noteを始めて6ヶ月 継続するわけ「ドナルド・キーンの示唆と空海と」 ~野毛の里日記 '26-⑧~

昨年2025年9月に note「野毛の里日記」を始めて6ヶ月が経過した。(途中指を痛めて2ヶ月の中断あり)
何事も慣れ過ぎ(惰性)を回避したい自分としては、ここで継続する理由を改めて考えてみたい。

ドナルド・キーンさん(1922-2019)のサジェスチョン

昨年12月、友人Kさんと世田谷文学館へ「ドナルド・キーン展」に行った。
キーンさんの展覧会に行くのは、3年少し前に神奈川近代文学館で行われた生誕100年特別展から二度目で、更に言えば10年位前 椿山荘で開催された ご本人最後の講演会で直接お目にかかっている。車椅子で登壇されたキーンさんは終始穏やかで親しみやすく、それでも明晰な頭脳と暖かい心の持ち主であることが十分に伝わってきた。
この最晩年のお姿を直接拝見できたことは自分にとって貴重な宝物で、その時ご一緒した友人Oさんは今でも"あのチャンスに巡り会えたのは幸せ"と話す。

昨年末の展覧会では、晩年のキーンさんが買い物かごを下げて食材の買い出しに行く等身大パネルや、料理を作って(かなり本格的?)楽しんだり、愛犬の黄犬(キーン)クンと戯れる日常も展示されていた。
しかし全体を通して通奏低音のように響いているのは圧倒的な知識と日本文学への深い洞察~知の巨人としてのキーン氏であった。
と同時に、人との交流を大切にし筆まめで誰にでも誠実で正直な人物像が伝わってくる。

そのキーンさんが最晩年に唯一後悔しているのが…
"日記を書いてこなかったこと"
卓抜した頭脳の持ち主は記憶力には絶対の自信を持っていて、一度でも見たこと聞いたことは脳に刻まれ忘れない。だから書いてこなかった。でも晩年になって…と、ご本人が素直に吐露している。

氏の言う日記とはおそらく、浅学の勝手な想像ではあるが、出会ったことの日誌ではなく心の記録のことではないかしらん?
日本文学研究者としての活動の一方、能・狂言(実際狂言をなさっていた)、オペラなどを愛し、三島由紀夫はじめ同時代の多くの文学者らと交流し、多くのことに触れ合い影響しながら生きてきた自身のその時々の心の動き。
何を観たか聴いたかは覚えていても、なにをどのように感じたかその時々の自分を思い出せない!だから日記、これが唯一の後悔!!

学んだゾー!
ドナルド・キーンのサジェスチョンなら、これに従うしかない。
学ぶことは実行すること。
理由は要らない。

頭を空っぽにするために

能を観たり素晴らしい音楽や芸術と出うと、脳内で一種の化学反応が起きる。新たな物質が生成されて渦巻いている感じだ。
似たようなことは自然に触れたり、日常のふとした瞬間にヒントを得たりしても起こる。
その結果、言葉が産まれる。
それが「日記」になる。日記は同時に出合ったことの追体験でもあり、より深くそのテーマを味わうことでもある。

ただ、いつまでもそこに居てはいけない。
小さな頭で作られたものをそのまま閉じ込めておけば能内空間は占領され、どんどん重くなる。外に出さなければ!
人間の体は常に循環させていないと、腐敗し死んでしまう。美味しい料理をいただいたら消化器官が働いて最後は外に出す。血液は循環して常に新しいし、水分は放出される。
脳内で思考したことも同じだ。形にしたら抱えておかないでさっさと出す。一度空っぽにしなければ次が入ってくる余地がないし、新たな思考も始まらない。

紡ぎ終えた言の葉は、さらっと川に流して頭を空にする。その言の葉を釣り上げる人がいるかも知れないし、いないかも知れない。
最早どうでもいいことだ。自分の体から離れたものなのだ。所有物ではない。

これがnoteの一番いいところ。同じものを例えば自分のノートに書いたり、PCで作って保存したりしたらどうだろう。
何時までたっても自分の作品だ。著作権は我にあり。離れていかない。
書いて放すではなく、書いて執っておく。
循環してない。これは腐敗する。

noteは二度美味しくて、かつ潔いのだ。

デイリーに詣でている神社に続く寺に、石造りの大きなカエルがいる。横には「虚往實帰(むなしくゆいてみちてカエル)」の文字。
空海の言葉だ。
カエルの背には十匹の小さなカエルが乗って列をなして歩いている。
頭を空にして留学し、日本に帰った空海の姿そのものにみえる。

詰め込み過ぎた頭には何も入ってこない。
さっさと捨て去れ!感動さえもだ!!

だからnoteを継続することにした

が、書きたいことは日々発生してくるし、執筆に費やせる時間は限られている。
元々どんどん書きたいタイプで、書き始めると止まらない。

ここで世阿弥の言葉が出てきた。
「少な少なに」~説得力あるなあ!

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~追加~

今年に入って止めたことがある。テレビだ。
限りある1日の過ごし方からは遂に脱落してしまった📺️❇️

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