もそうだろう。辞めたからこそ、お互い、好きなことが言える。それが一番だ。お互い、カネはないけどw」


まあ、私もマスコミを辞めてよかった。とくに、安倍さんが殺される前に辞められてよかった。辞めてなければ「安倍ごろし」の共犯でした。


最近になってようやく、左翼の魔法が解け始めたのか、少しずつ全般的に「言いたいこと」が言えるようになった気がします。

たとえば、Xで、こんな意見が聞かれるようになりました。


「VIVANT」の監督、パワハラを告発され現場から消えた?本人を直撃

→そろそろいい加減にした方がいい。 真剣に命をかけて作品を作る以上、感情は乗る。気持ちは昂る。

今の基準に合わせてたら「本当に良いもん」なんて生まれないぞ?損をするのは視聴者だ。

(長谷川豊 2026/7/14 0:37)


また、元朝日の峯村氏が、古巣の同僚であった高橋純子編集委員を名指しで批判したり。


高橋氏は他人を「資質に欠ける」と断じていますが、その言葉は、そっくりそのままお返しします。ジャーナリストとしての資質に欠けているのは、あなたの方です。

(峯村健司 2026/7/12 19:24)


よっぽどです。同じ編集委員として名を連ねているのが耐えられませんでした…

(峯村健司 2026/7/13 17:56)



左翼は、パワハラとかセクハラとか差別とかヘイトとか、いろいろ因縁をつけて、自分の意に沿わない人たちを、マスコミや大学や社会組織から追放してきました。

あるいは、残る者には、服従か沈黙を強いました。


そろそろ、そういう時代が終わりつつあるのでしょう。

しかし、彼らによって血祭りに上げられた人たち、中には自殺したり殺されたりした人たちの人生は、返ってきません。


ハラスメント狩りや「キャンセル」に明け暮れたこの時代を、アメリカでは「DEI era(多様性時代)」と呼んで、だいたい2020年5月25日(黒人男性ジョージ・フロイドが警官に殺されていわゆる「BLM」運動が起こった日)から、2025年1月20日(トランプ大統領が「DEIの強制を禁じる」大統領令に署名した日)までの5年くらいと見ています。

私は、もう少し広く、「SDGs」「LGBT」などの怪しげな言葉が国連方面から広まった2015年からの10年間強、と見ています。

その見方は、以下の記事に書きました。


そういえば最近、「SDGs」「LGBT」という言葉も、以前ほど聞かなくなったと思います。

最近、柿生の街を歩いていて、掲示板にこんなものを見つけ、少し懐かしい気がしました。


7月5日撮影


この期間は、中国の文化大革命や、カンボジアのポルポト革命のようなもので、安倍元首相やチャーリー・カークのような死者を生みましたし、トランプ氏も何度も暗殺未遂に遭ったし、名誉や地位を傷つけられた人は無数にいるでしょう。

本来であれば、下手人をつかまえて裁判をおこない、名誉回復や損害補償などの適切な処理がされなければなりません。


でも、そういうことは、おこなわれないでしょう。

おそらく、歴史にも残らないでしょう。

なぜなら、マスコミや学者がまさに下手人であり、歴史を書くのは彼らだからです。


以下、私の見方から、ざっとこの10年強を年表風にしてみましょう。


2014年 秋に朝日新聞社長が「原発事故」「従軍慰安婦」誤報の責任をとって辞任。年末に第二次安倍政権の信任を問う総選挙、ネットが威力を発揮した最初の選挙と言われた。低投票率ながら与党勝利

2015年 国連が「SDGs」採択。「LGBT」「ダイバーシティ」「ヘイトスピーチ」などの言葉と共に広まる。日本では安保関連法成立。翌年にかけて「シールズ」など大騒ぎ

