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「人間の命には尊厳がある」と言えるのはなぜ?本当の幸せの見つけ方

みなさん、こんにちは!

「人間の命は地球より重い」とか「人間の命には生まれながらに尊厳がある」という言葉を、みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか ?

でも、もし誰かに「じゃあ、なんで地球より重いの?」と聞かれたら、パッと明確に答えられるでしょうか ?

現実を見渡してみると、自分の命に価値を見出せずに自ら命を絶ってしまう人がいたり、戦争や事件で命がとても軽く扱われてしまったりしています 。口では「命は尊い」と言いながら、実際には軽く扱ってしまう・扱われてしまう悲しい現状があるのも事実です 。

「自分の生きている意味って何なんだろう?」「毎日会社と家を往復して、食べて寝るだけで人生終わっちゃうのかな……」

そんな風に悩んでいるあなたへ、今回は約2600年前のブッダ(お釈迦様)の教えや哲学の視点から、「なぜ人間の命には価値があると言えるのか?」というテーマを分かりやすく解説していきます 。


1. 人間は自然界でいちばん弱くて、いちばん強い?

パスカルが言った「考える葦」の本当の意味

フランスの哲学者パスカルの著書『パンセ』に、「人間は考える葦(あし)である」という有名な言葉があります 。 「葦」というのは、風がちょっと吹いただけでポキンと折れてしまうような、とてもか弱い植物です 。

実は、人間も自然界の動物たちと比べると、驚くほど「弱っちい」存在なんです 。

  • 皮膚が弱い:他の動物は頑丈な毛皮に覆われていて、ハンティングナイフでも簡単に切れません 。豚の毛だって針金のように硬く、野山を駆け回っても傷ひとつつきません 。いっぽう人間は、ちょっとした木の枝や葉っぱですぐ皮膚が切れて血が出てしまいます 。

  • 足が遅い:オオカミは時速50kmで走ります 。人類最速のウサイン・ボルト選手でも勝ち目はありません 。

  • 筋力がない:チンパンジーの握力は約300kgと言われています(成人男性の平均は約45kg) 。どんな格闘家でも腕力では敵いません 。

このように体ひとつでは最弱レベルの人間ですが、なぜか動物界の頂点に立ち、「万物の霊長」として君臨しています 。 その理由はたったひとつ、大脳を発達させて「考える力」を持ったからです 。

2. 私たちが「考える力」を使って何をしているのか

日々頭を悩ませていることは、すべて「手段」にすぎない?

では、私たちはその特別な「考える力」を、普段なにに使っているでしょうか ?

  • 「老後のために、つみたてNISAや投資先をどうしよう?」と本やネットで調べる

  • 「会議で主導権を握るために、どんなデータを準備しよう?」と作戦を練る

  • 「デートで彼女に喜んでもらうため、評価の高いお店を探そう」とリサーチする

どれも私たちが日々リアルに頭を悩ませていることですよね 。 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、この行動の本質について次のようにズバリ見抜きました 。

「私たちが日夜頭を悩ませて考えていることは、すべて目的を満たすための『手段』である」

資産運用を考えるのは「将来いい暮らしがしたいから」、会議の準備をするのは「会社で上の立場になりたいから」、デートのお店を探すのは「相手に気に入られたいから」です 。 つまり、達成したい「目的」があり、考える力はそのための「手段」として使われているのです 。

私たちを動かしている「5つの欲望(五欲)」

では、私たちが目的にしているものの正体とは何でしょうか ? 仏教では、人間を動かしているものを「五欲(ごよく)」と教えています 。

  • 食欲:美味しいものが食べたい、飲みたい

  • 財欲:おカネや資産が欲しい

  • 色欲:異性に好かれたい、パートナーが欲しい

  • 名誉欲:人に認められたい、人の上に立ちたい

  • 睡眠欲:寝ていたい、楽がしたい


【五欲とは】


私たちが計画を立てたり、我慢したり、反省して技術を磨いたりする「理性」や「知恵」は、すべてこの五欲を満たすための道具として使われています 。

「恋は目から始まる」という言葉がありますが、素敵な人を見て「ビビッ!」と一撃を受け、「あの人と一緒になりたい!」という衝動(目的)が先にあり、その後に「どうやってメールしよう?」「どんな準備をしよう?」と遅ればせながら理性が回転し始める(手段)のも同じ仕組みです 。

スポーツ選手が記録に挑戦するのも、科学者たちが歴史的な発見を競い合うのも、この五欲が大きな原動力になっています 。

3. 「食べて、寝て、起きて」の繰り返しで終わっていませんか?

一休さんが詠んだ切ない歌と「酔生夢死」

ここで一歩立ち止まって考えてみてください 。 もし「考える力」を五欲を満たす手段にしか使っていないのだとしたら、人間の生き方って他の動物と何か違いがあるでしょうか ?

とんちで有名な一休禅師(一休さん)は、人間の生涯をこんな歌で表現しました 。

「人生は 喰て寝て起きて 糞(くそ)たれて 子は親となる 子は親となる」

(一休)

食べて(食欲・財欲)、寝て(睡眠欲)、排泄して、結婚して子どもを産んで(色欲・名誉欲)、その子どもがまた親になっていく…… 。 人間の一生なんて、結局これの繰り返しじゃないかという訳です 。

生物学的に見ても、すべての動物は遺伝子を次世代に残すために動かされています 。 ご飯を食べるためにつらい思いをして働き、おカネを得てもまた人間関係に悩み、「なんでこんな思いをしてまで生きて、食べて、寝てを繰り返さなきゃいけないんだろう?」と虚しくなることはありませんか ?

仏教では、このように欲望のお酒に酔っぱらったままフラフラと生き、本当の幸せが分からないまま人生を終えてしまうことを「酔生夢死(すいせいむし)」と呼びます 。 ただ欲望を満たすためだけに「考える力」を使っているなら、犬や猫などの動物と本質的には変わりありません 。

4. ブッダが教えてくれる「本当の生きる目的」

「本当の幸福」を見つめ直す

「じゃあ、なんのために人間に生まれてきたの?」 まさにこの問題意識から生まれたのが「哲学」であり、「仏教」です 。

約2600年前のインドで、後のブッダとなるゴータマ・シッタルタ太子はこう考えました 。

「五欲を満たすためだけに生きて、人は本当に幸せになれるのだろうか?」 「それが人間の価値だとしたら、人間の命に尊厳があると言えるのだろうか?」

ブッダはこの問いの答えを求めて出家されました 。 仏教とは、「どうすれば欲望を満たせるか」というテクニックを教えるものではありません 。 「そもそも人間は何を目的に生きていけばいいのか」という、人生の本当の目的を見つめ直すための教えなのです 。


【ブッダとは】


まとめ

最後に、今回のポイントをまとめます。

  • 人間は「考える力」を持つが、その多くは欲望(五欲)を満たす「手段」として使っている

  • 単に食べて寝て欲望を満たすだけなら、他の動物の生き方と変わりない

  • 「そもそも何のために生きるのか」という本当の目的を見つめ直すことこそが、仏教や哲学の核心である

「人間の命には尊厳がある」「命は地球より重い」と言われる本当の理由は、「人間に生まれてきて本当によかった」と心底言い切れる、人生の目的を達成できる存在だからです 。

日々の仕事や生活に追われて「自分は何のために生きているんだろう」と立ち止まりたくなったときは、ぜひブッダの教えから、自分の心とじっくり向き合ってみてくださいね 。

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