021霧と風のものがたり阿蘇祭歌注釈小切30
第二十一 小歌百二十首
(30)鳥の声聞く
228 ひとりねをして そらゆく △ とりの こヘきく」
229 とりのこヘきく わがうき △ ひとの こヘきく
小切三十番歌 註釈
劇(後編)神さぶる戀、序
歌の調べも代わり、あたりの様子も一変します。「わが浮き人の」と歌いつつ、浮流のなりをして、人々を静逸で厳粛な世界へと導いてまいります。
228a ①ひとりねをして 独り寝をして。
②そらゆく 空行く。
b ③とりの 鳥の。
④こヘきく 声聞く。「遊子悲しむ」とでも。
229a ⑤とりのこヘきく 鳥の声聞く。
⑥わがうき 我が浮き。
b ⑦ひとのこヘきく 人の声聞く。「浮き人の声聞く」心情で。
歌は詩のことばとなって響き、声は神々のことばとなって鎮まり、踊りはほとけたちの姿となって、やがて消えてゆくのです。あとは、かみさぶ鳥の声。
校訂
228 独り寝をして 空ゆく △ 鳥の 声きく
229 鳥の声きく わが浮き △ 人の 声きく
訳
228 独り寝をして 空ゆく雲を見ていると 鳥の 鳴く音が 近くに聞こえ
229 鳥の鳴く音を聞いていると わが浮き 人の 話す聲が 遠くに聞こえてくるのです
KONO Masafumi
