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松本を無計画にチャリで巡り、爆速快速で長野へ行って善光寺を参拝した話

夏の長野県を巡る旅行記、その2。

前回は夏季限定の JAL 便日本一標高の高い空港である信州まつもと空港に降り立ち、松本の定番観光スポットである松本城旧開智学校を巡る内容を扱った。

今回はその続きで、レンタサイクルで松本の市街へ繰り出すところからスタート。……といっても、ここから先は特に行き先を決めていない。事前の計画では「松本城と旧開智学校を見れば、あとはフリープラン」という、旅行としてはかなり雑な予定になっていた。

行き当たりばったりサイクリング

高原の涼しい空気を全身に浴びながら、特に目的地もなく市街をぶらぶら走っていく。

前回、中心部の小さな用水路にニジマスが泳いでいること湧き水が出ていることに驚いたが、やはり市街を流れる川も大変澄んでおり見ていて気持ちが良かった。

というわけで再び松本城にやってきて、例の赤い橋とのツーショット。日の傾き具合で雰囲気が変わっていく様子が面白い。

有料エリアは前回徒歩で巡ったので、その周囲に広がる無料エリアをチャリでゆっくりと見学した。城の裏手の方はお堀の規模もやや小さく、表側のどっしりと構えた天守との対比が面白い。木々に隠されてしまっているこちらの橋は江戸時代から現存するものらしい。

ちなみに、松本城のお堀はかつては現在よりもかなり広大なものだったらしい。明治以降に埋め立てられた場所が現在の市街地になっており、ところどころに「ここ、もともとお堀だったのでは?」と思わせるような痕跡が残っている。こちらの何気ない公園も……

かつてはお堀の一部で、近くには大きな門があったようだ。公園部分が周囲の土地より低くなっており、その高低差が歴史を物語っているようだった。

松本市街を走っていて、もう1つ強く印象に残ったのが湧き水である。前回の裏路地巡りでも湧き水を発見したが、自転車で走っていると市街のさまざまな場所に水くみ場が設置されていることに気づいた。

しかも、大きなペットボトルを何本も持ってきて水を汲んでいる地元民までいる。単なる観光名所として湧き水が存在しているのではなく、松本の街では日常生活の中に湧き水が入り込んでいるようだ。

中町通りを観光

その後は中町通りへ。観光地化された通りで、蔵造りの建物が並ぶいかにも「松本観光」という雰囲気の場所である。そしてここでも The 昭和の井戸といった風貌の井戸を発見した。レバーをよいしょと上げてから下げると、「キコ……」という小さな金属音とともに冷たい水がだばあと出てきた。なかなか気持ち良い体験だった。

この井戸が設置されているのは、中町・蔵シック館という建物。

なんと内部の見学は無料。黄色い畳に白い壁、茶色い梁……そしてかなり傾斜の激しい階段伝統的な日本家屋という感じだ。

天井を見上げると、広い空間を支える梁が複雑に交差していた。木材だけでこれだけ大きな空間を支えているというのが、改めて見ると面白い。

2階に上がってみて横から見るとこんな感じ。

もう少し近づいてみる。

……ってよく見たら、ここは2階じゃなくて 1.5 階的な空間のようだ。こういう少し不思議な構造、なぜか夢に出てくるんだよな。

畳の部屋は貸しスペースとして使われているようで、催し物などが開かれることもあるようだ。

……といった感じで中町・蔵シック館の見学を終了し、その後は中町通りを少しぶらついた。景観にかなり気を遣った通りなので写真映えしそうだったが、観光客がそれなりに多いのと抜け道的に利用している車でわちゃわちゃしていたため、結局1枚も写真を撮らずに終わってしまった

行き当たりばったりサイクリングその2

続いて、前回少しだけぶらついたカエルだらけのナワテ通りを再び訪問。

日が傾いてくるにつれて観光客の往来が減っており、こちらでは何枚か写真を撮ることができた。

で、その後は再びローカルなエリアをぶらつく。道路をまたぐ大きな看板があったと思われる、錆びて朽ちた構造物が目に入る。

すぐ横には映画館……の跡地を使った博物館。なんと元の映画館は大正時代に開館し 2008 年まで営業していたとか。博物館は入館無料だったが残念ながらすでに閉館時間となっていた。

