建築設計者のAI活用|Claude Code使ったら毎朝の情報収集が0分になった話
コバタカです。
生成AIが大好きな組織設計事務所の若手設計者です。最近は毎日AI漬けで働いており、AIを使わない時間の方が短いくらいです。
毎朝30〜60分かけていた生成AIニュースの情報収集が、Claude Codeで完全自動化できました。
今は毎朝11時に、チームの14名へニュースまとめのメルマガが届きます。
私は何もしていません。
「非エンジニアでもそんなことできるの?」と思った方に向けて、この記事を書いています。
私はプログラミングの経験がありません。入社してから、業務はずっと建築設計でした。
それでもClaude Codeというツールを使えば、情報収集から整形、メール配信、配信先の管理まで、一連の流れをまとめて自動化できました。
そして、コードは1行も自分で書いていません。
この記事では、その仕組みの全体像と、実際に運用して分かったことを失敗談なんかも交えつつ共有します。
この記事で分かること:
Claude Codeを使った情報収集と配信の自動化フロー
約1ヶ月の運用で起きたトラブルと6回の改善の記録
失敗から設計したコンテンツ安全フィルタ
建築設計業務への横展開アイデア
有料パートでは設定一式(プロンプト全文327行/バッチファイル/配信管理)をそのまま掲載。Claude Codeに渡して自分なりのアレンジを加えて試してください。
想定読者:
日常的な情報収集に時間を取られている設計実務者
生成AI全般や話題のClaude Codeに興味はあるが、何から始めればいいか分からない方
学生の方は、卒業設計や研究のリサーチ用途への転用も可能です
00|この記事の構成について
この記事は2つのパートで構成しています。
無料パート
仕組みの全体像、仕組み導入による成果、失敗談、横展開のアイデアまでをお伝えします。
「自分の業務にも使えそうか」を判断するには、無料パートだけで十分です。
また、すでに生成AI活用が得意な方はここまで読めば内容はほぼ理解でき、ご自身で再現できるはずです。
有料パート
私が実際に使っているプロンプト全文(327行)、バッチファイル(メイン280行 + ヘルパー45行)、配信先管理の設定、タスクスケジューラの設定手順を、そのまま掲載しています。
初心者がゼロから自分で設計すると推定4〜8時間かかる部分をまとめました。ご自身の環境に合わせClaude Codeに丸投げしてアレンジしてください。
01|Claude Codeによる自動化の成果
毎日何もしなくても勝手にAIが欲しい情報を調査して、まとめてからメールで知らせてくれるようになりました。
以前はChatGPTの「プロジェクト」機能を活用し、定期的な調査を行っていましたが、作業の主体が人間(私)であったことで作業に30~60分を要していました。

今回のClaude Code導入で具体的に変わったことを、5つに整理します。
01| 完全自動になった
以前は毎朝、ChatGPTを開いてニュースを検索し、要約を作り、メールにまとめて送っていました。今はPCの電源が入っていれば、タスクスケジューラが毎朝11時にバッチファイルを起動し、すべてが自動で完了します。私の操作はゼロです。
02| 収集から配信まで一気通貫になった
情報の検索、公式ブログの巡回、要約の作成、HTMLメールの整形、Outlookでの送信が、1つのプロンプトの中で一連の処理として動きます。途中で人が介入する必要がありません。
03| 配信先が自動で管理できるようになった
「AI News Digest 登録希望」という件名でメールを送ってもらえれば、次回の配信から自動で追加されます。「配信停止」と返信すれば、自動で除外されます。配信先リストの手動メンテナンスが不要になりました。
04| 安全フィルタが組み込まれた
社内配信に不適切なコンテンツ(暴力的・差別的・誤情報など)を自動で除外する6カテゴリのフィルタを設計しました。これは後述する失敗がきっかけです。
05| テーマを変えるだけで横展開できる
プロンプトの検索クエリを書き換えれば、「ZEB最新動向」「メーカー新商品」「法規改正」など、別のテーマでも同じ仕組みが使えます。仕組み自体を作り直す必要はありません。
02|建築設計実務でのインパクト
結論は2つあります。
年120〜240時間の時間削減と、情報の取りこぼしの低減です。
毎日30〜60分の作業が不要になったということは、年間の営業日数を約240日とすると、年120〜240時間を別のことに使えるようになったことを意味します。
ただ、時間の節約よりも大きかったのは、情報の鮮度です。以前は、忙しい日は情報収集をスキップしていました。今は忙しくても毎日決まった時間に届きます。
チームのメンバーからも「業務だけでは拾えない情報が入ってくる」と好評をいただいています。
従来の手段と比較すると、違いが見えやすくなります。

