NHS02- 御土産よりも感謝状

良いか悪いかどうかは別として、休み等を取った場合日本では職場への手土産は一般的である。医局だと休暇や学会などに行ったときは簡単な手土産を良く持って行ったものだ。

今回の専門医試験 (FRCOphth)ではconsultantや同僚に協力してもらった。外来に陪席させてもらいながら試験形式でその場で質問してもらったり、時間外にpractice sessionをやってもらったりした。そのため合格の報告とともに紅茶やジャム、買い物袋などを気持ちとしてお渡しした。ちなみに、これはFRCOphthでも出題される内容なのだが、感謝の印として患者さんから受け取っていいもの/額はAssociation of the British Pharmaceutical Industry (ABPI) の規定で決められており、現金以外のもので£50以下、が基準となっている。今回は患者さんからの贈り物ではないのでこの規定は関係ないのだが、お土産を選びながらこの規定を思い出していた(現在、£1 = 210円、ということは思い出さないようにする・・・)。

「そんなにしなくてもいいのに。わざわざありがとう。」と言われながら皆笑顔で受け取ってくれたのだが、そのうちの一人のエジプト人のconsultantから、「イギリスではthank you cardも一緒につけて渡した方がいいのよ」と冗談混じりで言われた。

女性だと結婚式のときに親御さんに向けて手紙を読み上げるとなど、まだ感謝状を書くことはあるだろうが、特に日本人男性が感謝状を書く機会というのはほとんどないだろうし、医局に置くお土産にも「学会行ってきました、休暇ありがとうございました、お土産お召し上がりください」と書くだけだった(ジェンダー論や、そもそも休暇をくれてありがとう?というのはおかしい、という論はここでは割愛する)。

イギリスでも長い感謝状を書く必要はないのだが、NHSに関して言えば、appraisalやportfolio pathway (CESR)の申請のときにevidenceとして提出できる (というかする必要がある)。appraisalについては別の記事で書こうと思うが、簡単にいえば、1年に1回、前年に立てた目標を達成できたか、診療に関して問題はないか、appraiserと協議する会議のことである。この際、毎年ではないものの、colleague (同僚) や patient (患者) からのfeedback (意見、評価) を添付しなければならない。そのため、患者さんからの感謝状や感謝のメール、また毎週送られてくる newsletterに「〜〜先生ありがとう」と書かれた記事があればそれらをスクリーンショットし保存しておくべきである。

確かにイギリスではスーパーマーケットにあらゆる種類のレターセットが陳列されている。誕生日祝い、結婚祝い、最近でいえば父の日祝いなど、レターセットを見かける機会は多い。感謝を伝えることも受け取ることも日本人はあまり得意ではないと思うが、感謝を伝えて嫌な気持ちをする人はまずいない。8月末で新しい病院へ転職することになったが、その前にはしっかりと感謝状を書いていこう(そして是非appraisalに活用してもらおう)と思う。

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