2016年 メディアの予想をくつがえしてトランプがアメリカ大統領選当選。
「パワハラ」という和製英語が広まる

2017年 女性がセクハラを告発するMe too運動の始まり。伊藤詩織がTBSの山口敬之を不同意性交で告訴、「Black Box」出版。ハーヴェイ・ワインスタイン事件の発覚。
 米俳優のケビン・スペイシーがセクハラ疑惑で業界追放(2023年無罪に)
 森友学園問題等、いわゆるモリカケ桜「アベガー」始まる。
 朝日・毎日が元文科省事務次官・前川喜平を「安倍ヘイター」としてデビューさせる。
 改憲派の山尾志桜里が民進党の幹事長に内定したとたん、週刊文春のスキャンダルが炸裂。民進党から離党相次ぐ。民進党の前原代表は小池百合子の希望の党に合流、排除されたメンバーが立憲民主党結成。(2017年政変、現実派野党構想の頓挫)
 その混乱を見て安倍首相は解散、総選挙で大勝し、第4次安倍政権成立

2018年 「グレタさん」が世界的に有名になる
 世界的メゾソプラノのアンネ・ソフィー・フォン・オッターの夫、スウェーデンの演出家であるベニー・フレドリクソンが、職場でのハラスメント疑惑をかけられ自殺。

2019年 令和に改元。安倍氏は首相在職歴代最長となる。
 「モリカケ」を題材にし、東京新聞の望月衣塑子記者をモデルにした映画「新聞記者」、朝日新聞などの出資で大プロモーション。
 7月、札幌で安倍首相へのヤジを警察に排除され、北海道警察を表現の自由の侵害で訴える者あり。北海道放送はその応援でドキュメンタリー「ヤジと民主主義」を制作、ギャラクシー賞ほか多くのメディア賞を受ける
 秋、消費税10%に引き上げ実施。しかし、新聞には8%の軽減税率適用(逆進性がある=金持ちほどトクする=という経済学者たちの反対にもかかわらず)

2020年 コロナ自粛始まる。秋に安倍首相が辞任表明。「持病の潰瘍性大腸炎が再発し、病気と治療を抱え、体力が万全でない」「様々な政策が実現途上にあり、コロナ禍の中、職を辞することについて、国民の皆様に、心より、心より、お詫び申し上げる」
 黒人男性が警察に射殺されたことをきっかけに「BLM(ブラック・ライヴズ・マター)」運動が全米に広まる。

2021年 バイデン政権発足。
 呉座「オープンレター」事件。森喜朗オリンピック委員長「女性蔑視」発言で辞任。差別、セクハラ、パワハラで辞任・辞職の「犠牲者」増える。
 辻元清美、衆院選で落選も、翌年参院選で復活。

2022年 ウクライナ戦争始まる。
 3月、安倍首相へのヤジ訴訟、札幌地裁で道警敗訴。警備がいっそう困難に。選挙妨害がエスカレート。
 4月、吉野家ホールディングス常務が「生娘シャブ漬け」発言で解任。
 4月、朝日新聞・峯村健司記者が、安倍元首相寄りの介入をしたとして懲戒処分、退社。
 7月4日、安倍政権下のワーキンググループに属した原英史氏が毎日新聞を名誉毀損で訴え勝訴。安倍元首相「原英史さん毎日新聞に逆転勝訴。毎日新聞は検証し、しっかり記事にして欲しい。」とツイート。
 7月8日、安倍晋三元首相射殺。
 この頃から「woke」「意識高い系」といった言葉が広まり、イーロン・マスクらが左翼リベラルの言論抑圧に反発強める。秋にマスクがTwitter買収。
 colabo対「暇空茜」の戦いが始まる。
 冬、高市早苗経済安保相が、防衛費財源めぐって岸田首相に「反乱」

2023年 
 7月、最高裁が経産省の性自認にもとづくトイレ使用の拒否を「違法」と判決。
 10月、保守系候補の選挙を妨害した神奈川新聞の石橋学記者に無罪判決(東京高裁控訴審)。
 10月、LGBT法や移民推進に反発して日本保守党発足。
 12月、共産党や左翼の妨害でKADOKAWA『あの子もトランスジェンダーになった』刊行中止。

2024年 斎藤元彦知事のパワハラ問題始まる。斎藤知事は失職ののち11月に再選。
 蓮舫が都知事選に落選も、翌年参院選で復活。
 松本人志、週刊誌報道で活動休止。
 ポリコレの行き過ぎに批判高まる。トランプ再選。

