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幻の大阪・関西万博

万博って、何年もの歳月をかけて多くの人が関わって準備をして、どうしてあんなに会期が短いのだろう。

万博ってどうなんだろうね

開幕前、さまざまな情報が飛び交い、ワクワクして待っていたというよりも、斜めから見ていた節はある。
でも、自分が生きている間に何度もない日本での万博、それも大阪だから、一度は行ってみたいと密かに思っていた。
夫も同じように思っていたみたい。

「万博、どうなんだろうね。行ってみたいね。」

開幕のニュースを見ながらそんな話をした4月。
ちょうど、初めて母子手帳をもらった頃だったから、いつなら行けるかなとふんわり算段した。

妊娠中の旅行って大丈夫?

インターネットでそんな記事をたくさん読んだ。インスタで海外マタ旅を華やかに公開している人を見ると、フォローを外してしまった。先に子どもを持った友人達の妊娠中の旅行エピソードもいくつか聞いていた。

高齢出産だし初産婦だし、無理をするつもりはなかった。

「安定期」

妊娠にそんなものは無いと頭では分かっていたけど、家族以外の近しい人への妊娠報告や安産祈願、初めて迎える週数と体調の変化(つわりが軽くなっていた)に浮き足立って、いわゆる安定期と言われる週数を一つの目安にしていたのも事実だった。
妊婦優先レーンがあり、一般レーンほど待つ必要がないというマタニティ万博先輩の経験記事もしっかりチェックし、また一歩、心が近づいていた。

病院に相談だ

健診で主治医に「安定期と言われる時期に入ったと思うんですけど…旅行って、かまわないでしょうか」と尋ねたが、いつも通り差し障りのない返事。
「感染症に気をつけて、人混みは避けた方がいいですね。」
求めている答えじゃない。私の身体の状態を見てアドバイスしてほしかった。

助産師さんとの面談で改めて聞いてみる。
出産前に夫と二人だけで過ごせる貴重な時間であること、一生のうちに今しかない万博に行ってみたいこと、無理はしないで体調をよく見ること。いざというときのために、近くの病院を調べておくこと、も言わなかったけどネットで学んだ。
良いです…よね?

「私たち医療チームで、妊娠中の旅行を勧める人は一人もいませんよ。何ごともなく帰って来れる人もいます。気持ちもよくわかるけど、万が一何かあった時、後悔するのはお母さんです。どんなに二人の子どもだって言っても、一番辛い思いをするのはお母さんなので。」

年下の少しギャルっぽい、マタ旅行ってそうな助産師さんに、本気でまともなことを言われてしまった。

それが結構刺さって、旅行どころか遠出をする気持ちすらシュルシュルと萎えてしまった。

夫にも助産師の言葉、私が無理を押しても行く気持ちはもてないことを伝えると理解してくれた。
万博への憧れは胸にしまった。

まだあった?万博チャンス

そうして、月日が過ぎ、想定外にこの世から私たちの子どもがいなくなってしまったとき、自分への慰めに、夫婦二人で過ごすこれからの時間のことをたくさん考えた。
あそこに行きたいこれがしたい、あれも食べたいこれも飲みたい。
そこでまた沸々と顔を出してきた、万博。
産後の心身ボロボロの中で、
ギリ行けるか…行けないか…
何度も考えたけど、少し歩くと息切れし、すぐに背もたれやベッドを求める私には、一般レーンも炎天下も到底ムリだった。
また胸に閉じ込めた。

閉幕

昨日、万博が閉幕した。
ニュースやネットで見るたくさんの人の笑顔。
混雑ぶりもひときわすごい。
どうあがいても私にはムリだったから、後悔はない。
でも惜しい気持ちはある。
レガシーにはいつかどこかで出会えるはず。
今は、その日を待っている。

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