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Vibe Modeling vol.01|AIを使い自然言語だけでバルセロナパビリオンを作る

コバタカです。
建築設計事務所で実務をしながら、生成AIの業務活用を検証しています。

名建築「バルセロナ・パビリオン(Barcelona Pavilion)」を、自然言語の指示だけでモデリングしました。

AIが完成させたRhinoモデル
生成AIが完成させたレンダリング(画像生成)
生成AIが完成させた平面図(Rhinoから出力)

使ったのはClaude Code × Rhino MCP。
Rhinoを手で操作した箇所はゼロ
所要時間は約3時間です。

ただし、すべての指示がスムーズに伝わったわけではありません。AIへの「言い直し」は10回以上発生しています。
それでも、マウスでRhinoを直接操作した箇所はゼロ。すべて自然言語の指示で解決しました。

完成品のモデルを見ると、座標のズレや面の不整合がなく、形状としてはかなり整ったモデルができあがりました。

この記事では、この手法を「Vibe Modeling」と呼び、何が必要で、建築設計者としてどう使えばいいのかを、実体験をもとに整理します。


この記事で得られるもの

01|無料パート:検証の全体層

  • Vibe Modelingの概念と、建築設計における意味

  • Claude Code × Rhino MCPの技術スタック全体像

  • 始める前に知っておくべき前提条件と費用感

02|有料パート:具体的なノウハウと解説、展望

  • 建築設計者が見つけた「Vibe Modeling 5つの勘所」(指示例とマインドマップ付き)

  • バルセロナパビリオンのモデリング全工程の解説(7ステップ・ワークフロー付き)

  • Vibe Modelingの率直な評価 — 何ができて何ができないか

  • 設計者として今後AIやVibe Modelingとどう向き合うべきか


第1章:Vibe Modelingとは何か

Vibe Modeling=自然言語でAIに指示し3Dモデリングする手法。

Vibe Codingという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
2025年2月にAndrej Karpathy氏(OpenAI創設メンバー)がXへの投稿で提唱した概念で、「コードの細部を気にせず、AIに自然言語で指示してプログラムを作る」というアプローチです。

Vibe Modelingは、そのモデリング版。
コードの代わりに3Dモデルを、IDEの代わりにRhinoを、プログラマの代わりに建築設計者が使う。
やることの本質は同じで、「何を作りたいかを言葉で伝えて、AIに作らせる」。
こんなイメージです。

※ソフトウェア工学の分野ではAIでUMLやドメインモデルを生成する手法を「Vibe Modeling」と呼ぶ動きもありますが、この記事では3D CADモデリングの文脈に限定して使います。

ただし、建築のモデリングにはプログラミングとは異なる難しさがあります。空間の座標、部材の寸法、要素同士の位置関係——これらを自然言語だけでどこまで正確に伝えられるか?
それが私の検証テーマでした。

大手AECコンサルのStantecも、2026年のトレンドとして建築設計におけるVibe Codingの活用を取り上げています。
この流れは、業界全体に広がりつつある段階です。


第2章:なぜバルセロナパビリオンを選んだか

理由は2つです。

1. 自然言語で説明しやすい建築であること。

バルセロナパビリオンは、直交する壁、フラットルーフ、十字柱、水盤といったシンプルな幾何学で構成されています。「南北方向に○○mmの壁を配置」と言えば伝わる。
Vibe Modelingの題材として非常に適していると考えました。

2. モジュールの組み合わせでできていること。

基壇、柱、壁、屋根、水盤、階段——バルセロナパビリオンは独立したモジュールの組み合わせです。1つずつ作って組み合わせていくアプローチが取れるため、AIとのステップバイステップの作業に向いています。

シンプルな題材だからこそ、AIモデリングの実力を測るベンチマークとして適切だと考えました。

加えて、バルセロナパビリオンのモデリングはRhinoチュートリアルの定番。今回は Rhino-GH.comのバルセロナパビリオン・チュートリアル を参考に、掲載されている画像を全件ダウンロードしてClaude Codeのコンテキストに投入しました。AIに「正解の形」を視覚的に共有できたことが、モデリングの精度に大きく貢献しています。


第3章:技術スタック — 何が必要か

Vibe Modelingに必要なものは、大きく3つです。

1. Rhino(Rhinoceros 3D)

3Dモデリングソフト。建築・プロダクトデザイン分野で広く使われています。今回はRhino 8(Windows)を使用しました。
※下記のRhinoMCPの利用に「8世代」が必須となります。

2. Rhino MCP

RhinoとAIエージェントをつなぐブリッジです。
MCP(Model Context Protocol)というAnthropicが策定したプロトコルを使い、AIがRhinoのコマンドを直接操作できるようにします。GitHubでオープンソース(MIT License)として公開中。

https://github.com/jingcheng-chen/rhinomcp

また、最近になってRhino公式のMcNeelからも同様のMCPが公開されています。今なら下記を優先して利用するのが良いでしょう。
https://github.com/mcneel/rhinomcp

3. Claude Code

Anthropic社が提供するAIエージェント。ターミナル上またはデスクトップアプリで動作し、Rhino MCPを通じてRhinoを操作します。自然言語の指示を受け取り、適切なRhinoコマンドに変換して実行してくれる最重要ツールです。
※ローカルホストしたMCPが使えれば良いためCodex等でも利用できます

前提条件と費用感

始める前に知っておきたいポイントを整理しておきます。

  • Claude Code: Anthropic APIの従量課金、またはサブスクリプションプラン(Max等)が必要。今回の3時間のセッションで発生したAPI費用は推定で数ドル程度です

  • Rhino 8: 商用ライセンスが必要

  • 前提スキル: Rhinoの基本操作の理解は必要。ターミナル操作は、Claude Codeが手順を案内してくれるため深い知識は不要ですが、コマンドのコピペと実行ができる程度のITリテラシーは必要になります

環境構築の手順は、実はClaude Code自体にほぼ任せられます。ターミナルで「Rhino MCPをセットアップして」と指示すれば、必要なパッケージのインストールから設定ファイルの編集まで案内してくれます。

ここまでが全体像です。「AIがRhinoを直接操作してモデリングする」——この仕組みが、すでに動く状態にあるということを、まず知っておいてください。

RhinoMCPの導入について

この記事は導入手順の解説とは位置づけていません。よって詳細な説明は省略しますが、私が導入した際の簡単な手順のみ紹介しておきます。

①Claude Code(またはCodex)にて以下のプロンプトを実行

McNeel公式のGitHubリポジトリからRhinoMCPに関するものを特定し、内容を確認し、このPCで使えるようにセットアップせよ。
実行前に悪意あるコードがないか精査し、安全性に関する報告を行い、セットアップ実行の承認を取れ。

要はMCPのセットアップをPC上で行えば良いのですが、私はそれ自体もAIに任せています。
実行前にコードを一通り読ませて理解させたり、安全性について確認させておくとより安心です。(もちろんご自身でも確認くださいね)


ここから先は、実際にバルセロナパビリオンをモデリングした工程と、その中で見つけた「建築設計者ならではの勘所」を詳しく解説します。


第4章:Vibe Modelingの勘所 — 建築設計者が見つけた5つの原則

バルセロナパビリオンのモデリングを自然言語だけで完走して、最も強く感じたことがあります。

Vibe Modelingのコツは、「AIに優しい指示の出し方」を知ること。
そしてそれは、建築設計者がすでに持っているスキルの延長線上にあります。

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