2025年 チャーリー・カーク暗殺。
 参院選で「外国人問題」を争点にした参政党が躍進。高市首相誕生。公明党が与党連立離脱。
 BSフジ、反町理キャスター、パワハラ・セクハラ問題で降板・退社。

2026年 1月、朝日新聞・今野忍記者が退社。「もっと早く辞めたかった」
 2月、高市政権、総選挙で勝利。以後、高支持率を維持
 7月13日、元朝日の峯岸氏、「(高橋純子編集委員に対し)同じ編集委員として名を連ねているのが耐えられませんでした」とXで発言。


私の古巣であるマスコミ界からも、期待していたような人材がどんどん追放されるか、あるいは逃げていきました。

いま残っているのは、左翼か、左翼に文句が言えない臆病者だけです。

評価はさまざまでしょうが、森永卓郎さんとか、モーリー・ロバートソンさんなど、既成メディアと距離を置く人たちが亡くなったのも、痛かったです。


なぜ、このような時代がわれわれを襲ったのか。

それを考えるためには、まず政治権力を、「国家権力」と「社会権力」に分ける必要があります。


国家権力は、法律にもとづき、人々の行動を規制します。その法律をつくる国会は、選挙で選ばれた人たちから形成されます。

社会権力は、内規や、非公式な世論によって、人々の行動を規制します。その行使者たちは選挙で選ばれず、その意味で非公式な強制力です。


この10年間は、マスコミや学界、あるいはNGOやNPOなどの「社会権力」が猛威を振るった期間でした。

国家権力の抑制には選挙があり、また法律上のさまざまな申し立て手段がありますが、社会権力には、そうしたブレーキがありません。だから、暴走を止められませんでした。


その発生や、メカニズムは、心ある学者やジャーナリストに、解明してほしい。

その始まりのころ、マスコミの内部にいた私から、指摘したい点はいくつかあります。


2014、2015年あたりというのは、既成マスコミ、いわゆるオールドメディアが、世論への影響力をいよいよ失いつつある時期でした。

世論を操作できる力こそ、彼らの権力の源泉です。


「朝・毎・読」なんて言葉は死語になりつつあり、若い人は何の権威も感じないかもしれませんが、たぶん多くの人が思う以上に、日本の権力構造に深く根付いています。

それらは、戦前・戦後を貫いて、150年近い歴史があり、戦後民主主義よりも、もちろん自民党なんかよりも、長い歴史を誇ります。

その間に、財閥や、銀行・商社などとも強く結びついています。(だから潰れそうで潰れない)

選挙で選ばれる政治家よりも、強い面があるんですね。


その社会権力の担い手たちが、二つの脅威に直面していました。

ネットと、安倍晋三です。


それについても、これまでこのnoteでいろいろ書いてきたので、簡単に記しますが、いずれもオールドメディアが制御できず、彼らは、歴史の上でも経験したことのないような危機感を覚えていました。

2014年の「慰安婦」誤報などでの朝日新聞社長辞任は、既成マスコミには非常な恥辱であり、権威の失墜でした。


同時に安倍さんは、「NHK番組介入事件」の捏造で朝日新聞に恨みがありましたし、自身が関連した国家戦略ワーキングチームの原英史氏を名誉毀損した毎日新聞にも批判を強めていました。

そして、百田尚樹のような「ネトウヨ」たちと仲良くし、ネットの力で、既成メディアの影響圏から脱しようとしていました。ナベツネのような業界のドンからも、許せない「若造」でした。


既成メディアがいくら叩いても人気を保つ安倍氏を、何とか「処理」しなければならなかったのです。

そうしたマスコミ内部の都合と、「改憲勢力」の伸長におびえていた政界や学界の左翼勢力との利害が、この時期、一致したんだろうと思います。


それは日本の事情で、「多様性時代」は世界的な現象でしたから、他の要素もいろいろあったんだろうと思います。

全体像は、私にもまだ見えていません。

いずれにせよ、正式な歴史には残らないでしょうから、いろいろな形で、せいぜい書き残しておきたいと思います。


それに、本当に悪夢は終わったのか、まだわかりませんからね。



<参考>


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