経営者が振り返るべきは、やったことではなく、やらなかったことです
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予定は埋まっていたのに、何も進んでいない週があります
週の終わりにカレンダーを見返すと、予定でびっしり埋まっていることがあります。
面談、打ち合わせ、移動、確認の連絡。どれもやるべきことでした。
それなのに、月の初めに「今月はこれを進める」と決めていたものが、1行も動いていない。こういう週が、経営者にはあります。
私にもあります。そして、こうなった週ほど、振り返りをすると気分が良くなってしまいます。やったことを並べると、それなりの量になるからです。
「やったこと」は、安心するために数えています
やったことを振り返るのは、悪いことではありません。ただ、判断の材料にはなりません。
理由はシンプルです。やったことは、すでに終わっているからです。終わったものを並べても、次に何を変えるかは出てきません。
さらに、やったことのリストは必ず埋まります。1日の中で何もしていない日はありませんから、書けば書くほど「今週も頑張った」という結論になります。
これでは、来週も同じ週になります。
やらなかったことには、理由が残っています
一方で、やらなかったことには理由がついています。ここに情報があります。
私がクライアントと一緒に整理するとき、やらなかったことは、だいたい3つに分かれます。
1つ目は、時間がなかったものです。ただ、これは正確ではありません。時間がなかったのではなく、他のことを先にやると判断していただけです。つまり、本人が思っているより優先順位が低かったということです。
2つ目は、決められなかったものです。着手できない理由は、時間ではなく判断材料の不足です。この場合、何が分かれば決められるのかを1行で書いておくと、次に進みます。
3つ目は、人に渡せなかったものです。渡す相手がいないのか、渡し方が決まっていないのか。ここは分けて考えます。相手がいない場合は採用や外注の話になりますし、渡し方の問題なら手順を書けば済みます。
同じ「できなかった」でも、打ち手はまったく違います。やったことを数えているうちは、この違いが見えません。
書くのは3行で足ります
やらなかったことを毎日書き出す必要はありません。続きませんし、日単位では大した差が出ません。
週に1回で十分です。金曜の夕方でも、日曜の朝でも構いません。
書くのは3行です。今週やると決めていたのに手をつけなかったものを、3つだけ書きます。そして、それぞれの横に「時間」「判断」「人」のどれかを書きます。
これだけです。5分かかりません。
ポイントは、原因を分析しないことです。分析を始めると、その場で解決策を考えたくなって、結局書くのが面倒になります。分類までで止めておくほうが続きます。
3週続けて同じ行が残ったら、それは予定ではありません
この記録の価値は、続けたときに出ます。
3週続けて同じ項目が残っていたら、それはもう予定ではありません。宙に浮いた状態です。
宙に浮いたものは、頭の中で場所を取り続けます。着手していないのに、思い出すたびに少しずつ気力を削っていきます。これが一番もったいない状態です。
やることは2つのうちどちらかです。日付を入れて予定にするか、やらないと決めるかです。
決めきれないなら、それは3つの分類でいう「判断」に当たります。何が分かれば決められるのかを、1行書き足します。
やらないと決めたものは、消さずに残します
やらないと決めたとき、リストから消してしまう方が多いです。私は残すことを勧めています。
「やらない」と書いて残しておくと、半年後に見返したときに、自分がどういうものを切ってきたのかが分かります。
新しい取り組みばかり切っているのか、人に関わることばかり後回しにしているのか。並べてみると、判断の癖がはっきり出ます。
この癖は、自分では気づきません。周りのスタッフのほうが先に気づいていることも多いです。記録があると、そこを自分で確認できます。
やったことの記録は、外に見せるためのものです。やらなかったことの記録は、自分の判断を点検するためのものです。経営者に必要なのは、後者のほうだと思っています。
まとめ
・予定が埋まっている週ほど、決めていたことが進んでいないことがあります
・やったことの振り返りは安心につながりますが、次の判断材料にはなりません
・やらなかったことには理由が残っているので、そこに情報があります
・やらなかった理由は「時間」「判断」「人」の3つに分かれます
・同じできなかったでも、この3つで打ち手はまったく違います
・書くのは週1回、3行で足ります。分類までで止めるほうが続きます
・3週続けて残った項目は、日付を入れるか、やらないと決めるかのどちらかです
・宙に浮いたままの項目が、一番コストの高い状態です
・やらないと決めたものは消さずに残すと、自分の判断の癖が見えてきます
このあたりのテーマは、コンサルの現場で扱っている内容そのものです。
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