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年収が高くても苦しいのはなぜ?2600年前から続く「お金の悩み」から抜け出すヒント

「毎日一生懸命働いているのに、なぜかいつもお金の不安が消えない……」

「通帳を見るたびにため息が出てしまう……」

そんなふうに悩んでしまうことはありませんか?

実は、お釈迦さまも今から2600年ほど前に「老いも若きも、男も女も、みんなお金のことで悩んでいる」とおっしゃっていたそうです。人間のお金の悩みは、大昔からずっと変わっていないのですね。

でも世の中には、いつもお金のことで頭がいっぱいになって苦しんでいる人がいる一方で、それほど悩まず心穏やかに暮らしている人もいます。

この差は一体どこにあるのでしょうか? 「お給料が少ないから苦しい」「高収入だから悩まない」とは一概に言えません。

今回は仏教の教えをもとに、「お金で苦しんでしまう人に共通する3つの特徴」と、そこから抜け出すためのヒントをわかりやすくご紹介します。


お金で苦しんでしまう人の3つの特徴

仏教の視点から見ると、お金に苦しむ人には次の3つの特徴があります。

  • 特徴1:収入の範囲で生活ができていない

  • 特徴2:「もらうこと」ばかりを考えている

  • 特徴3:稼ぐこと自体が目的になってしまっている

どれか一つでも思い当たる節がないか、一緒に見ていきましょう。

1. 収入の範囲で生活ができていない

「入るお金」と「出るお金」が見えなくなっていませんか?

当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、入ってくるお金(収入)の中で生活費をまかなうことは、生活の基本中の基本です。

例えば、月収が20万円なのに毎月25万円使っていたら、どんどん苦しくなっていくのは当然ですよね。

しかし現代は、次のような仕組みがたくさんあるため、自分がいくら使っているのかが見えにくくなっています。

  • クレジットカードのキャッシングや各種ローン

  • リボ払い(ツケ払い)

  • 毎月自動で引き落とされる月額サービス

手軽にお金を引き出せるキャッシングは、まるで「無人販売の野菜」のように簡単に手に入りますが、無人販売と違ってどれだけ借りたかが厳しく管理されており、必ず後で返さなければならない「借金」です。これを第2の収入のように錯覚してしまうと、一気に収支のバランスが崩れてしまいます。

収入が多くても少なくても「生活のコントロール」がカギ

お金に苦しまない人は、収入が低くてもその範囲でやりくりしています。 例えば、月収20万円の中から1割(2万円)をまさかの時のために貯金し、残りの18万円で暮らす習慣を続けていれば、お金で大きく頭を抱えることはありません。

逆に、昇進して年収が大きく上がったとしても、気が大きくなってブランド品や高額なマイホームのローンに回してしまえば、出ていくお金も増えるため、心にゆとりは生まれません。

さらに怖いのは、「一度上げた生活レベルを下げるのはとても苦しい」ということです。 古典『神曲』を書いたダンテも「不幸な境遇にあって、かつての幸せを思うほど悲惨なことはない」という言葉を残しています。

高級なお肉の味を覚えるといつもの食事に物足りなさを感じるように、人は一度贅沢に慣れてしまうと、給料が下がったときに生活を切り詰めるのがとても難しくなります。だからこそ、常に「入ってきたお金の範囲で暮らす」という意識が大切なのです。

2.「もらうこと」ばかりを考えている

「くれくれ」の心は自分を不幸にする

お金で苦しむ人の2つ目の特徴は、「お金をちょうだい」「力を貸して」「教えて」と、相手からもらうことばかりを考えてしまうことです。

仏教には「因果応報(いんがおうほう)」という大切な教えがあります。自分がまいた種(行動)に応じた結果が返ってくるという法則です。


【因果応報とは】


本来は、「相手に与えて、その分をいただく」というのが道理です(10与えたら10返ってくる、100与えたら100返ってくる)。

相手に何も与えようとせず、人から奪うことばかり考える姿勢は、仏教では「偸盗罪(ちゅうとうざい・不与取=与えずに取ること)」と呼ばれ、不幸を招く悪い行い(十悪の一つ)とされています。

