BLESSのBLESSによるBLESSだけのカモ柄トラウザー



中崎町から徒歩20分をかけて向かった場所は扇町公園。
僕が住んでいる天満に位置する扇町公園は、利用者の大体が子連れや老夫婦などの近隣住民。または夜になると若者の駄弁りスペースにもなっているみたい。それに関西テレビも隣接していることから局員の休憩場所にもなっているだろう。
それら様々の天満ユーザーが混じり合う扇町公園という場所が僕は好きだし、呑み屋が密集している感じや、生活感がはっきり感じられる天満という街がそもそも好き。
通勤、家賃、食費のことを考えると別にここじゃなくても良いっちゃ良いけれど、
この街が"なんか良い"って思えているから、気づけば天満に住み出して1年が経っていた。

- Ultrawidepleated -
COLOR : Camouflower Unique
SIZE : S / M / L
PRICE : ¥124,300- (tax in)
BLESSからいつも通り急に届いたUltrawidepleatedに関しても、「なんか良いな」って思って仕入れをした結果、格好の良いプライスだったことを届いてから思い出し、このプライスを理解してもらうためにあーして、こーして、こーいう風にって考えるけれど。
BLESSとお付き合いを始めてから9シーズン。
プライスのことも服のこともインテリアのことも、BLESSが作る全てのモノの意味を、分かっているようで分かっていなくて、分かっていないようで分かっていた9シーズンだったことを思い出す。






ただ唯一、明確に分かっていることは、3タックで構成されたワイドトラウザーにデザートカモのヘリンボーンを使っていることに僕らが気に入っているということ。そして、不均一に散りばめられたポップな刺繍が気に入っているということ。
それだけは確かだ。
まずはブランドを選び、その後に服を選び、その後にディスプレイを考え、その後に売り方を考えるセレクトショップとして。
何か意図を持って、もしくは狙いを定めてこの流れに乗っていくのが筋だとするならば、そもそもBLESSの洋服を仕入れる上で深い意味を含ませる方が違和感を感じている僕らにとって、
「なんか良い」という感覚は、
この上ない仕入れ基準だと確信している。
決して僕は感覚派ではないけれど、BLESSの優れた感覚を元に産まれた製品なのであれば、感覚的に向き合い、感覚的に着用したい。

くっきり、そして大ぶりに描かれた柄は、
かつて砂漠環境で身を潜めるために開発された
意味のある柄ではなく、意味を持たない柄。
そして、そのデザートカモの発祥や脈略に対して僕が特段興味があるわけではなく、むしろBLESSが無意味なモノへと形を変えてくれたおかげで手軽にデザートカモに触れることができている。
で、なんか柄が大きくて、刺繍も入ってて、可愛いなぁ。くらいの心持ちでこのトラウザーには向き合っていたい。










もちろんこれは、
ミリタリーの系譜をしっかり辿ったリプロダクションアイテムでも無く、90年代〜00年代初頭に流行したストリート文脈のそれでもない。
そう、これは紛れもなく、
BLESSのBLESSによるBLESSだけのカモ柄トラウザー。
僕らはまんまとそれに惹かれ、言語化も追いつかないままその抽象的なカッコ良さを受け取ってしまう。それがBLESSの巧妙さ。
で、カッコイイと思うその感覚が抽象的であればあるほど、その洋服が何にも代え難い強靭な手札であったことを、買った後に気が付く。
天満も1年住んだから好きになったのかな。
山内 健人
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