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【書評】文章は、もっと自由でいい。(いい音がする文章:高橋久美子)

ねえねえ、知ってました?いい文章からはいい音がするんですって。

今回、ご紹介する本は
『いい音がする文章 あなたの感性が爆発する書き方』高橋久美子(ダイヤモンド社)
です。


この本どんな本?

チャットモンチー。
それが何かを知らなくても、その楽しい響きの言葉自体は聞いたことがある人も多いはず。
この本は、3人組ロックバンド「チャットモンチー」のドラム兼作詞担当だった高橋久美子さんが書かれた本です。
高橋さんは2011年、チャットモンチーを脱退(バンドは2018年解散)。その後詩、エッセイ、小説、絵本の執筆などの創作活動を生業とされています。そんな彼女の「音楽と文章」についての捉え方、考え方が詰まった本です。

なぜこの本を読もうと思った?

私はX(旧Twitter)をやっています。Xには「おすすめ」という、私に興味のありそうな事柄のポスト(=投稿)を表示してくれる機能がありますが、そこでよくお見掛けしたのがきっかけでした。
出てくるポストのあっちでもこっちでも読んでよかった!という感想だったので、実際に読んでみようと思ったのです。

正直な感想

まず、チャットモンチーを知ろう!

チャットモンチーが流行っていたのは私の青春時代と重なります。2010年前後ですかね?ただね、ごめん。そのとき私は部活の吹奏楽に入り浸って流行りには疎かったし、高校時代、邦楽はBUMP OF CHIKCENぐらいしか聞いていなかったんです。ファンの方にはなんてもったいない!と言われそう。しかし嘆いても過去には戻れないので、この機会に聞いてみました。

ああ、これはチャットでモンチーだわ。という、わけのわからん感想が浮かびました。かわいいけど、かっこいいですね。けだるさも爽快さもあって、なんかいい。
たぶん、チャットモンチー時代からの高橋さんのファンからすれば垂涎ものの文章なんですよ、この本。私だってBUMP OF CHICKENの藤原基央さんが本を書いたってなったら絶対飛びつくもん。

さまざまな切り口がセッションのように重なっていく

さて、チャットモンチーのお話はこれくらいにして、本の感想に入りましょう。この本では文章にはリズムがある、いい文章はいい音がするということをテーマに様々な切り口で書かれています。
この切り口が、すごい。まず、あなたの周りに「チャットモンチーのドラム担当」っていますか?いや、いるわけないです。もうこのポジションが、強烈すぎ。
しかし、この本のすごいところは、それに頼り切っていないところです。複数の切り口があること。そして、その切り口のどれかは、必ず誰かと共感できるものになっているんです。
国語教科書の朗読や、有名な詩を引用してみたり。吹奏楽少女だったころの経験とバンドマンとしての経験を比較してみたり。ビジネス文章であるメールを題材にしてみたと思えば、絵本のリズムについて語ってみたり。
前述のとおり、私も吹奏楽少女だったので、高橋さんの吹奏楽時代のエピソードはとても共感しました。
吹奏楽をやっていなくてもバンドをやっていた人は多いでしょうし、国語の教科書の朗読の宿題を出されたことがない人は、たぶん少ないでしょう。こういった、著者独自の視線なんだけどみんなが共感できる切り口で語られているのが、本を読ませるうえで本当に上手だな、と思いました。

整いすぎていないから伝わる熱量

もうひとつおもしろいな、と思ったところは、この本は高橋さんのエッセイであり、文字と音についての学術本であり、いい音のする文章を書く方法論の本であることです。それが、あまり体系化されずに書かれています。もちろんこの章はこの話、その章はその話、という大きな枠組みはありますが、その中でもエッセイや学術本を行ったり来たりしているイメージでした。
なんというか、講演会で話を聴いている感覚に近いですね。こういうの、ドライブ感というんでしょうか?バンドだとセッションで噛み合った瞬間とか、吹奏楽だとばしっと決めたい一音がみんなで決まったときとか。そういうときに生み出される熱量みたいなもの。それが本から伝わってくるんです。
整いすぎていないことから感じるこの熱量は、ひょっとしたら意図的なんじゃないか、と。もしそうだとしたら、構成と編集の力がかなり発揮された本だな、と思いました。

まとめ

私、この本を読んで、今までの書評はちょっと形式にこだわりすぎたな、と反省したのです。もっと自由でいいじゃん。ここはそういう場所だろう。そう思ったのです。なので、今回だいぶ砕けた書評に仕上げました。
あ、そうそう、もうひとつ言いたい。この本、紙媒体で側面から見てください。鮮やかで楽しい気持ちになります。これは、実際手に取った人のお楽しみ。

ここまで書評を読んだあなたは、こう思っていることでしょう。
結局、文章から音がするってどういうことだよ!?
その感想で正しいです。なぜなら、私は今回、あえて本論にまったく触れずに感想を書きましたから。
内容が気になったあなた、ぜひこの本を読んで、そして、あなたの音がする文章を書いてみてください。

以前、こんなエッセイを書いていました。
なんか反応いいな、と思っていたのですが、読み手の皆さんがこの本に影響されていたのかもしれません。(読んでもらえばわかりますが、けして狙ったわけでもないです。このとき私まだこの本読んでませんし。念のため。)

週1書評のまとめはこちら。

ポートフォリオはこちら。

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