市街をぶらついていて気になったのが、大きな時計が特徴の建物。松本市時計博物館という博物館らしく、こちらも閉館時間を過ぎていた。

今回は完全に行き当たりばったりで走っていたため、こういう「気になるものを見つけたけどもう閉まっている」ということが頻発したが、まあこれも無計画旅の醍醐味である。観光地として整備された場所だけでなく普通の市街地まで適当に自転車で走り回ったことで、松本という街のいろいろな側面を見ることができた。

ローカルなエリアについてはわざわざ自転車を止めて写真を撮ることも少なかったので、記事で紹介できるものはあまりない。しかし実際に走ってみると、街のあちこちに湧き水があったりお堀の痕跡が残っていたり古い建物が突然現れたりする。こういう発見があるのは、目的地を決めずにぶらぶらする旅の面白いところである。今回入れなかった2つの博物館は、また松本へ来る機会があれば寄ってみたいところだ。

翌日

で、翌朝。朝ラッシュ時間帯の松本駅へとやってきた。

ちょうど当駅止まりの大糸線の列車がやってきたところで、「まつもと~~、まつもと~~」とあまりにも有名な構内放送が流れていた。

ちなみにこの構内放送は放送機器の更新により現在は消滅しているらしく、図らずも聞き納めとなったようだ。

そして私が乗るのは……長野へ向かう篠ノ井線の快速列車

松本~長野は特急しなのが 55 分前後で結んでおり、1時間1本というそれなりの頻度で運行されている。しかし朝の時間帯には快速列車が1本走っており、なんと所要時間は 59 分特急より停車駅が多いのに時間は大差ないという、爆速快速だ。

爆速快速で長野へ

そんな面白い快速列車だが、ちょうど旅程的にも都合が良かったため乗ってみることにした……のだが、かなりの混雑!しかもクロスシート3両編成って、どうなっとんねん!

車内にはスーツケースを持った明らかに短距離利用ではない客が多い……とここで、駅構内で特急しなの運休のアナウンスが流れていたことを思い出す。ああそうか、本来しなのに乗るはずだった客が流れてきて大混雑になっているのか

