初任給で、父の日のプレゼントを買った話。
父の日が近づいてきた頃。
社会人になって、最初の給料日。
「せっかくだし、何か親に買おうかな」
そう思った時、最初に浮かんだのは父のことだった。
でも、何をあげればいいのか全然わからない。
うちの父は昔から物欲が薄い。
服も長く着るし、スマホケースもボロボロになるまで使う。
「欲しいものある?」
と聞いても、
「別にない」
で終わるタイプだ。笑
お酒もそこまで飲まないし、ブランド物にも興味がない。
父の日のプレゼントを探しながら、
「こういう人が一番難しいんだよな」
と思っていた。
そんな時、ふと実家で見た父の姿を思い出した。
iPhoneにApple Watch。
充電ケーブルにモバイルバッテリー。
毎日持ち歩く荷物の中に、なぜか充電関係のものがやたら多い。
しかもケーブルがよく絡まっている。
机の上も、いつもなんとなくごちゃごちゃしている。
本人は全然気にしていないけれど。笑

だから今年の父の日は、Apple WatchとiPhoneを一緒に充電できる充電器をプレゼントしてみた。
正直、父の日に充電器ってどうなんだろうと思った。
お酒でもネクタイでもなく、充電器。
少し地味かもしれない。
でも、
「毎日使うもののほうが父らしい気がする」
とも思った。
渡した時の反応は案の定だった。
「あー、ありがとう」
以上。笑
父らしいなと思った。

ところが数週間後に実家へ帰った時、ふと机を見ると、その充電器がちゃんと置いてあった。
Apple Watchも充電されている。
気づけば毎日使っているらしい。
「あれ、結構使ってるじゃん」
と言ったら、
「これ地味にラクなんだよな」
と一言。
なんだかその言葉が妙に嬉しかった。
高い物を贈ったわけじゃない。
特別なサプライズがあったわけでもない。
でも、
「ちゃんと使ってるよ」
その事実だけで十分だった気がする。
最近思う。
本当にいい道具って、
使うたびに感動するものじゃなくて、
気づいたら毎日の生活に溶け込んでいるものなのかもしれない。
そしてプレゼントも、案外そうなのかもしれない。
父の日って毎年何を贈るか悩むけれど、
今年は少しだけ「ちゃんと選べたな」と思えた。
初任給で買った、父の日のプレゼント。
たぶん、自分が思っていた以上に良い買い物だった。
