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英語って、どこの国の言葉?–今どきの子どもたちの答えは・・・

英語を学び始めた中学生に、この間、
「英語って、もともとはどこの国の言葉かな?」
と聞いたら、
「アメリカ……?」
と、自信なさげに答えてくれました。
これ、今の小中学生には、「あるある」なのです。

Englishというけれど、日本語では「英語」っていうけれど、
「なんでEnglishなんだろう?」
「『英』って何?」
なんて、あまり考えずに来ているんですよね。

それだけ英語が、当たり前の存在になっているのかもしれません。
それに、世界中の人が英語で話すから英語を勉強しなきゃいけない、と思っているとしたら、
「英語って、どこの国の言葉?」
という質問自体が、もう愚問なのかもしれません。

英語は、どこで生まれた? 


答えは、ざっくり言えばイギリス。
より正確に言えば、現在のイングランドを中心とするブリテン島の一部で、5世紀半ばごろから使われ始めた言葉です。
じゃあ、イギリスってどこ?
となると、これも「???」な子がいます。
そこで、世界地図を画面で共有しながらお話しします。
「じゃあ、なんでアメリカ人は英語を話すの?」
「なんでフィリピンに語学留学する人がいるの?」
って。
たぶん、どんどん疑問が浮かんでくることでしょう。
この「あれ?どうして?」は、とても大切。
インターネットで調べものをすることも簡単になった今、子どもたちには、ぜひ自分で調べてほしいと思っています。
もちろん、図書館で探すのも大賛成。
紙の本をめくりながら、苦労して調べたほうが、記憶に残ることもありますからね。

「なんでこんなスペル?」から知る英語の歴史


そして、もうひとつ。
英単語には、「なんでこんなスペルなの?」と思うような、珍妙なスペルがいっぱいあるということ。
「これ、なんでだと思う?」
英語が生まれたブリテン島では、長い歴史の中で、北欧の人々やフランス語を話すノルマン人など、さまざまな人々との接触がありました。
そのため英語には、北欧語、フランス語、ラテン語など、さまざまな言語からたくさんの語彙が入ってきました。さらに、その後のイギリスの海外進出によって、アメリカやアジアなどの言語からも影響を受けています。
つまり、英単語はイギリスの歴史の宝庫でもあるんです。

発音は変わったのに、スペルはそのまま?


問題は、その長い歴史の中で、英単語のスペルがだんだん複雑になっていったこと。
さらに、英語では時代とともに発音が大きく変化した一方で、印刷技術の普及によって綴りが標準化されていきました。
特に、15~18世紀ごろに起こった「大母音推移(Great Vowel Shift)」と呼ばれる発音の大きな変化は、現在の「スペルと発音が一致しない」英語の一因になっています。
つまり、
「発音は変わったのに、スペルはそのまま」
ということが起こったわけです。
そして、過去には、
「アルファベット26文字だけでは、英語の音を十分に表せない。新しい文字を作ったらいいんじゃない?」
と考えた人たちもいました。
そうした人たちは、英語の発音をより正確に表すための新しいアルファベットを考案しています。「th」というスペルにある2種類の異なる音に対して、別の文字を当てるといった試みが行われました。
……英語のスペルが難しいのも、ちょっと納得できませんか?

言葉は「生き物」 


そういえば、言葉って生き物です。
日本語でも、「食べられる」を「食べれる」と言うと、
「それ、間違っているよ」
と言われたことがあるかもしれません。
「~させていただきます」を連発すると、
「ちゃんと敬語を使いなさいよ」
と言われることもあります。
でも、「食べれる」も「~させていただきます」も、今では日常生活の中で普通に使われています。
英語も日本語も、今ある言葉や文法が、最初からこの形だったわけではありません。
長い時代のうねりの中で、少しずつ変化しながら、「今のすがた」になったのです。

英語は「生きている」 


英語は、ただ単語や文法を覚えるだけの「教科」ではなく、そこに歴史や文化、人々の交流が詰まった「生きた言葉」なんですよね。
そんなことを改めて考えさせてくれるのが、今読み返している新書、
『英語の歴史――過去から未来への物語』
寺澤盾 著・中公新書
です。

学校のテストとは直接は関係ないことが、子どもたちのモチベーションを上げることがあると思います。教える立場である大人こそ、時々こういう本を読み返してみるのも面白いですよ。


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