普段はクロスシート車がくれば小躍りする中央線界隈だが、座れないとなれば地獄である。……というわけで、しぶしぶ前面展望を開始。雨粒であまりにも視界不良だが

そんな状態で列車は松本駅を出発した。しばらくすると大糸線に別れを告げ、北上していく。

単線区間が多い篠ノ井線だがさすがは特急街道と言うべきか、線形はかなり良くスピードも出すため、前面展望はなかなか面白い。

山間部の長いトンネルを抜けると、やがて単線の線路が3本に分かれていく。篠ノ井線の中でも特に有名な、姨捨駅だ。

このあたりは傾斜がかなりきつく、姨捨駅は全国でも珍しいスイッチバック駅となっている。

快速や特急は通過するため、姨捨駅を完全にスルーして勾配を下っていく。並行する上の線路では、姨捨駅に停車している列車の前照灯が光っていた。

そして姨捨駅と言えば、長野盆地を見下ろす絶景でも有名だ。スイッチバック通過の様子と長野盆地の車窓を両方楽しめるのは前面展望ならでは。

……がしかし、じきに霧が車窓を覆い隠してしまった。まあ、夏の山間部で雨なら仕方ない。

特急しなのと離合。松本では運休扱いになっていた気がするが、長野~松本は運行するということだろうか。

……といった感じで前面展望を続けているうちに、列車は長野駅へと滑り込んだ。しなの鉄道の列車も見えて賑やかな感じだ。

長野を訪れるのは以前、草津温泉から国道最高地点を越えて長野電鉄へとワープしたとき以来。

このときは旅程の都合で善光寺を観光できていなかったため、今回はその回収である。

善光寺へ

というわけで駅を出るが、ガッツリ雨

徒歩移動がキツイのでバスに乗車することに。

雨の影響でかなり冷え込んでおり、ふと車窓から見えた電光板には 23℃ という真夏とは思えぬ気温が表示されていた。

駅前から続く大通りを走っていくと、善光寺の参道にぶつかって大通りは終わりを迎える。

振り返ってみるとこんな感じ。

かなりの坂を登ってきたことがわかる。

というわけで、さっそく善光寺の参道へ入っていく。

まず出迎えてくれるのが、仁王門。いきなり規模のでかい門だ。

左右に安置された仁王像も非常に迫力があり、門をくぐるだけで一気に「巨大寺院に来た」という実感が湧いてくる。

仁王門を抜けると仲見世通りThe 観光地といった佇まいだが、まだ朝の時間ということもあり落ち着いた様子だった。

仲見世通りを抜けると、山門に到着。こちらもかなり巨大で、重要文化財に指定されている。

山門は2階部分が有料エリアとなっており、課金すれば登ることができる。今回は本堂・経蔵・史料館の入館までセットとなる、欲張りな共通券を発券した。

2階部分はこんな感じで、周囲をぐるりと回ることができる。

仲見世通りと仁王門の方向を振り返ると、先ほど歩いてきた参道が一直線に伸びている。

内部は撮影禁止だったため写真はないが、四国八十八ヶ所霊場の分身仏なども安置されており、外観の巨大さとはまた違った、仏教寺院らしい厳かな空間になっていた。

そしてこちらは本堂。仁王門も山門もデカいので感覚が麻痺してしまうが、木造建築として極めて大規模な建物だ。

現在の建物は 1707 年に再建されたもので、国宝に指定されている

さっそく中へ入っていく。

内部は畳敷きの大広間になっており、きらびやかな装飾が施されている。静寂に包まれた空間には御香の香りが漂っており、外の観光地らしい賑やかさとは対照的な神聖で落ち着いた雰囲気だった。一大観光スポットではあるものの、やはり寺院ということもあってゆっくりと参拝することができた。

(撮影禁止のため公式サイトより引用)

そして善光寺の中でも特に有名なのが、お戒壇巡り。暗闇の回廊を進み、途中にある「極楽の錠前」に触れることで、極楽往生のご縁を結ぶというものだ。繁忙期にはかなりの待機列ができるらしいが、この日は雨の影響もあってかまさかの待ち時間ゼロ。そのまま突入することができた。

(撮影禁止のため公式サイトより引用)

中に入ると、本当に何も見えないマジの暗闇である。右手で壁をつたいながらゆっくりと前へ進んでいくが、地下なので頭上の梁などに頭をぶつけるのではないかという謎の恐怖がある。

いや、実際にはそんなところに梁が張り出しているわけがないと頭では分かっているのだが、それでも暗闇の中を歩いていると本能的に「頭上に何かあるのでは」と心配してしまうのである。

そんな本能的な恐怖を味わいながら進んでいくと……「チャリン」という金属音。どうやら無事に錠前へ触れることができたようだ。

……といった感じで本堂の見学は終了。なかなか面白い体験だった。

その後は裏手の方をぶらぶらと散策。

謎の牛の親子像を発見。

で、奥の方にあったのが忠霊塔史料館。これまた内部の撮影が禁止のため写真はないが、展示されている史料はかなり充実していた。仏教についてそこまで詳しくない身としては解説を読み始めたら思いのほか面白く、気づけば 30 分以上が経過

展示物は阿弥陀如来像などの 3D オブジェクトも多いため、解説を読み込むタイプでなくても視覚的に楽しめる展示になっていた。

その後はぐるっと回って本堂を横目に見つつ……

最後の有料スポットである経蔵へ。こちらも重要文化財に指定されている建物だ。

中には巨大な輪蔵があり、他の参拝者と協力して1周回すという協力型アトラクションが開催されている。時計回りに1周回すことで大量の経典を読んだのと同じ功徳が得られるという、バランスブレイカーな施設だ。

(撮影禁止のため公式サイトより引用)

……といった感じで有料スポットも一通り見学を終えたため、その後は残りのお堂をサクッと巡っていく。

先ほど山門から見下ろしていた池だが、今度は逆に山門を見上げてみる。

こちらの池には蓮がいない様子。水面から少しだけ顔を出している円弧状に曲がった木の板が、まるで水車が水没したような見た目で面白かった。

……といった感じで、善光寺の観光は終了。所要時間は仁王門を入ってから出てくるまで、2時間弱となった。史料館で 30 分以上費やしたのが効いているため、史料を読み込まなければもう少しサクッと見られるはずだ。ただし、お戒壇巡りで行列ができていればその分だけ時間は伸びるだろう。

駅へ戻る

帰りは往路と同じ道を戻るのも面白くないので、1本裏の道へ入ってみた。

表通りは観光客で賑わっているのに、1本裏へ入っただけで一気に静かになる。雨に濡れた石畳と木造建築が、なんとも良い雰囲気を醸し出していた。

こうして善光寺を後にし、バスに乗って……

長野駅へと戻ってきた。

ここから再び鉄道での移動が始まるが、分量がだいぶ多くなってしまったため一旦区切りたいと思う。

……というわけで、次回に続く!

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