人から「ちょうだい、ちょうだい!」とばかり言われると、誰でも嫌な気持ちになり、遠ざけたくなりますよね。

「与える人」こそが信頼され、豊かになる

お金持ちになると、夏の街灯に群がる虫のように、「何かおこぼれをもらえないか」と多くの人がすり寄ってきます。しかし、お金がなくなった途端に「金の切れ目は縁の切れ目」とばかりに潮が引くように去っていく……これが人間の持つお金の欲望(財欲)の正体です。

誰もが「もらうこと」ばかり考えている世の中だからこそ、「まず相手に何を与えられるか」を考えられる人はとても目立ち、深く信頼されます。

「儲かる」という文字は「信者(信頼される者)」とも読めるように、信頼される人のもとに自然とお金や良い話が集まってくるのです。

実際、年商数億円を稼ぐある経営者も、「もらうことばかり考えている人は、絶対に自分の大切な友人や取引先に紹介したくない」と語っています。「どうやって相手から得をしてやろうか」と考えている人は、結果として周囲から人が離れ、どんどん貧しくなってしまいます。

3. 稼ぐこと自体が目的になっている

お金の欲望は「底なしの海」のようなもの

お金が増えていく達成感や喜びは、誰にとっても大きな刺激です。

お釈迦さまは、このお金の欲(財欲)を「はちみつ」に例えられました。一口舐めるとすごく甘くて美味しいけれど、「もっともっと舐めたい」とキリがなくなってしまうからです。

また、財欲は「青い毒龍(どくりゅう)」とも例えられます。「青」とは深さを表しており、海でどこまで潜っても底が見えないように、人の欲も「これだけあれば満足」というゴールがありません。


【財欲とは】


「稼ぐこと」に追われて幸せを失った和菓子屋さんの話

ある地域に行列のできる人気の和菓子屋さんがありました。 夫婦二人で美味しいどら焼きを作り、朝から並んでくれたお客さんに売り切ったら、お昼過ぎにはシャッターを下ろしてゆっくりお茶を飲む……そんな穏やかで幸せな毎日を送っていました。

ところがある日、コンサルタントから「そんなに売れるなら店舗を増やしてもっと稼ぐべきだ」とアドバイスを受けます。 そこで借金をして店舗を拡大したところ、生活は一変してしまいました。

  • 従業員への指導がうまくいかず、ご主人はいつもイライラ

  • 毎月1000万円もの人件費と借金の返済に追われ、夜遅くまで働く日々

  • 原材料の高騰や増税、他店の食中毒ニュースなどに怯える毎日

  • プレッシャーから夫婦喧嘩が絶えなくなる

「美味しい和菓子を作ってお客さんの笑顔が見たい」と思っていた頃よりも、「もっと稼ごう」と事業を広げてからの方が、お金に縛られてずっと苦しくなってしまったのです。

まとめ:正しく、お金を「使って」幸せな人生に

お金は本来、私たちが幸せな人生を歩むために「使う道具」です。 それなのに、お金を増やすことや稼ぐこと自体が目的になってしまうと、時間も体力も心も削られ、いつの間にか「お金に使われる人生」になってしまいます。

お金で苦しまないためのポイントをおさらいしましょう。

  1. 身の丈に合った暮らしをする(入るお金の範囲で生活し、生活レベルをむやみに上げない)

  2. 「与える人」になる(もらうことばかり考えず、相手の役に立つ行動をして信頼を築く)

  3. お金に使われない(お金は道具であり、本当の幸せになるために正しく使う)

お金の欲に振り回されてしまうのは人間の本能でもありますが、日頃からこの3つを心に留めておくだけで、お金との付き合い方はぐっと心地よいものに変わっていきます。

道具であるお金に振り回されず、心豊かに使える人生を目指していきたいですね。

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