日本の建物維持管理の知見を世界へ。マレーシア政府への研修会を開催
こんにちは、経営戦略室の大木です。
2026年8月12日、ジャスト横浜本社にマレーシア政府関係者ら20名をお迎えし、建物維持管理に関する講義と意見交換を行いました。今回はその様子をご紹介します。
開催の背景
まずは、ジャストがマレーシア政府関係者と意見交換をするに至った経緯からご説明します。ジャストは、タイやベトナム、バングラデシュなど、海外でも検査・調査業務を行っています。いずれのプロジェクトも、日本のお客様からのご要望に応じて実施していますが、ジャスト自ら現地のニーズを発掘して、海外進出を図るべく、2年前にメキシコで市場調査も行いました。
ジャストの経営戦略室では、非連続的な成長を目指して、海外展開も検討しています。検討を進めていく中で、マレーシアの知人からお声がけいただき、マレーシア政府職員が来社して、ジャストで研修を行うことになりました。
今回の訪問は、マレーシア政府による研修プログラム「Japan Company Attachment Programme (JCAP 2026)」の一環として実施され、2026年8月12日に、同国政府関係者ら20名を横浜本社にお迎えし、日本における建築構造物の維持管理や安全確保に関する知見共有と意見交換を行いました。

ジャストからの講義
研修の企画にあたっては、調査診断事業部や建設コンサルタント事業部の社員の皆様にご協力いただき、部門横断で取り組みました。当日の様子を以下でご紹介したいと思います。
「構造物の総合病院」
来社したのは、マレーシア教育省、保健省、農業食糧安全保障省、女性・家族・地域社会開発省、首相府およびトゥン・アブドゥル・ラザク大学等の関係者20名です。
会合の冒頭、角田社長から歓迎のメッセージとジャストの概要について説明しました。
"General Hospital for Structures." If your building is sick , come to JUST!
「私たちは構造物の総合病院になることを目指している。建物が病気になったら、いつでもジャストに来てください。」
とお話しした際、会場内からは「お~なるほど!」という声が上がりました。

日本が直面する「老朽化」という課題
続いて、建設コンサルタント事業部の森田さんから「Why Maintenance Is Critical Now」と題して、日本の現状や予防保全の考え方について説明しました。日本では、高度経済成長期に整備された多くの建築物や社会インフラが、今まさに更新や維持管理の時代を迎えています。学校や病院、公共施設など、人々の暮らしを支える構造物を安全に維持していくことは、日本にとって重要な社会課題の一つですが、将来的にマレーシアにおいても直面する課題でもあります。

学校や病院における維持管理
参加者の多くが、教育省・保健省の職員であったため、調査診断事業部の徳竹さんから「Maintenance Management for Hospitals and Schools in Japan」と題して、日本における学校や病院の建物の維持管理の仕組みについて説明しました。施設のコンクリートの調査により、構造物の劣化状況を把握した上で、建物の残存耐用年数を評価し、改修・建替えや予算計画の意思決定に活用する考え方を示しました。

これに続く質疑応答のセッションでは、予想以上に多くの参加者から質問をいただきました。また、マレーシアにおける学校や病院の維持管理における課題や政府内の意思決定の仕組みの違い等についてもコメントがありました。
デモンストレーション
調査診断事業部の矢野さんと徳竹さんから、コンクリート内部探査について説明しました。電磁波レーダ法や放射線透過法、電磁誘導法について説明した後、電磁波レーダを使った非破壊検査技術のデモンストレーションを行いました。参加者は熱心に説明を聞き、質問もしていました。

マレーシアにおける建物の維持管理
講義セッションとデモンストレーションの後、「マレーシアの学校・病院等における建物の維持管理の現状」を踏まえて、「今後、何をすべきか?」について、ディスカッションを実施しました。参加者からは、現状の課題についての説明があり、今後、日本との人材交流を通じて、マレーシアにおける建物の維持管理に関わる人材を育成していきたいとのコメントもありました。
今後の展開
今回の交流は、日本の知見を海外へ発信するだけでなく、私たちにとっても、海外における建物の課題を学ぶ貴重な機会となりました。建物の老朽化に伴って直面する課題は各国共通であること、また世界全体でストック型社会に移行することの重要性を再認識しました。
ジャストは構造物の安全確保とストック型社会への貢献を使命として、事業活動を行っていますが、これからも「構造物の総合病院」として、日本そして世界の安心・安全な社会基盤づくりへの貢献を目指してまいります。

経営戦略室 大木
