ケチでクソ真面目な私が、週末スーパーの箱前に立つ理由
私には、日々の生活でひそかに大切にしているルールがある。 飲み終えた牛乳パックを開いて乾かすこと。使い終えた食品トレーをきれいに水洗いし、週末にスーパーの回収ボックスへ持参することだ。
週末、ガラッとスーパーの入口のドアを開け、牛乳パックと食品トレーを別々に分けたパンパンの袋を逆さにし、バサッとボックスへ一気に投入する。 環境意識が高いと言われることもあるが、めっそうもない。私の行動原理の根底にあるのは、もっと泥臭い感情だ。私は単に「ケチ」で「クソ真面目」なだけである。
私が週末、わざわざスーパーの回収ボックスに向かう理由は大きく2つある。
1つ目は「ケチ」だからだ。 トレーをそのまま家庭ごみで捨てれば、有料のごみ袋はあっという間に膨らみ、我が家の貴重なスペースまでも占領してしまう。
2つ目は「クソ真面目」だからだ。 より良いリサイクルのために、職人のごとき手つきで丁寧に洗い、乾かす。家庭のごみに出せば混ざり物で質の低い再利用や焼却に回るが、スーパーで集められたトレーは再び「新品の食品トレー」へと完璧に生まれ変わる(水平リサイクル)。原油から作るよりCO2排出量を大幅に抑えられるという立派なエビデンスを知ってしまった以上、クソ真面目な性格ゆえに正しく行動せずにはいられないのだ。
そして、この行動をさらに突き動かす、もうひとつの理由がある。
スーパーの店内に入れば鮮魚や青果に光が当てられているが、防犯も兼ねた入口自体は、入ってくる人間そのものへスポットライトが注がれるよう設計されている。つまり、そこは最初から人が主役になるよう用意された最高の舞台なのだ。
大型店舗なら、不特定多数の大勢の視線を一身に浴びる大劇場になり、近所のスーパーならご近所さんからの目線を一変させる地域密着の舞台になる。しかも、このピンスポットライトの下で堂々とトレーを投入する同世代の男性など、滅多に見かけない。だからこそ、「あの人は家庭のこともちゃんとやっている素敵な人だ」という視線までも独り占めできるのだ。その日の気分で舞台を選べばいい。
「同世代が素通りする中、俺は今、地球のために良いことをしている」 この注視されている(気がする)空間での持続可能な活動、SDGs活動、環境保護活動こそが、ケチな自分の行動を完璧に正当化し、密やかな優越感を与えてくれるのだ。
その日の夜、TVで世界のスーパースターである大谷翔平選手が多額の寄付を実施したニュースを見ても、私は「へぇー、大谷もなかなかやるね」と静かに頷く。規模こそ違えど、資源を完璧に循環させ、子どもたちのためにより良い世界を作る社会貢献事業として、自分と同等だと自負しているからだ。
大層な環境保全なんて言えない。 けれど、ケチとクソ真面目さと、舞台の上で味わう小さなドヤ顔が集まって、今日も回収箱は真っ白に満たされている。
みなさんも週末、あの最高の舞台で、密やかな優越感を味わう環境保全活動を始めてみませんか?
少し誇らしげな気分で買い物の自動ドアをくぐりながら、今週も思う。 この地味でスッキリする日常の積み重ねこそが、案外わるくない未来へと繋がっているのだと。
#未来のためにできること
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