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価格が急な動きをすると避けたくなる心理がはたらき始めてしまう



はじめに

 冷蔵庫の中が寂しくなると買い出しに向かう。普段使いの多くの商品で値上がりが続くなか、なかには経験したことがないほどの高値を示す食材と遭遇する。生産者の皆さんの困窮も気になるが、やむなく日常使いをあきらめ、代替品を探す日々。背に腹は代えられない。

段階的な価格調整であれば、生産者の方々の努力やご苦労を思い、納得のいく側面も存在する。しかし、近頃の一部の食材に見られる急激な価格変化には、少々首をかしげたくなる場面も。長い目で見れば、その作物を手にとる機会そのものの減少へとつながり、巡り巡って農家の方々にとり懸念される状況に陥るのでは。

今回は、そんな日常の買い物で感じる価格のゆくえについて考えた。

店頭でのまなざし

 店に足を踏み入れると、自然と目が向くのは価格の安定している品々。そんな従来からの価格帯から大きく外れない商品がある一方で、時に驚くほどの急騰を見せる品も。個別に見れば、その時々の気候や様々な要因に左右される価格変動自体は、ごく自然な現象。

自然な変化や天候不順による不作であれば、十分に納得のいくところ。消費者の一人として価格が静かに落ち着くのを待つのみ。しかしながら、昨今のいくつかの産品に見られる急な動きについては、理由の推し量りにくさも存在。十分に収穫できているように見え、原料の供給が滞る様子も見当たらないなかでの高値維持など、不思議な現象に首をひねる感覚。

生産者の視点から振り返る価格

 かつて自ら野菜や果物を育てていた頃、収穫物に値をつける作業には細心の注意を払った記憶がある。もちろん需要と供給のバランスで決まるものとはいえ、適正な範囲での設定が望ましいのは言うまでもないところ。安値競争に陥るのを避けるため、初めて出品する販売所では、新参者として最も高い価格帯を意識して設定した経験をもつ。

市場の適正価格からかけ離れて安すぎる状態は、長期的に見て地域の生産者にとっても消費者にとっても好ましいとは言えないだろう。丁寧な付加価値を伝える工夫を施し、生産者同士が質の良い作物を提示できれば、不思議とその効果は周りの商品にも波及し、信頼を得て好調な売れ行きを見せる。品揃えが豊富であれば、それぞれの目的に応じてさまざまな価格帯から選ばれていく面白さに気づいた。

価格とは、買い手の多様な目的や心理のうえで成り立つもの。そこそこの値を維持しつつ納得感を提供できれば、生産者側にとっても満足感が得られる。

望ましい循環を求めて

 こうした経験を踏まえると、ここ1年ほどで見られる一部作物や商品の極端な価格変化には、少々の懸念をもつ。結果として生産者の方々を追い詰めることにならないかという心配、そして不透明な変化が続くことへの戸惑い。消費者は一度その商品から心が離れてしまうと、再び手にとるまでには時間がかかると思う。

一時の動きが、長期的な視点で見ればかえって損失として現れてしまう可能性も。双方にとって良い循環を生み出す構造であってほしいとの願いがある。

おわりに

 季節の移り変わりや自然の影響を除けば、農産物の価格は波打つようであり、健やかな市場の動きに委ねられるのが本来の姿。昨今の状況に対して抱くもどかしさや、思わずもれるため息。関わる誰もが納得し、笑顔になれる未来へ期待したいのだが…。

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