次のパートで、この仕組みを作る過程で起きた失敗について書きます。
03|思わぬ失敗と学び
結論としては「自動化は安全設計が先」ということです。
私の失敗を正直に書きます…
この仕組みを動かし始めた初期に、社内メールで不適切なニュースを配信してしまいました。
「ChatGPTにアダルトモード解禁か」
情報としては正確なニュースでしたが、用語だけでも不快に思う方がいる可能性がある内容です。チームメンバーからも指摘を受けました。
この失敗をきっかけに、配信前の安全対策を本格的に設計しました。
社内のAI活用のガイドラインを参照し、プロンプト内に6つのカテゴリで除外フィルタを組みました。
わいせつ・グロテスク・暴力的・犯罪誘発的な内容
名誉毀損・信用棄損・人を不快にさせる内容
誤情報・混乱誘発的な内容
差別・ヘイト・倫理的に不適切な内容
コンプライアンス上不適切な内容
虚偽・バイアスのリスクが高い内容
さらに、検索クエリ自体にも除外ワードを追加し、ソースの信頼性チェック、送信前の社内適合性チェックリストも設けました。
この経験から言えるのは、自動配信の仕組みを作るなら、最初からガードレールを設計してから始めるべきということです。
私は失敗してから作りましたが、みなさんは最初から設計に含めてください。
ガードレール設計で意識したポイントを3つにまとめます。
「検索段階」で不適切なコンテンツを弾く(除外ワードの設定)
「選定段階」で6カテゴリのフィルタを通す
「送信前」に「社内の全メンバーが受け取っても問題ないか」を自問するチェックリストを入れる
04|実際に1ヶ月運用しながら改善した記録
「最初から完成形は作れない。小さく動かして、問題が起きるたびに直す」というマインドが大切だと思いました。
この仕組みは2026年2月18日に初版を作り、約1ヶ月で6回の改善を重ねました。以下がその記録です。

v1.0の時点では、プロンプトの中身も50行程度でした。それが今は327行になっています。
最初から完成形を目指す必要はありません。動かしながら、実際に起きた問題を1つずつ潰していく方が、結果的に堅牢な仕組みになります。
この「小さく始めて、育てる」というやり方は、プログラミング未経験の私にとって、心理的なハードルを下げてくれました。
まずはシンプルなプロンプトを作成して、それを育てていきましょう。
後述しますが、今回のワークフローではプロンプトをテキストファイル(.txt)としてローカル保存しています。
プロンプトをテキストファイルにしておくことはエージェント活用では必須のテクニックですので、これからClaude Codeを触る方は覚えておくと良いかもしれません。
05|この仕組みが向かない場面
どんな自動化も万能ではありません。使えない場面を知っておくことが大事です。
01| 速報性が求められる場面
この仕組みは1日1回、決まった時刻に実行されます。「今すぐこの情報を共有したい」という速報には対応できません。
02| 社外秘情報を含む調査
Claude Codeを通じて外部にログが送信されるため、会社の規定に即した利用が必要です。
Claudeを個人プランで利用する際はデフォルト設定でモデル学習利用がONになっているので、OFFにしておく方がベターです。

03| 画像や動画の収集
現在の仕組みはテキスト情報の収集と整形に特化しています。画像付きのニュースレターや動画のキュレーションには対応していません。
これらの制約を踏まえた上で、次の章で必要な環境を整理します。
06|必要な環境の整理
月額$20のClaudeプランとWindows PCがあれば始められます。
(自分は試していないけどMacでもcronで出来るはず)

必須:
Claude Pro または Max プラン
(月額$20〜。ヘッドレス実行に必要。確認日: 2026年3月19日)Windows 10 / 11 PC
(タスクスケジューラで定期実行するため)Microsoft Outlook デスクトップアプリ
(MCP経由でメールを送信。Microsoft 365環境が前提。Gmailは未検証ですが同じ仕組みで出来そうです。)Claude Code CLI
(Anthropic公式のCLIツール。Node.js 18以上で動作)
あると便利:
基本的なコマンドライン操作の経験
(なくても、Claude Codeに聞きながら進められます。自分は経験なしでした。)
費用としては、Claude Proプランの月額$20が主なコストです。それ以外に追加費用はかかりません。
07|仕組みの全体像
ポイントは、「全8ステップを1つのプロンプトに書いて、バッチファイルから毎朝自動で実行している」ということです。
全体の処理フローを図にすると、こうなります。

