Kimi K3は何が衝撃なのか 〜第二のDeepSeekショック到来〜
金曜日、ゆな先生のXのタイムラインは阿鼻叫喚であった。
「TSMC、過去最高益なのにマイナス7%って何が起きてる?」
「半導体株、持ってるやつ全部真っ赤で追証で死んだ」
「これDeepSeekの再来だろ」
「DeepSeekの比較にならんぞ..」
こんな投稿ばかりで阿鼻叫喚であった。
事実を整理しよう。7月17日の金曜日、台湾の株式市場は6%を超える下落となった。
中でもTSMCは、その前日に四半期営業利益77%増という驚異的な決算を発表し、2026年の設備投資計画の引き上げまでアナウンスしたにもかかわらず、7%も売られた。
日本も無事では済まなかった。
日経平均は4%安、一時4000円安。
OpenAIへの出資で知られるソフトバンクグループに至っては9%安である。米国市場でもNvidiaが売られ、時価総額世界一の座を一時的にAppleに明け渡した。NvidiaがAppleに1位の座を明け渡したのはいつ以来だろう。
AMDは一時5%安、Intelは4%安。半導体ETFのSOXLは、わずか1ヶ月で半値になった。
決算シーズンが始まったが、犯人は決算でもなく、FRBでもなく、トランプでもイラン戦争でもない。
新しい中国のAIモデルである。
7月16日、上海で開催された世界人工知能大会(WAIC)の場で、中国のAIスタートアップMoonshot AI(月之暗面)が最新モデルを発表した。その名をKimi K3という。
ゆな先生の古参読者なら、嫌でも思い出すのは、2025年1月のDeepSeekショックだと思う。
中国の無名のAIラボが出した一つのモデルによって、Nvidiaの時価総額は一晩で5,900億ドル(約88兆円)も吹き飛んだ。
株式市場の歴史上、1日で消えた金額として過去最大であった。
そこにトランプ関税が同時にやってきて、2025年春の相場は壊滅的であった。
SOXLは一時10ドルを下回っていた(その後300ドルまで上がり現在は130ドル)
あれから1年半。
市場は「またか」と震え上がったわけである。
だが、今回のKimi K3ショックは、DeepSeekショックの単純な再来ではない。
壊れたものが違うのだ。
前回壊れたのは「AI開発には巨額のカネがかかる」という前提だった。
DeepSeekのような大した予算のない会社がフロンティアモデルのAIを作ったことによる衝撃。
しかし今回壊れつつあるのは、もっと大きな何かである。
今日は、Kimi K3が何者で、なぜ市場がここまで動揺したのか、AI企業と半導体企業の運命がどう変わるのかを解説していく。
ゆな先生の見立ても解説していく。
それでは見ていこう。Kimi K3とは…
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