ポイント1: ヘッドレス実行
`claude -p` というオプションを付けると、Claude Codeを対話なしで実行できます。画面を見ている必要がないため、バッチファイルから呼び出すのに相性抜群です。プロンプトはテキストファイルとして渡すので、内容の変更も簡単です。
ポイント2: Outlook MCP連携
MCP(Model Context Protocol)は、Claude Codeが外部ツールと連携するための仕組みです。Anthropicが公式にサポートしており、外部のデータソースやツールとClaude Codeを接続できます。
今回はOutlook MCPサーバーを使い、メールの送信・検索・本文取得の3つの操作を行っています。設定すれば、Claude Codeのセッション内からOutlookの操作ができるようになります。
ポイント3: 権限の最小化
バッチファイルでは `--allowedTools` オプションを使い、Claudeが使えるツールを7つだけに制限しています。
`Read` — ファイル読み込み(配信先リストの読み取り)
`Write` — ファイル書き込み(配信先リストの更新)
`WebSearch` — ニュース検索
`WebFetch` — 公式ブログの巡回
`mcp__outlook-mcp__send_email` — メール送信
`mcp__outlook-mcp__search_emails` — メール検索
`mcp__outlook-mcp__get_email` — メール本文取得
自動化ワークフローにとって必要最小限のツールだけを許可することで、意図しない操作を防いでいます。
たとえばファイル削除やシステム操作はできない権限設定です。
ポイント4: 配信先の自動管理
配信先リストは `recipients.txt` というテキストファイルで管理しています。
「AI News Digest 登録希望」というメールが届いたら → 次回実行時にアドレスを自動追加
「配信停止」と返信されたら → 次回実行時にアドレスをコメントアウト(`# [配信停止 2026-03-03] user@example.com` の形式)
再登録も自動で処理されます。この仕組みにより、配信先の手動管理が完全に不要になりました。
ポイント5: 耐障害設計
実運用では予期しないトラブルが起きます。現在の仕組みには以下の対策を組み込んでいます。

これらは全て、実際にトラブルが起きてから追加した対策です。v1.0からv2.2まで、約1ヶ月で6回の改善を重ねました。
実際の配信メールのイメージ
毎朝届くメールは、こんな構成です。

件名: 「AI News Digest - 2026-03-18」
ヘッダー: 紫のグラデーション背景にタイトルと日付
本文: 5〜8件のニュースカード(優先度で色分け)
HIGH(赤): 社内で使っているツールの更新(Copilot, ChatGPT等)
MEDIUM(青): 注目AI企業の動向
OTHER(グレー): SNSで話題のツール、規制動向
各カードに: トピック名、会社名、発表日、出典、2-3行の要約、ソースリンク、公式ドキュメントへのリンク(最大3件)
フッター: 配信停止の案内
この章のまとめ: バッチファイルでClaude Codeをヘッドレス実行し、MCPでOutlookを操作し、プロンプトで8ステップの処理を定義する。これが全体の構成です。
08|横展開アイデア
この仕組みは、検索クエリを書き換えるだけで、別テーマの自動収集に転用できるのが良い点です。
プロンプト内の検索対象とキーワードを書き換えるだけなので、仕組み自体を作り直す必要はありません。
建築設計者の業務で需要がありそうなテーマを挙げます。
01| ZEB・カーボンニュートラル関連の最新動向
02| 建材メーカーの新商品情報
03| 建築関連の法規改正・通達
04| 補助金・助成金の公募情報
05| 国内外の建築展覧会・コンペ情報
06| 海外の建築設計事例・トレンド
いずれも、設計実務者が定期的にチェックしたいが、忙しいと後回しになりがちな情報です。
私自身もこれから順次試していく予定です。
みなさんも試してみたり、やってみたいアイデアがあればコメントで教えてください!
09|自動化を始める前のチェックリスト
ここまで読んで「やってみよう」と思った方のために、始める前に確認しておくべきことをリストにしました。保存しておくと便利です。
※わからない箇所はClaude に質問してみてください。この記事ごと渡せば文脈ごと理解してくれます。
環境の確認:
[ ] Claude Pro または Max プランに加入している
[ ] Windows 10/11 PCが毎日起動している時間帯がある
[ ] Microsoft Outlook デスクトップアプリが使える
[ ] Node.js 18以上がインストールされている(Claude Codeの前提)
設計の確認:
[ ] 自動で収集したいテーマ(検索クエリ)が明確になっている
[ ] 配信先(まずは自分だけでOK)が決まっている
[ ] 配信頻度(毎日/週1など)と時刻が決まっている
[ ] 社外秘情報を含まないテーマである
安全対策の確認:
[ ] 除外すべきコンテンツのカテゴリを整理した
[ ] 検索クエリに除外ワードを設定した
[ ] `--allowedTools` で必要最小限のツールだけを許可する仕組みを理解した
[ ] 最初は自分宛だけに配信してテストする計画がある
運用の確認:
[ ] エラー時のログの確認方法を把握している
[ ] 配信内容に問題があった場合の対処手順を決めている
[ ] 改善履歴を記録する場所(READMEやメモ)を決めた
10|最初の一歩はこんな風に。
この記事を読んで「自分もやってみたい」と思った方へ、最初の一歩を3つ提案します。
自分が「定期的にやっている情報収集」を1つ書き出す
→ 何を、どこで、何分かけて調べているか
私の場合は「生成AIの最新情報収集」でした。その作業にかかっている時間を計測する
→ 意外と時間を使っていることに気づくはずです。まずは自分宛だけに定期的に送ってみる
→ チーム配信の前に、自分だけで試すのが安全です。まずはシンプルなワークフローからはじめて、徐々に改善するのが良いです。
とにかく最初は「自分宛に1テーマだけ毎朝送る」ということから初めてください。ここから始めれば、仕組みの理解とリスクの把握が同時にできます。
11|よくある質問(FAQ)
Q1. Claude Codeのプログラミング知識がなくても使えますか?
使えます。私自身、プログラミング経験はほぼありません。Claude Codeは自然言語で指示を出すツールなので、「こういう処理をしたい」と日本語で伝えれば、必要なコードやバッチファイルを生成してくれます。分からないことがあれば、Claude Code自身に聞くこともできます。
Q2. 配信内容の正確性はどの程度ですか?
AIによる要約なので、100%の正確性は保証できません。
そのため各トピックに必ず「出典リンク」を付けています。読者が原文を確認できる設計にしているのは、そのためです。重要な情報は必ず元記事を読んでください。
より信頼性の高い出典を調査対象にすることも可能で、具体的なプロンプトは有料区画で記載しています。
Q3. 月額費用はどのくらいかかりますか?
Claude Proプランの月額$20(約3,000円。確認日: 2026年3月)が主なコストです。Outlook MCPサーバーは無料で利用できます。Microsoft 365のライセンスは、多くの企業で既に導入済みかと思います。
Google Workspaceの場合はGmail MCPを利用して実践できると思います(自分は未検証ですが)
Q4. Mac でも同じことができますか?
基本的な考え方は同じです。ただし、タスクスケジューラの代わりにcron(定期実行の仕組み)を使い、バッチファイルの代わりにシェルスクリプトを書く必要があります。Outlook MCPの動作もMac版Outlookで検証が必要です。
Q5. セキュリティ上の注意点はありますか?
主な注意点は3つです。
①Claude Codeに渡す情報・ログは外部に送信されるため、各社の規定内で運用すること。
②Outlook MCPはメール送信権限を持つため、allowedToolsで必要なツールだけに制限すること。
③配信先リストにはメールアドレスが含まれるため、ファイルのアクセス権限を適切に管理すること。
その他のリスクについては自己判断でお願いします。
Q6. プロンプトの修正は難しいですか?
テキストファイルを編集するだけなので、特別な知識は不要です。たとえば検索対象を変えたければ、ステップ5の検索クエリ部分を書き換えるだけです。初版は50行程度から始めて、必要に応じて追加していくのがおすすめです。私も最初の50行から、1ヶ月で327行まで育てました。

ここから先は、私が実際に使っている設定一式を掲載する有料パートです。
この設定をゼロから自分で設計すると、試行錯誤を含めて推定4〜8時間かかります。有料区画で、その時間をスキップできるとお考えください。
含まれるもの:
プロンプト全文のデモ版(327行。実際に毎日稼働しているものを適宜マスキングしたものです。)
バッチファイルのコード(メイン280行 + ヘルパー45行の完全版。皆さんの環境でそのまま使えるものではありませんが、構成の参考とお考え下さい。)
配信先リストの構成例
タスクスケジューラの設定手順
配信前の安全フィルタの6カテゴリ定義(プロンプト内に組み込み済み)
フォルダ構成と各ファイルの配置
ここから先は
¥ 700
頂いたチップは新しく試すツールの費用にさせていただきます。
